日本酒がブームと言われ、純米や大吟醸といったグレードにこだわる人が増えている昨今。
楽しみ方の幅を広げるため、酒器にもこだわる人が増え始めています。
日本酒の酒器というと、これまでは徳利、お猪口などの瀬戸物が一般的でしたが、近年は日本酒の良さを引き出す機能性グラスにも人気が集まっています。
そんな折、登場したのが世界的なグラスメーカーのリーデルが手がける“純米”グラス。
その名のとおり、世にも珍しい純米酒に特化した機能性グラスで、4月19日に発売されました。
当記事ではこのグラスについて、特徴や誕生背景などご紹介していきます。
なぜリーデルが“純米酒用”グラスを手がけるのか?
なぜ世界的グラスメーカーのリーデルは、純米酒に特化したグラスを作り出したのでしょうか?
ウイスキーやテキーラなどあらゆるお酒に適した機能性グラスを手がけるリーデルは、実は以前から日本酒用のグラスを手がけており、2000年にワイングラスの形状をした“大吟醸”グラスをリリースしています。
お猪口など小さな酒器で味わうことが多い日本酒ですが、大吟醸のように香りが強く華やかなタイプの日本酒は、大ぶりで膨らみのあるワイングラスタイプの方が特有の香りが際立つのです。
大吟醸グラスは、長らくリーデルの日本酒用グラスとして一流レストランなどから重宝されてきましたが、実は大きな欠点を抱えていました。
それは、純米酒など香りではなく旨味で勝負するタイプの日本酒と相性が悪いということ。
要するに吟醸酒以外に合わないのです。
そういった背景があり、リーデルは純米酒にも合うグラスを作り始めたのです。
お酒の香り・味わいはグラスによって変わる
ワイン好きの方ならよくご存知かもしれませんが、グラスによってお酒の香りや味の感じ方は変わります。
例えば、高級赤ワインを一般的なずんどう型のグラスで飲んだら、特有の複雑な香りを感じられないでしょう。逆に大ぶりのワイングラスを使用すればその香りは際立ちます。
しかし、同じグラスで40度前後のアルコール度数が高いお酒を飲んだら、アルコール臭すらも際立たせてしまい、飲みにくく感じるでしょう。逆に小型のワイングラス、いわゆるチューリップ型のグラスなら適度に香りを立たせ、アルコールの刺激を和らげてくれます。
このようにグラスによって香りや味の感じ方は異なり、それぞれ適したグラスを使用すれば、そのお酒の欠点を消し、良さを最大限引き出してくれます。
“純米”グラスとは…特徴をご紹介
日本酒の代表的なタイプである純米酒に合うグラスがなかったことを発端とするリーデルの“純米”グラスは、日本酒の有識者などのサポートも得ながら、完成までに8年もかかったとされています。
そもそも純米酒とは、米、米麹、水のみが原料の日本酒。米本来の風味が豊かで旨味やコクなど、香りというより味に特徴があるタイプです。
その純米酒特有の旨味を最大限に引き出すべく作られたグラスは、大ぶりながらも吟醸酒用のグラスとは異なる、横長で飲み口の口径が大きい形状となっているのが特徴です。
このユニークな形状が、純米酒特有の米の旨みを際立たせ、口当たりを柔らかくしクリーミーな質感を口中に長く留めてくれます。
純米の名を冠したグラスですが、米の旨味が特徴のいわゆる芳醇旨口の日本酒であれば、純米酒に限らずその力を発揮してくれます。
<エクストリーム シリーズ>『純米』グラスのスペック
価格:3,240円(税込、1個入)
高さ:200mm
容量:495ml
リーデルについてもざっくりご紹介
リーデルは、世界的に有名なオーストリアのワイングラスメーカー。
同国出身の偉大な作曲家モーツァルトの誕生年と同じ1756年に誕生した、260年以上の歴史を誇るグラス界の老舗です。
リーデルは、同じワインでも異なる形状のグラスで飲むと、香りや味の感じ方が変わるという事実に着目し、様々なブドウ品種やワインのタイプに合わせた機能的なグラスを次々と生み出しており、それらは世界中のワイン愛好家から絶賛されています。
また、それらのグラスはリーデル独自で開発するのではなく、世界中のワイン生産者たちと共に納得のいくまでテイスティングを繰り返し、最適な形状を探し当てるというプロセスを経て作り出されます。
日本でも多くの愛好家を持ち、一流レストランでも多く使用されているグラスメーカーでもあります。
そのリーデルが手がける“純米”グラス、日本酒ファンや飲食関係者は注目すべきグラスです。
■リーデル公式ブランドサイト
http://www.riedel.co.jp
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