初心者向け「ラムとはどんなお酒?」がざっくりわかる記事

ラムってどんなお酒?

ラムといえば、大人気カクテル・モヒートに使用されるお酒として知っている方も多いと思います。
しかし、ラムそのものがどんなお酒なのかについてはあまり知られていません。

そもそも何から作られているか、産地はどこか、どんな銘柄があるか、など…
意外と知らない方が多いのではないでしょうか?

そこで本記事ではラムそのものにスポットを当て、知っておくべき基本情報について、分かりやすいようにシンプルにお送りします。
本記事によって、ラムについてざっくりとわかるようになります。

ラムとはサトウキビから作られる蒸留酒

ラム(Rum)とは、サトウキビを原料に作られる蒸留酒(スピリッツ)のことです。
ジン、ウォッカ、テキーラとともに4大スピリッツに含まれ、ロックなどでそのまま飲むことはもちろん、カクテル用としても多く使用されます。

ラムの原料となるサトウキビ

ラムはその原料に、サトウキビの絞り汁、もしくは絞り汁から砂糖の結晶を取り除いたもの(糖蜜、廃糖蜜)を用います。
それを発酵→蒸留を経て、仕上げに樽もしくはタンクでの熟成を行い出来上がります。

サトウキビが原料なだけあって、ほんのり甘くまろやかな味わいです。
そのため、スピリッツの中では比較的飲みやすいお酒でもありますね。

しかし、他のスピリッツ同様アルコール度数はだいたい40度以上あるので、そのまま飲むとキツく感じる方も多いでしょう。

主な産地は?

ラムは基本的に、カリブ海周辺など暖かい地域で作られます。
最も有名な産地は、バカルディやハバナ・クラブの創業の地であるキューバです。(バカルディは現在おもにプエルトリコで作られています)
他にはプエルトリコやジャマイカ、マルティニーク島などが挙げられますね。

ラムの語源は?

ラムは、現在は廃語となっている英語のランバリオン(rumbullion、興奮の意味)という言葉が略され、そう呼ばれるようになったとされています。
サトウキビから作られた蒸留酒を初めて飲んだ人たちが、みな酔ってランバリオン(興奮)したことが由来となったと言われています。

風味によるタイプ分け

ラムは、その風味によって3タイプに分類されます。
その違いは蒸留方法や熟成方法によって生まれるのですが、これらの解説は本記事では省略させていただきます。
よろしければこちらの記事をご参考ください。

1. ライト・ラム

味わい:極めてライト、味香りともに控えめ
蒸留方法:連続式蒸留
熟成方法:内側を焦がしていない樽、もしくはタンク熟成

ラムの甘さを少し感じ、軽くやわらかい飲み口なのでカクテル用として用いられることが多いですね。
モヒートのベースの使われることが多いバカルディは、このライトラムにあたります。

2. ミディアム・ラム

味わい:ラムの甘い香り、味わいを感じる
蒸留方法:単式蒸留、連続式蒸留
熟成方法:内側を焦がした樽

樽を焦がしていることや、蒸留方法の違いによって、ライト・ラムよりラム本来の甘さや風味を感じやすい傾向があります。
ヘビー・ラムとライト・ラムを混ぜて作ることもあります。

3. ヘビー・ラム

味わい:ウイスキーのように重厚で、風味豊かに
蒸留方法:単式蒸留
熟成方法:内側を焦がした樽で3年以上

原料の風味が残りやすい単式蒸留を用い、さらに樽での長期熟成により、色や風味の濃いラムが出来上がります。
個性が強いため、そのまま飲むのがほとんどですね。

色によるタイプ分け

ラムはお酒の色合いよっても、3タイプに分類されます。

ちょっとややこしいですよね…?
ただこちらは、シンプルなので覚えやすいかと思います。

1. ホワイト・ラム

色合い:無色透明

樽熟成後のラムを活性炭で濾過することで、雑味のない無色透明のホワイト・ラムが出来上がります。
カクテルの使用するのは、このホワイトラムです。

2. ゴールド・ラム

色合い:薄い茶色、金色

樽熟成後のラムを濾過せずそのまま瓶詰めすることで、やや色づいたラムが出来上がります。
着色のため、カラメルが添加されることもあります。

3. ダーク・ラム

色合い:濃い茶色

味のタイプではミディアムとヘビーに該当し、こちらも着色されることがあります。
そのまま飲む用やカクテル用だけでなく、お菓子用にも使われます。

ラムベースのカクテル

ラムは、今や大人気カクテルとなったモヒートのベースに使われるなど、多くカクテルで使用されています。
せっかくですので、ラムを使用した代表的なカクテルをご紹介しましょう。

  • モヒート
  • ダイキリ
  • マイタイ
  • キューバリブレ(ラムコーク)
  • XYZ

代表的な5つのラム銘柄

日本の飲食店や酒屋でよく見かけるラム銘柄をご紹介します。
これらのラムだけでも知っていれば十分です。

バカルディ

おそらく最も知名度が高いラムで、企業としても超巨大酒類メーカーです。
日本では缶やビンのバカルディ・モヒートも販売しています。

ハバナ・クラブ

バカルディと知名度を二分するのが、このハバナクラブです。
キューバらしいライトな味わいが人気です。

マイヤーズ

ダーク・ラムがかなり有名な銘柄で、ジャマイカで作られています。
芳醇な味わいで、製菓用としても需要が高いです。

キャプテンモルガン

バニラやアプリコット(杏)などのフレーバー配合の、いわゆるスパイスト・ラムで有名な銘柄です。
飲むやすく人気があり、世界で4番目に売れているラム銘柄です。(2015年集計、the millionaire’s clubより)

ロンサカパ

23年熟成という長期熟成の原酒を多く使用しながらも、割安なお値段で人気の銘柄です。
上品な甘さとコクがあり、見た目にも高級感があります。

まとめ

ここまでラムの基本情報についてお送りしてきました。
しかし、タイプ分けの部分など少々ややこしい部分があったと思います。

これらについて完全理解する必要はなく、ざっくり「こんなタイプがある」程度で把握していれば十分です。

基本的には、ラムは…
サトウキビ由来の蒸留酒であること。
熟成を経て作られること。
度数が40〜程度であること。
それから上記した5銘柄を押さえておけば問題ありません。

ラムの知識をもった方はまだまだ少数派なので、これらを知っているだけで差をつけられるかもしれませんね。
ぜひ今後はラムそのものも味わってみてください。

それではこの辺で。
以上、「初心者向け「ラムとはどんなお酒?」がざっくりわかる記事」でした。

参考文献:スピリッツ銘酒事典|新星出版社 著:橋口孝

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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