世界基準の製法で造られる熊本産クラフトジン「BEAR’S BOOK」が発売!その特徴を簡単解説

世界基準の製法で造られる熊本産クラフトジン「BEAR’S BOOK」が発売!

“クラフト”と呼ばれるものの中には、造り手が己の感性を発揮してごく短期間で仕上げた作品もある一方で、試行錯誤を重ねながら長期間かけて仕上げた作品もあります。

今回ご紹介するのは、熊本の高橋酒造が4年もの歳月を費やして完成させたクラフトジン『BEAR’S BOOK』
ゆずや不知火など熊本の素材を中心に、10数種類のボタニカルを使用するという個性を持ちながらも、あくまでジンの伝統を尊重しながら造られたジンで、11/8より公式通販サイトで販売がスタートしました(700ml、3,300円)。

当記事では『BEAR’S BOOK』について、完成までの道のりやこだわり、特徴などをご紹介します。

商品協力:高橋酒造

焼酎の名門による新たな挑戦

熊本県球磨地方、この地域は原産地呼称が認められている米焼酎「球磨焼酎」の産地であり、その造り手が多数存在します。
数ある造り手の中でも、名門として全国的に知られるのが『白岳』や『しろ』などを手がける高橋酒造です。
同酒造が「世界に通じる本格クラフトジン」を目指して造り上げたのが『BEAR’S BOOK』です。

BEAR'S BOOK

開発が始まったのは、今から4年前のこと。
「海外向けに米焼酎を使った新しいスピリッツを造る」という意気込みのもと始まったプロジェクトで、当初は「自分たちにも個性豊かなジンが造れるのではないか」と考え、個性を求めて我流でのジン造りを開始。
しかし、開発が進んでも理想とする仕上がりには程遠く、ジン&トニックとして飲んでも美味しくない…試飲するたびに開発者たちは落ち込んでいたのだそうです。
そんな中で、試飲したバーテンダーが発した「個性を追いかけすぎている。シンプルなジンが飲みたい。まずは本場のジン造りを学んだ方が良い」との一言によって、製造方針を根本から見直すことを決意。
開発者たちはジンの歴史と文化をしっかり学んだ上で、イギリスやドイツなど幾多のジン蒸溜所を訪ね、本場の製造方法や技術を学びました。
つまり、造り手として「ジンとは何か」を基礎から学び直したのです。
そうして行き着いたのが、当初の方針とは異なる「ジュニパーベリーを中心に設計したシンプルなドライジン」の製造。
ジンの基本を大切にしながら、主張しすぎない個性も持たせたジンを…その思いのもと、焼酎ではなく伝統的なニュートラルスピリッツをベースとして用い、地元熊本のボタニカルを活かすなど、世界に通じるジンを目指した『BEAR’S BOOK』が完成しました。
その名は「熊本」にかけているのはもちろんながら、開発者たちが4年という月日の中で体験した物語が、一つのボトルの中に紡がれていることを表しています。

ジュニパーベリー

「ジュニパーベリーを活かすため」の3つのこだわり

高橋酒造が『BEAR’S BOOK』を製造する上で最も大切にしたことは、ジンに必須のボタニカルであり、ジンのアイデンティティとも言えるジュニパーベリーを活かすこと。
それを実現させるべく、主に3つのポイントにこだわって造られています。

1. 焼酎ではなく伝統的なスピリッツをベースに使用

昨今、日本国内でもクラフトジンは盛んに造られています。
『BEAR’S BOOK』同様に焼酎の造り手が手がけるジンが多い中で、その大半は、自社の技術を活かしながら個性を打ち出すべく、焼酎をジンのベースとして活用しています。
高橋酒造は、前述したように焼酎の名門として知られる高橋酒造の蒸溜所ですが、自慢の米焼酎はあえて使用せず、伝統的にジンに使われるクリアな風味のニュートラルスピリッツをベースとして使用。
様々な葛藤があった中で、世界のジンの伝統と製造技術を学んだからこその決断だと言えるでしょう。

