シングルモルト入門〜「キャンベルタウン」を簡単解説!

キャンベルタウンを知る

シングルモルト・スコッチでは、産地の違いを覚えておくことはとても重要です。
ワインと同じように産地で傾向が分かれるからです。
そこでリカーページでは、スコットランドのシングルモルト主要6産地を、それぞれ産地ごとに記事にしてご紹介していきます。

  1. スペイサイド
  2. ハイランド
  3. ローランド
  4. キャンベルタウン
  5. アイラ
  6. アイランド

本記事ではキャンベルタウン・モルトについて、入門編としてウイスキー初心者の方でもわかりやすいよう簡単に解説していきます。
記事後半では、キャンベルタウンのモルト銘柄を簡単にご紹介します。

これらを知っていればウイスキー選びにも役に立ちます。

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キャンベルタウン・モルトとは?

スコットランドの主要産地を示した地図
By Drawn by User:Briangotts as Image:Scotch regions.png and converted to SVG by w:User:Interiot,CC BY-SA 3.0, Link

キャンベルタウン・モルトとはスコットランドのキャンベルタウン(Campbeltown)という町で作られるシングルモルト・ウイスキーを言います。
キャンベルタウンは人口5,000人程度の小さな港町ながら、かつては30を超える蒸留所があったとされ、ウイスキーの主要産地でした。
しかし徐々に衰退し、現在は操業中の蒸留所は3つのみとなっています。

銘柄数にしても5つ程度しかありませんが、個性的な特徴を持っておりファンは決して少なくありません。

スプリングバンクやロングロウといった銘柄に代表されるように、塩っぽい風味と甘い風味が入り混じる傾向があります。
味わい的にも地理的にもアイラモルトとハイランドモルトの中間的な特徴を持つのが、このキャンベルタウン・モルトです。

キャンベルタウンとはどんな産地?

キャンベルタウンの街並み
出典:Campbeltown Grammar School and harbour from Beinn Ghuilean, By David Hawgood, CC 表示-継承 2.0

キャンベルタウンという町は、スコットランドの西部のキンタイア半島の先端部分にあります。
先ほどの述べたとおり、ハイランド地方とアイラ島の中間あたりに位置しています。

かつてこの町はアメリカ大陸に向かう船の寄港地として栄えていました。
小さな港町のキャンベルタウンで、ウイスキー産業が発展したのはこれも大きく関係していて、アメリカへの輸出用として需要が高かったとされています。
しかし20世紀初頭にアメリカが施行した禁酒法によって、需要が減少し、衰退していったとされています。

操業中の蒸留所は3つと言いましたが、実は長い間、スプリングバンクとグレンスコシアの2つしかなく、2004年にグレンガイル蒸留所が操業再開にこぎつけ3つになりました。
シングルモルトの人気の急騰で、キャンベルタウンは再び注目を浴びており、今後が楽しみな産地です。

キャンベルタウン・モルトの味わい・特徴

あくまで一般的な傾向としてですが、キャンベルタウンモルトは、少々の塩気と甘みが入り混じる独特の味わいになる傾向があります。
わかりやすく例えるなら塩味のナッツと甘いキャラメルがミックスされた、そんな味わいです。

しかし、もちろんこれは蒸留所や銘柄によって異なり、あくまでベースとしてはそのような傾向があるといったところです。

例えばスプリングバンク蒸留所では、麦芽の乾燥の際に焚きこむピートの量を3段階に分け、それぞれ別の銘柄としてリリースしています。
これによってスモーキーフレーバーや塩味の強さは大きく異なります。

ピートとは?
ピートとは、コケや草などが堆積してできた泥炭(草炭)のことで、スコッチでは麦芽の乾燥をさせる際に使用し、このピートを燃やした熱気で麦芽を乾燥させます。
この時に出る煙を麦芽が吸収することによって、スコッチ特有のスモーキーフレーバーが与えられます。

詳しくはこちらで解説しています。
ウイスキーでよくみる「ピート」とは一体何なのか?

キャンベルタウンの銘柄

キャンベルタウンにある蒸留所で作られるモルト銘柄について簡単にご紹介します。

スプリングバンク

【スプリングバンク蒸留所】

スプリングバンク蒸留所で作られるメインシリーズで、ピートの使用レベルは【中】
キャンベルタウンを代表するシングルモルトで、その味わいもキャンベルタウンらしい、甘味と塩味、加えてスモーキーなフレーバーが入り混じる味わいです。

このスプリングバンクが作られるスプリングバンク蒸留所は、スコッチでは珍しい独立資本の蒸留所で、製麦から瓶詰めまでを一貫して行うという生産体制も珍しいです。
フロアモルティングという伝統的な製麦方法を使用する数少ない蒸留所で、自社で製麦した麦芽を100%使用する唯一の蒸留所でもあり、伝統的な製法にこだわっている蒸留所です。

ロングロウ

【スプリングバンク蒸留所】

ロングロウは、スプリングバンク蒸留所で作られるピートレベルが【強】のシリーズです。
アイラモルトのような強烈なスモーキーフレーバーと、上品な甘味が入り混じる唯一無二の味わいでファンが多い銘柄です。

ヘーゼルバーン

【スプリングバンク蒸留所】

ヘーゼルバーンは、スプリングバンク蒸留所で作られるピートレベルが【無】つまりピートを一切使用しないシリーズです。
さらにスコッチには珍しい3回蒸留を行なっており、これによるスムースな口当たりながらも、スプリングバンク蒸留所らしい、若干の塩気と甘みも感じる銘柄です。

グレンスコシア

【グレンスコシア蒸留所】

グレンスコシア蒸留所は1835年創業ながら、その後2度の操業停止を経験し、その後も不安定な操業をしていたのですが、オーナーが変わったのを契機にボトルデザインも一新し、安定的にリリースされるようになりました。
しかし元々小規模蒸留所で生産量が少ないだけに、流通量も少なめです。

キルケラン

【グレンガイル蒸留所】
1872年創業の蒸留所ですが1925年には操業停止、その後長年の間稼働はありませんでしたが、2004年に施設を建て直し操業を再開しました。
スプリングバンク蒸留所の弟分的な蒸留所で、同蒸留所が仕込んだ麦芽を使用しています。
ここで作られるキルケランは2016年にようやく「12年」がリリースされましたが、少量生産な為あまりお見かけすることができません。
モルトファンの間では話題性が高い銘柄です。

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まとめ

キャンベルタウン・モルトについての理解は深まりましたでしょうか?

最後にざっくりとまとめると…

キャンベルタウン・モルトは小さな港町キャンベルタウン産のシングルモルトで、
銘柄数は少ないが、塩味と甘味が入り混じる独特の個性がある風味がベースとなっている。

他の主要産地と比較すると規模が小さく銘柄数もかなり少ないキャンベルタウン・モルトですが、アイラモルトとハイランドモルトの中間的な、独特な味わいからファンが多いです。
まずはぜひ一度試してみてください。

それではこの辺で。
以上「シングルモルト入門〜「キャンベルタウン」を簡単解説!」でした。

【参考文献】
ウイスキーコニサー資格認定試験教本・スコッチ文化研究所
世界の名酒事典2017年版・講談社

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小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPageオーナー / GINfest.TOKYO運営メンバー] 豊富な現場経験や長年のお酒愛によって、ジンを筆頭にあらゆるお酒の知識を持つ。

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