なぜ今ジンの銘柄数が急増しているのか?

ジン・急増のワケ

クラフトジンを筆頭に流行の波が押し寄せ、今後さらなる流行が期待されるジン。
近年、世界的にジンの銘柄数が急増しているのはご存知でしょうか?

もちろん世界的にジンが流行っているからそれを作る生産者が増えているのですが、詳しく見ると他にも理由がありそうです。
本記事では、あまり表に出ることはないジン銘柄が急増しているワケについて、簡単に解説していきます。

ウイスキーやウォッカではなくジンが急増しているのには、実はある特別な理由があるのです。
いくつかのセグメントにわけて見ていきましょう。

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1. ジンは小さなメーカーでも作りやすい

ジンはたしかに世界的に流行しているのですが、それ以上にウイスキーの方が市場規模が大きく、より世界的な流行となっています。
ウイスキーの銘柄数も増加傾向になりますが、それ以上にジンの急増が目立ちます。

それはなぜでしょうか?
答えはいつかありますが、最もシンプルでよく挙げられるのが、「新規参入メーカー、小さなメーカーでも作りやすい」ということ。

ジンが作りやすいとはどういうことか。
それはジンならでは製法・特徴が関係しています。

熟成いらずでマネタイズしやすい

棚に並べられたたくさんのジン

熟成のいらないジンはすぐに売り出せる

By Decatur Wine & Spirits – Own work, CC BY-SA 3.0, Link

アルコール度数40〜50度前後、いわゆる蒸留酒(スピリッツ)に分類されるジンですが、他の蒸留酒とは違いマネタイズ(収益化)しやすいという特徴があります。
それはどういうことかというと、ジンは基本的に熟成がいらないお酒だからです。

熟成がいらないため、作ってからすぐに売り出せる。
このすぐに売り出せるというのは新規参入メーカーや小さなメーカーにとってはとても重要で、小さな資本でやる以上早く売り上げをたてたいものです。

一方、他の蒸留酒はそうはいきません。

代表的な蒸留酒を見てみましょう。
ウイスキーでは熟成は必須。地域によりけりですが基本的に3年ほどの熟成期間を要します。
ラムやテキーラに関しては熟成なしのいわゆる「シルバー」タイプもありますが、それだけでというわけにはいかず、熟成も視野に視野に入れなければなりません。(そもそもテキーラはメキシコでしか作れません)
ウォッカに限ってはジン同様、熟成なしが基本ですが、ジンほどの流行ではないせいかあまり取りだたされることはありません。(他理由については後述)

新規ウイスキー蒸留所の収益手段?

このように他のお酒なら数年がかりでようやく売り上げとなるものが、ジンなら作ってすぐに売り上げを作ることができるのです。

このようなことから、ウイスキーブームを受けて新たなウイスキーの蒸溜所として創業したけど、ジンも作り、ジンの方が先にリリースされるというケースも増えています。
ウイスキーは3年程度は熟成させないといけないので、その間の収益手段としてジンはとても有効なのですね。

そう聞くとジンは「片手間生産」というようなネガティブなイメージを持たれるかもしれませんが、そもそもウイスキー生産を始めるような人達は、情熱だけでなく技術も要しています。
質の高いジンを追求するのは彼らにとって当たり前なのです。

そうして少量生産ながらも質を追求して作られたジンは、近年はクラフトジンというカテゴリーで売り出されます。

クラフトジンについて詳しくはコチラ
日本でも流行必至!クラフトジンとはどんなジンなのか?

2. ボタニカルで個性を出しやすい

ボタニカルやスパイス

ジンは多数のボタニカルを使用する

上記の「収益化しやすい」以外でジンが増えている理由として挙げられるのが、ジンは使用するボタニカルによって個性を出しやすいと言った点です。
どういうことでしょうか?

まずジンは穀物ベースのスピリッツに、ジュニパーベリーや他ボタニカル(ハーブや果皮など)を加えて蒸留し出来るお酒。
この時使用するボタニカルの種類には縛りがなく、各社自由にボタニカルをチョイスしオリジナルのレシピで作ることができます。(ジュニパーベリーは必須)

原料に縛りがないぶん、個性を出しやすく他との差別化を図りやすいのですね。

個性は明確なアピールポイントとなる

このように個性に限界がないジンは、メーカーとしてはマーケティングしやすいといったメリットがあります。
特に最近増えているクラフトジンと言われるようなジンは、どれも唯一無二の個性があり、明確なアピールポイントとなります。

地域由来のボタニカルなど使用したり、使用するボタニカルの数が違いが差別化のポイントなります。
また最近ではボタニカルだけでなく、そもそものベーススピリッツに、これまで一般的ではなかったお米だけのスピリッツを使用したりなど、ベーススピリッツにこだわるところも増え、差別化のポイントも多様になっています。(日本の季の美や和美人など)
これらの違いは明確なアピールポイントとなります。

これだけ原料に縛りがなく、ある意味自由に作れる蒸留酒は類を見ません。
先ほどウォッカも熟成なしで早く売り出せると述べましたが、ウォッカはボタニカルは使用しないため、差別化がジンと比べて難しいのです。

3. 実はジンは多くのシーンで需要がある

ジンを使用した代表的なカクテル・マティーニ

マティーニなど多くのカクテルでジンを使用する

これまで「ジン」というカテゴリーがスポットが浴びることは少なかったのですが、実はあるシーンでとても需要があるお酒でもあります。

それはバーでは欠かすことができないお酒であるということ。
ジンはマティーニやギムレット、それにジントニックなど超有名カクテルや多くのカクテルのベースとなります。
カクテルブックでもジンカクテルのページが一番分厚くなっていることがほとんど。
今も昔もバーシーンにおいてはジンは常に大きな需要があるのですね。

さらに最近流行となっているクラフトジンは、味わい深いものが多くロックやストレートなどそのまま飲むことも想定されているため、家飲みなどでも需要が生まれています。

この需要の多さはメーカーとしては作るうえでの大きなインセンティブとなります。

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まとめ

ここまで3つのセグメントにわけ、ジンが増えている理由をお送りしてきました。

最後にざっくりとまとめると…

  • 作ってすぐ売りだせるので新規参入または小規模メーカーでも作りやすい
  • ボタニカルなどで個性を出しやすくマーケティングしやすい
  • バーでも需要はもとより、家飲みなど多くのシーンで需要がある

このように他のお酒にはないジンならではの売り出しやすいポイントがあるから、そして昨今のジンブームがあるから銘柄数が急増しているわけですね。

最後に消費者目線で付け加えると、ジンの場合、どれだけ上級シリーズでプレミアムなジンでも5,000円前後で購入できるというのは嬉しいポイントです。
例えばウイスキーなどの場合、上級シリーズともなるとたちまち1万円は超えますからね。

これらを総合的に見ると、ジンはさらに大きな流行となっていくでしょう。

それではこの辺で。
以上「なぜ今ジンの銘柄数が急増しているのか?」でした。

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小針 真悟
著者:小針 真悟

LiquorPage運営者。様々な業態のバーテンダー経験からジンやウイスキー、日本酒や焼酎など幅広い知識を持つ。

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