スコッチ・ウイスキーの定義を簡単かつ丁寧にまとめてみた

スコッチ・ウイスキーの定義を簡単かつ丁寧にまとめてみた

世界的なウイスキーブームの中で、昔から変わらず突出した存在感を放つスコッチ。
スコットランドで造られることからそう呼ばれるウイスキーは、長い歴史と伝統を持ちながらも、風味のタイプなど多様性に富み、新規参入が盛んであるなど、懐の深さも持ち合わせています。

そんなスコッチを品質を下支えする「定義」は一体どんなものなのでしょうか?
当記事では、スコッチと名乗るために満たさなければいけない定義について、簡単かつ丁寧にまとめていきます。

さすがは伝統国とあって、その定義は他国のウイスキーに比べやや厳しく定められています。

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スコッチ・ウイスキーの定義

スコッチ・ウイスキーの定義は、英国の法律で以下のように定められています。

  1. 水、酵母、大麦麦芽(モルト)およびその他の穀物を原料とすること
  2. スコットランドの蒸留所で糖化と発酵、蒸留を行う
  3. アルコール度数94.8%以下で蒸留
  4. 容量700リットル以下のオーク樽に詰める
  5. スコットランド国内の保税倉庫で3年以上熟成させる
  6. 水と(色調整のための)スピリットカラメル以外の添加は不可
  7. アルコール度数40%以上で瓶詰めする

少し分かりにくい部分があったと思うので、ウイスキー初心者の方でもわかるように簡単に補足していきます。

スコッチの定義を分かりやすく読み解く

上で記したスコッチを定義づける7つの規定を、ひとつずつ見ていきましょう。

1. 水、酵母、大麦麦芽(モルト)およびその他の穀物を原料とすること

どの国のウイスキーも、基本的には大麦麦芽やトウモロコシなどの穀物を原料としています。
それを水と酵母を使ってアルコール発酵させています。

大麦麦芽(モルト)の写真。

大麦麦芽(モルト)の写真。シングルモルトなどのモルトウイスキーは大麦麦芽のみを原料とする。

2. スコットランドの蒸留所で糖化と発酵、蒸留を行う

糖化、発酵、蒸留とはウイスキーの製造工程。
それらをスコットランド内で行わなければなりません。
要するに「スコットランド内でウイスキーを造ること」ということです。

3. アルコール度数94.8%以下で蒸留

ウイスキーは蒸留という技術によってアルコール度数を高めています。
その際の度数を、94.8%以下にしなければならないということ。他国のウイスキーにも同じような規定があります。

ちなみに、多くのウイスキーは67%前後に蒸留され、その後度数調整をへて、樽に詰めて熟成されます。

4. 容量700リットル以下のオーク樽に詰める

ウイスキーの熟成に使用される樽は、180〜500リットル前後が一般的です。
スコッチの熟成で最もポピュラーなバレル(バーボンの熟成に使った古樽)という種類の樽は、容量が180リットルです。

他国のウイスキーでは稀に大きなサイズの樽で熟成されることがあります。

一番手前の樽がバーボン樽(約180リットル)

一番手前の樽がバーボン樽(約180リットル)

5. スコットランド国内の保税倉庫で3年以上熟成させる

スコッチの定義において、最も重要な部分と言えます。

保税倉庫とは、樽熟成を行う熟成庫のことで、スコッチと名乗るためには、最低でも3年以上スコットランド国内で熟成させなければなりません。
つまり、スコッチの名がついたウイスキーは、たとえ年数表記がない商品でも最低3年以上は熟成されている、ということです。

日本やカナダなど他国では、熟成場所や熟成年数に決まりがないケースも多く見られます。

6. 水と(色調整のための)スピリットカラメル以外の添加は不可

一般的に、アルコール度数の調整をするために、瓶詰め前に水が加えられます。
また、一部ウイスキーでは色の調整のためにカラメルが加えられます。

7. アルコール度数40%以上で瓶詰めする

スコッチの多くはアルコール63.5%前後で樽に詰め熟成されます。
その後出荷にあたって瓶詰めを行う際、前述したように水を加え度数の調整を行うのですが、スコッチの場合、アルコール40%以上になるように調整しなければなりません。

ちなみに、日本のウイスキーの定義では瓶詰めアルコール度数については決まりがありません。

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厳しい定義によって品質が下支えされているスコッチ

このように、原料や産地だけでなく、製造方法まで厳しく定められているスコッチ。
伝統国として、昔から変わらず世界中から支持されるウイスキーの影には、厳しい定義があり、それによって品質が下支えされているのです。

ちなみに、アメリカのバーボン・ウイスキーも細かく定義されていることで知られていますが、スコッチのそれとは少し異なり、スコッチとバーボンの味わいが全く異なる理由が垣間見えます。
ぜひこちらもインプットしてみてください。

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小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPageオーナー / GINfest.TOKYO運営メンバー] 豊富な現場経験や長年のお酒愛によって、ジンを筆頭にあらゆるお酒の知識を持つ。

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