世界中で起こっているジンのブーム。
その裏には、クラフトジンと呼ばれる、製法や素材など強いこだわりのもと造られる個性派ジンの躍進があります。
いわばクラフトマンシップが詰まったジンとも言えますが、その中には誕生に至るまでの発想、成り立ちまでもがクラフトなジンもあります。
数あるクラフトジンの中でもバーテンダーなどから支持が厚い「バーヒル・ジン」は、まさにそんなジンです。
当記事では、ハチミツを使った稀有なこのジンについて、成り立ちや魅力など余すことなくご紹介していきます。
養蜂家の思いが込められたバーヒル・ジン、その成り立ちに迫る
バーヒル・ジンは、アメリカ北東部に位置するバーモント州カレドニア郡で誕生しました。
創業者は、自然豊かなこの地で30年以上ハチミツの生産を続けてきた養蜂家のトッド・ハーディー氏。
本来お酒の業界とは、ほぼ無縁のはずの人物です。
トッド氏は長年、自らが手がける生のハチミツの素晴らしさを、より多くの人に知ってもらいたいを考えていました。
そこである時、お酒なら自身のハチミツを素材として活かすことができ、また違った角度から知ってもらうことができるのではと考えました。
その思いに駆り立てられたトッド氏は、敬愛する地元の農家を支援し農業を盛り立てるというビジョンも見据え、2011年にカレドニア・スピリッツ社を設立。
地元でホームブリューイング(自家製ビール)のお店を営んでいたライアン・クリスティアンセン氏をヘッドディスティラー(蒸留士)として招き、アメリカでメジャーなお酒でありハチミツを活かすことができる、ジンとウォッカの生産を開始しました。
そうして誕生したのが、バーヒル・ジンです。
発売からたった数年で全米に市場を広げ、世界的な賞を受賞するなど好評価を得て、生産設備を増設。
今では日本を含む世界に輸出され、近年はウイスキーの生産も始めています。
また、2015年にトッド氏は、ライアン氏に会社を引き継ぎ、自身は地元カレドニアに農場を購入。
農業を支援、発展させるというビジョンに従い、農家に戻りました。
ハチミツはどのように活かされているのか?
このように、地元とハチミツを愛する一人の男の強い思いもと誕生したバーヒル・ジン。
その特徴は、やはりハチミツにあります。
ジュニパーなどジンに必須の素材の他に、生のハチミツを使用しているのですが、その活かし方も特徴的です。
製造方法の大部分は、ジンの伝統的な製法に則っていますが、人の手で丁寧に蒸留し、瓶詰めする前に生のハチミツを直接加えているのです。
このような手法をとるジンは類を見ず、独自製法によってジンはかすかに黄色がかっており、ハチミツの上品な甘みが感じられる仕上がりとなっています。
ジン・スリングやホワイト・ネグローニは絶品
さて、ここまでバーヒル・ジンの誕生ストーリーから特徴まで見てきましたが、その飲み方はどうでしょうか?
ここではバーヒル・ジンならではのオススメの飲み方を2つご紹介します。
ジン・スリング
ジンに水と少量の砂糖を加えて飲むのがジン・スリング。
バーヒル・ジンの場合、砂糖の代わりにハチミツを加えるのも、整合性があり面白いです。
とはいえ水で割るだけでもその風味は感じられるので、ナチュラルに味わいたい方は水割りもオススメです。
ホワイト・ネグローニ
本格的なバーで味わうなら、ネグローニから派生したカクテル、ホワイト・ネグローニもオススメ。
ジンの他、カンパリ、スイート・ベルモットで作るネグローニとは違い、スーズ、ドライ・ベルモットで作るのがホワイト・ネグローニ。
バーヒル・ジンのほのかな甘みと、スーズやベルモットのハーバルな香りと特有の苦味が絶妙にマッチします。
養蜂家トット・ハーディーのクラフトマンシップのもと誕生したのがバーヒル・ジン
ハチミツを使ったクラフトジンというだけでなく、実際にそのハチミツを手がけた養蜂家が誕生させたという、稀有なバックグラウンドを持つバーヒル・ジン。
ハチミツと地元カレドニアに対する思いから生まれたというストーリー性はもちろんのこと、その独特の味わいゆえにバーテンダーなどプロから厚い支持を得ているのです。
ちなみに、日本への輸入を手がけるクラウド&ウォーターNY社(京都)の担当者曰く、トッド氏が手がけるハチミツそのものが絶品なのだとか。
その蜂蜜の風味とジュニパーフレーバーが織りなす味わいは唯一無二。
バーヒル・ジンは、数あるクラフトジンの中でも味わっておくべき逸品の一つです。
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