ワインと言えばフランス、イタリアが有名ですが、世界には他にもたくさんの産地があります。
産地によって、ワインの味わいや特徴はかなり変わるもの。
これら産地の基本情報や特徴について知っていただくためにも、ワインの産地を国別に分けてご紹介していきます。
本記事でご紹介する産地は、ヨーロッパの4カ国です。
- フランス
- イタリア
- スペイン
- ドイツ
これら4カ国の特徴について「ざっくりと」ご紹介していきます。
なお、アメリカ、オーストラリア、チリ、日本の新興国ワインについてはこちらの記事でご紹介しています。
フランスのワイン
言わずと知れたワイン大国で、生産量も世界トップを誇ります。
五大シャトーやロマネ・コンティなど、高級ワインの多くはフランスのボルドーかブルゴーニュで生産されています。
産地によって味わいや特徴は様々です。
主な産地
ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ローヌ、他
主なブドウ品種
カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、メルロー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、他
特徴
ボルドー:濃厚でやや渋みがあり、複雑な味わいの赤ワインが多い。
ブルゴーニュ:濃すぎず華やかな赤ワインが多い。白ワインは味がしっかりしているものから、淡麗辛口のものまで様々。
ローヌ:やや果実味が濃いめで、ちょっぴりスパイシーな赤ワインが多い。
シャンパーニュ:シャンパンを作り出す地域、繊細な炭酸と複雑な辛口が特徴。
有名なワイン
- 五大シャトー(シャトー(以下CH)・マルゴー、CHラフィット・ロートシルト、CHムートン・ロートシルト、CHラトゥール、CHオー・ブリオン)
- ロマネ・コンティ
- シャブリ
- ムルソー
- ジュヴレ・シャンベルタン
- コート・デュ・ローヌ、他
イタリアのワイン
フランスと双璧をなすワイン大国で、こちらはワイン生産量世界2位です。
バローロやバルバレスコなどが有名な銘柄ですが、どちらかと言うとフランスよりは比較的安価なデイリーワインなども多く生産しています。
伝統的に、イタリア固有のブドウ品種を使用したワインが多く、味わいも様々です。
近年では、トスカーナ地方でフランス系のカベルネ・ソーヴィニヨンなどを使用したワインが人気と名声を高めていて、これらはスーパートスカーナと呼ばれています。
主な産地
トスカーナ州、ピエモンテ州、ヴェネト州、他
主なブドウ品種
ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ、モンテプルチアーノ、ガルガーネガ、他
特徴
トスカーナ州:口当たりが良い赤ワインが多いが、スーパートスカーナはボルドーワインのように濃厚なワイン。
ピエモンテ州:バローロ、バルバレスコなど濃厚で華やかな赤ワインが有名。
ヴェネト州:ソアーヴェなど口当たりの良い程良い辛口の白ワインが有名。
有名なワイン
- バローロ
- バルバレスコ
- キャンティ
- ソアーヴェ
- サッシカイア、他
スペインのワイン
生産量では世界3位ですが、ブドウの栽培面積では世界トップを誇ります。
従来的には、普通の赤白ワインより、シェリーと呼ばれる保存性と度数が高められたワイン(酒精強化ワイン)や、カヴァと呼ばれるスパークリングワインが有名です。
しかし近年は、赤ワインでも評価を高めていて、ウニコに加えてピングスなど高価なものも登場しています。
主な産地
リオハ地方、ヘレス地方、ペネデス地方、他
主なブドウ品種
テンプラニーニョ、ガルナッチャ、他
特徴
リオハ地方:熟成させてから出荷される赤ワインが多く、味わいはまろやかでコクがある。
ヘレス地方:シェリーの産地、シェリーはブドウの蒸留酒を添加して作られ、辛口なものから極甘口なものまで。
ペネデス地方:カヴァの産地、カヴァはシャンパンより甘め。他にも高コスパな赤ワインも。
有名なワイン
- ウニコ
- ピングス
- トーレス・サングレ・デ・トロ
- イゲルエラ
- フレシネ・スパークリング、他
ドイツのワイン
ドイツワインと言えば、他の地域にはない甘口な白ワインが有名です。
寒冷地であるがゆえに、栽培できるブドウがほぼ白ブドウに限られ、成長が遅く糖分が高くなるため、甘口の白ワインができます。
より甘口であればあるほど高級になります。(最高等級であるトロッケンベーレンアウスレーゼともなると10万円を超える銘柄もでてきます)
アイスワインも有名です。
主な産地
モーゼル地方、ラインガウ地方、他
主なブドウ品種
リースリング、ゲヴェルツトラミネール、他
特徴
モーゼル地方:さわやかで酸味と甘みが程よい白ワインが多い。
ラインガウ地方:ドイツ最高のワイン産地、果実味が豊かな甘口白ワインが多い。
有名なワイン
- エゴン・ミュラー(生産者)
- クロスター・エバーバッハ(生産者)
- ロバート・ヴァイル(生産者)
- シュバルツェ・カッツ(生産者)
- シュタインベルガー、他
まとめ
ヨーロッパの各産地では、その国固有のブドウ品種を使用することも多く、タイプや味わいがはっきりと分かれます。
ワインの歴史が長いだけに、生産者が非常に多く、その分、銘柄や生産者などワインの当たりハズレが激しいとも言えます。
ヨーロッパの産地の中でも、特にフランスとイタリアのワインは王道であり、全ワインの基準にもなりえます。
なのでまず、この二国のワインから楽しんでいくのが良いかもしれませんね。
別記事にて、アメリカ、チリを含む新興国ワインの特徴をご紹介しています。
こちらもぜひご覧ください。
それではこの辺で。
以上、「世界のワイン産地の特徴をざっくり説明【ヨーロッパ編】」でした。