2. 8種類の熊本産ボタニカルを使用

とはいえ、クラフトジンとしての個性が乏しいわけではありません。
ベースとなるニュートラルスピリッツに加えられるボタニカルは10数種類。
熊本産の素材もふんだんに活かされており、ゆずや不知火といった柑橘類のほか、相良茶や小国杉、生姜、そして椿など、8種類の地元産素材を使用しています。
その中でも特徴的なのは、米のもみ殻。
米を原料とした酒類メーカーであることと、エシカルを意識した要素を取り入れるため、廃棄されることが多い米のもみ殻を活用し、ジンに奥深いコクを与えているのだそうです。
また、開発者によれば、ボタニカルのレシピはジュニパーベリーのウッディーなフレーバーに寄与するように設計されているそうで、伝統的なジンへのリスペクトがうかがい知れます。

BEAR'S BOOK

3. 2つの製法を駆使してボタニカルを蒸溜

それらのボタニカルのフレーバーを抽出する蒸溜方法にもこだわりが見られます。
一般的にボタニカルの蒸溜方法は、大まかに2つに分類されます。
1つは、ボタニカルをベースのスピリッツに数時間〜24時間前後漬け込んだのちに蒸溜する「浸漬法」
直接ボタニカルを漬け込むため、よりしっかりフレーバーを抽出できるとされています。
もう一つは、漬け込みはせず、蒸溜の際に立ち上がる蒸気の通り道にボタニカルを敷くことでそのフレーバーを抽出する「ヴェイパーインフュージョン法(蒸気抽出法)」
こちらは間接的にフレーバーを抽出するため、ボタニカルの繊細な香りが活きた仕上がりになるとされています。
ともに一長一短の製法ですが『BEAR’S BOOK』は、それら2つの蒸溜方法を併用。
そうすることで、ボタニカルの特性に合わせてフレーバーが抽出できるようになります。
また、蒸溜の際には、ジンのプロジェクトに合わせて導入したドイツのアーノルド・ホルスタイン社の最新型の蒸溜器を使用。
名だたるジン蒸溜所で使用されている世界最高峰ともされる蒸溜器で、ボタニカルのフレーバーが抽出されています。

完成したのは「シンプルなジン」

昨今は個性が分かりやすいクラフトジンが多く流通しています。
『BEAR’S BOOK』も、当初は個性に特化したジンを目指していたものの、最終的に完成したのはシンプルなドライジン。
4年という月日の中で、ジンの伝統と技術を学びながら洗練されたシンプルさ、だと言えるでしょう。
ジュニパーベリーのウッディなフレーバーがしっかり感じられるジンらしい骨格を有した仕上がりで、その中で香るゆずなどの柑橘香と、生姜や山椒のスパイシーな後味は印象的です。

開発者いわく、ジン&トニックはもちろん、カクテルのベースとしても使いやすい酒質となっているのだそうです。

オススメの飲み方は「ジン&トニック」

『BEAR’S BOOK』は、ジンの飲み方の王道であるジン&トニックにした際の仕上がりも考慮して製造されています。
ジン1/4に対してトニックウォーター3/4を注ぐだけで、爽やかながらも奥行きも感じるジン&トニックを味わえます。

ジン&トニック

日本で流通するクラフトジンは、値段が5,000円以上のブランドが少なくないですが『BEAR’S BOOK』は、3,300円と比較的手頃なのは魅力的。
気になる方、まずは一度味わってみては?

『BEAR’S BOOK』詳細

ボタニカル:ジュニパーベリー、ゆず、レモン、不知火、お茶、杉、椿、生姜、山椒、米のもみ殻など
容量:700ml
度数:45%
値段:3,300円(税込) ※化粧箱付きは3,500円
発売:2021年11月8日より下記公式サイトで販売開始
購入:https://www.ts-craft.jp

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小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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