美の国秋田といえば、全国的な人気集める日本酒を多く輩出する酒処。
そんな秋田の中でも、特に人気がある日本酒ブランドの一つ「山本」などを手がけるのが山本酒造店です。
この度、その山本酒造店がなんとジンをリリース!
「ナイトトラベラー」の名で、初回限定セットが8月末に発売されています。
今回はこちらのジンについて、開発者であり蔵元の山本友文さんに話を伺いながら、誕生までのストーリーや特徴などご紹介します。
ジン好きが高じて一念発起、日本酒の延長線上にあるジン
秋田名物・ハタハタでも有名な港町、八峰町で明治34年から酒造りを行う山本酒造店が手がけた「ナイトトラベラー」。
開発者の山本さんによれば、ジンの製造を考え始めたのは2017年春頃。なぜ日本酒の造り手がジンの製造に興味が湧いたのか、その理由については「私がジンをベースにしたカクテルが大好きだったから。バーに自社商品があれば嬉しいなとも思っていた」のだとか。
さらにもう一つ、山本酒造店はジンのベースとなり得る粕取焼酎も手がけていました。
ジンはベースとなるお酒(スピリッツ)に、ジュニパーベリーなどのボタニカルを加えて蒸溜し、香りづけされたお酒。自社で粕取り焼酎を手がけていたことで、それを土台に独自のジンを造ることができたのです。
そうしてジンの製造を決意すると、山本さんはジンの本場イギリスの世界的な造り手のもとや国産ジンの製造現場を訪問。ジンの製造に関する情報を収集をしたのちに、三宅製作所の銅製のポットスチルを新たに導入し、ジンの開発をスタートさせました。
ボタニカルの漬け込み時間にこだわることで、質の高い香りを抽出
まず土台となるベーススピリッツには、日本酒造りで発生した酒粕を用いた粕取焼酎「レインボー」の原酒を採用。それをポットスチルで蒸溜した上で、ボタニカルの抽出に最適とされる60度に調整。それに漬け込まれるボタニカルには、地元八峰町産の桔梗やカミツレ(カモミール)、秋田産の杉の葉、檜山茶、リンゴなど、秋田ならではの素材を採用。さらには品質最優先で仕入れたという海外産のジンの軸となるボタニカルもプラスし、合計20種類以上のボタニカルを使用することとなりました。
そしてその抽出方法も特徴的です。
ジンは一般的には、ベーススピリッツにボタニカルを漬け込む時間は1日前後とされていますが、専門家のアドバイスも受けながら、漬け込み時間を1週間〜2週間に決定。個々の香りの特性も踏まえながら1週間と2週間漬け込む素材で分けたそうです。
それらをポットスチルで蒸溜し、香りを抽出すると、仕上げに柑橘系のボタニカルを漬け込むことで香りを上乗せ。アルコール45度でボトリングし、「ナイトトラベラー」が完成しました。
“夜の旅人”をイメージした「ナイトトラベラー」初回シリーズはグラスとトニックがセットに
「分かりやすいシンプルなものではなく、沢山のボタニカルが重なったオーケストラのようなもの」を目指したという山本さん。それを実現させるベく、採算は度外視したのだとか。
そうして完成したジンは、羽田空港にある架空のバーで最終便を待つ“夜の旅人”をイメージし「ナイトトラベラー」と命名。
その仕上がりについては、すでに反響があり手応えを感じていると言い、まずは「自宅で楽しめる新たなアルコール飲料として定着してもらえればいいなと思います。今後は、日本酒の居酒屋での定番化、そして海外の拘りのあるバーで取り扱ってもらうことを目指します」と今後を見据えているそう。
日本酒の名手が手がけ、日本酒造りの副産物から誕生した、いわば“日本酒の延長線上”にあるともいえるナイトトラベラー。
ベース由来のフルーティーな吟醸香がありながら、ミントのような清涼感も感じさせる香り、そして繊細かつ柔らかな口当たりは、ジンに不慣れな方や日本酒ラバーにもぴったり。
まずは500mlのボトルとブランドのロゴが入ったグラスのほか、フィーバーツリーのトニックウォーター2本がセットになった初回シリーズ3000セットを8月末に発売。今後、業務用として720mlのボトルを10月下旬ごろに発売するとのことです。
「ナイトトラベラー」詳細
容量:500ml
アルコール度数:45度
価格:4,364円(税抜)
販売:山本酒造店の特約店で販売
ボタニカル:ジュニパーベリー、コリアンダー、シナモン、レモン・オレンジピール、ペパーミント、カシス、(以下、秋田産)桔梗、カミツレ、秋田杉の葉、檜山茶、リンゴ、セリなど合計20種類以上
※初回3000セットはグラスとフィーバーツリー・プレミアムインディアントニックウォーター2本セット(10月下旬に720mlボトルを発売予定)
⇒国産クラフトジンの造り手インタビュー記事まとめ
⇒ジン好きが選ぶ、まず味わっておきたい「定番クラフトジン」6選
Amazonのジン・クラフトジンストアはこちら!
⇒Amazonのジンストア