カバラン 〜 世界的な評価を得た台湾のウイスキーの魅力とは

カバラン・ウイスキーとは

台湾のウイスキー。
そう聞いてピンと来る方は決して多くはないはず。

ウイスキーといえば、スコットランドやアメリカ、そしてここ日本などいわゆる世界五大ウイスキーが有名です。
しかしここ数年、ウイスキーマニアの間で大きな注目を浴びている、とある台湾のウイスキーがあります。

そのウイスキーの名は「KAVALAN(カバラン)
一般的にはまだあまり知られていませんが、世界的な賞を数々受賞している業界内では有名な高級シングルモルト・ウイスキーです。

本記事ではこのカバランについて、どのような特徴を持ったウイスキーなのか、また、注目を浴びている背景など、カバランに関する基本的な情報をお送りします。

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常識を覆し世界を驚かせた台湾のウイスキー「カバラン」とは

カバランの主要銘柄

カバラン(KAVALAN)を手がけるのは、台湾で飲料事業を展開する「金車(King Car)」という企業。
2006年に蒸留所を創設し、2008年にリリースしたばかり比較的新しいウイスキーで、いずれの銘柄も高級シングルモルトとなっています。

カバランの蒸留所があるのは、台湾の北東部の宜蘭県(ギーラン)という山岳地の水が豊富な場所。
ウイスキーというと、スコットランドなどの冷涼な地域で造られるのが一般的で、暖かい地域では良質のウイスキーは造れないというのがこれまでの常識でした。
しかし、このカバランが蒸留所を構えるのは、亜熱帯の地域。
これまでの常識で見るならウイスキーづくりに向かない場所ながらも、金車集団の30年に及ぶ飲料事業で培った知見を活かし、高品質のウイスキーの生産に成功。常識を覆して世界中で高評価を獲得し、リリース以降数々の権威ある賞を受賞しています。

このような市場の圧倒的な高評価を背景に、設備を充実させ、カバランの生産可能量を増加。
しかし、それでもなお生産が追いつかないほど、世界中のウイスキーファンから熱視線を浴びています。

一般的にはまだあまり知られていないカバランですが、ウイスキー業界ではすでにブランドの地位が確立されつつあります。

続いて、次項でカバランの特徴について解説していきます。

カバランの特徴

台湾という、ウイスキー産地としてはあまり一般的ではない地で造られるカバランには様々な特徴があります。
それぞれ見ていきましょう。

特徴① 亜熱帯地域によるダイナミックな熟成

前述のようにカバランが造られるのは、これまでの常識ならウイスキー造りには不向きとされる亜熱帯の地域。
一般的に冷涼で造られるウイスキーは、樽での熟成がゆっくり進み、概ね3〜6年以上の熟成期間を要します。
しかし、夏になると気温が40℃近くにまでなるという地域で熟成されるカバランは、樽熟成が早くダイナミックに進み、熟成期間は約1年半前後となっています。
熟成期間がより長い方が良質だと見られがちですが、2010年にイギリスで行われたブラインドテイスティングでは、本場スコットランドの銘柄を差し置いて高得点を獲得し、この常識を覆しています。

カバランを熟成している樽

長期熟成させないもう一つの理由
一般的に温暖な地域での樽熟成は早く進む分、中身が蒸発していく量(エンジェルズシェア[天使の分け前])も多くなります。スコットランドなどの産地のエンジェルズシェアが年間2〜3%程度なのに対し、カバランでは年間15〜20%程度と言われています。
つまり、極端に言えば6年程度で樽の中身が空っぽになってしまうため、そもそも長期熟成できないということです。

特徴② 豊富なバリュエーション

カバランは比較的新しいウイスキーブランドながらも、実に多様で豊富なバリュエーションとなっています。
定番シリーズである「クラシック・シングルモルト」や、より高級シリーズである「ソリスト・シリーズ」など日本国内で販売されている銘柄だけでも12種あります。もちろん全てシングルモルトです。
これらの熟成には、通常のオーク樽だけでなく、シェリー樽やバーボン樽、それからワイン樽やポートワインに使用した樽など、様々なタイプの樽を用い、各銘柄で使い分けられています。

特徴③ 唯一無二の南国のフレーバー

台湾という、ウイスキーでは一般的ではない地域で造られるカバランは、その香り・味わいも特徴的。
マンゴーやココナッツといった南国のトロピカルフルーツのような香り、そしてクリーミーで甘美なフレーバーはいずれの銘柄にも共通しています。
短い熟成期間ながらも、その特異の環境で与えられるフレーバーはカバランの個性とも言えるでしょう。

特徴④ 世界的な賞を数々受賞

前述のようにすでに世界的な評価を得ているカバランは、これまでに数々の権威ある賞を受賞しています。
リリース以降に各コンペティションにおいて、数にして230以上もの金賞を獲得しています。

受賞した代表的な賞

  • インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2017:ワールドウイスキー部門最高賞「トロフィー」
    <受賞銘柄>ソリスト・エクスバーボン・シングルカスクストレングス
  • ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2015:ワールドベストシングルモルトウイスキー
    <受賞銘柄>ソリスト・ビニョバリク
  • インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)2016:最優秀ウイスキー生産者

カバランの主要な銘柄

カバランの基本情報や特徴が分かったところで、どのような銘柄があるのかも知りたいところ。
前述のように、カバランには日本国内で販売されている銘柄だけでも12もあります。
本記事では主要な銘柄に絞りご紹介していきます。

クラシック・シングルモルト

カバランのスタンダードなシングルモルト。
バーボン樽、シェリー樽、オーク樽などで熟成された原酒をブレンドしています。
独特のトロピカルフレーバーとまろやかで深みある味わいで、カバランらしさを感じることができます。

コンサートマスター

コンサートマスターは、ポートワインの樽で後熟(フィニッシュ)されたもの。
クラシック・シングルモルトより抑えられた価格帯ながらも、カスクフィニッシュによる豊かな香りと複雑な甘みが伴い、リッチな口当たりとなっています。

ソリストシリーズ

ソリストシリーズはカバランのより上級シリーズで、「ソリスト・バーボンカスク」や「ソリスト・オロロソシェリー」など使用する樽のタイプによっていくつか銘柄が分けられています。
非常に高い評価を得ているシリーズで、「ソリスト(独奏者)」の名のとおり、シリーズ全てシングルカスク(単一の樽からボトリング)となっており、それぞれの個性を楽しむことができます。
通常のシングルモルトでは複数の樽の原酒を使用するなかで、単一の樽の原酒のみ使用するシングルカスクで高評価を得ているということは、それだけ熟成の質が高いことの裏付けでもあります。

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まとめ

ここまでカバランについての基本的な情報をお送りしてきました。

最後にざっくりまとめると…

  • カバランは台湾発のシングルモルトで、地理的不利をはねのけて高品質ウイスキーの生産に成功。
  • 世界から圧倒的な評価を得て、すでにブランドの地位を確立しつつある。
  • 豊富なバリュエーションがあり、いずれも南国のフレーバーが特徴的。

カバランは、1万円前後からスタートする高級シングルモルトウイスキーですが、ご紹介したようにそこにはしっかりとした裏付けがあります。
また、バリュエーションは豊富でそれぞれ熟成タイプが異なるため、カバランの中でもそれぞれ個性があるのも魅力の一つです。

常識を覆し世界を驚かせた台湾のウイスキー「カバラン」
見かけた際はぜひ味わってみてください。

それではこの辺で。

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小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPageオーナー / GINfest.TOKYO運営メンバー] 豊富な現場経験や長年のお酒愛によって、ジンを筆頭にあらゆるお酒の知識を持つ。

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