南米の国「コロンビア」と聞いて、あなたは何をイメージするでしょうか?
コーヒーやサッカーなどが有名で、これらを通じてこの国を知っているという方も少なくないでしょう。
しかし実は、コロンビアは世界3位の生産量を誇るサトウキビの産地であり(※「ディクタドール」ブランド資料より)、それを原料とする“ラム”の産地としても知られています。
そんなコロンビアを代表するラムが、今回ご紹介する「ディクタドール」。
ラグジュアリーなプレミアムラムとして世界的に有名で、クラフトジンも展開していることなどもあり、日本でも知られているブランドです。
この記事では、長い歴史を持ちながらも革新的な取り組みにも挑戦する「ディクタドール」の特徴と魅力についてまずはご紹介。
後半では、アジアのトップバーを表彰する「Asia’s 50 Best Bars 2020」に、名店ひしめく京都で初めてランクインし、さらに初登場ながら21位につけるという偉業を成し遂げたバー「BEE’S KNEES」のヘッドバーテンダー・有吉徹さんに登場いただき、「ディクタドール」を楽しむ上で欠かせない美味しい飲み方とカクテルについて教えていただきました。
歴史ある一族が立ち上げたプレミアムラム「ディクタドール」
15-16世紀ごろ、ヨーロッパ諸国が、中南米・カリブにサトウキビと蒸溜の技術を持ち込んだことで誕生したとされるラム。
たちまち人気になると、現地でラムを通じたビジネスを始める者が続出しました。
セヴェーロ・アランゴ・イ・フェッロもまさにその人物の一人。彼は18世紀にスペインからコロンビアに移住すると、この地でラムの取引を行うビジネスを始め、大成功を収めました。
その成功ぶりとパワフルな性格から、彼は“ディクタドール(独裁者)”と称されたとされています。
時は経ち1913年、“ディクタドール”の子孫にあたるドン・フリオ・アランゴ・イ・パーラは、今では世界遺産にも登録されている美しい街であり、南米におけるサトウキビ栽培の始まりの地ともされる“カルタヘナ”にラムの蒸溜所を設立。以来、高品質のラムを造り続けると、2009年、一族の末裔であるヘルナン・パーラは先祖への敬意から「ディクタドール」と名付けた新たなラムブランドを立ち上げました。
長年におけるラム造りの技術を活かしながら、独自の製法で造られる「ディクタドール」は、発売から10年前後ながら、これまでに世界的な酒類品評会で数多くの金賞を受賞。ラグジュアリーなイメージを有するプレミアムラムとして、世界的に知られるようになっています。
「ディクタドール」独自の革新的な製法とは?
ラムといえば、サトウキビ由来の糖分を原料に、発酵、蒸溜、そして熟成して出来上がるお酒。
一般的には、サトウキビから砂糖を造る際の副産物である“糖蜜(モラセス)”を原料とし、全世界のラムの9割はこれにあたります。
しかし「ディクタドール」が原料とするのは、サトウキビ100%のジュースをシロップ状に濃縮させた“ヴァージン・シュガーケーン・ハニー”と呼ばれるもの。新しいラムの製法であり、それは糖蜜に比べて糖度が高いとされています。
また、連続式蒸溜機と単式蒸溜器といったタイプの異なる蒸溜器を使い、原酒を造り分けていることも特徴的です。
これらをブレンドすることで、豊かなフレーバーがありながら、バランスにも優れ、そして口当たりの良さも有するラムが造り出せるのです。
品質を安定させる独自の“ソレラシステム”
「ディクタドール」の特徴はこれだけではありません。
プレミアムラムらしく、樽で長期熟成させたラムのみを展開しているのですが、大きな特徴として、その熟成の際に“ソレラシステム”を採用していることが挙げられます。
“ソレラシステム”とは、元々はスペインの伝統酒シェリーで採用されている手法。原酒が詰まった樽を熟成年数別に何段かに分けて積み上げ、下段の古い原酒を使用して減った分を、上段の新しい原酒から少しずつつぎ足していく手法です。
この手法によって、伝統の味わいを保ちつつ効率的に熟成が進められるとされています。
一方で「ディクタドール」の産地であるコロンビア・カルタヘナの気候は高温多湿であることから、熟成が早くダイナミックに進む分、樽の中の原酒が微量の空気に触れることで、原酒が少しずつ蒸発していく“エンジェルシェア”の量が多いと考えられています。
一般的には年間でおよそ8〜10%もの量が減っていくともされている中「ディクタドール」では、若い熟成年数の原酒でつぎ足しする一般的な“ソレラシステム”ではなく、同じ熟成年数の原酒同士のみでつぎ足しを行う“特別なソレラシステム”を採用。
この斬新かつユニークな手法によって樽の中を常に満タンにすることで、原酒と空気の接触が抑えられ、“エンジェルシェア”の量を年間2.5%前後に抑えることに成功。原酒の量をしっかりキープしながら、熟成年数ごとの個性も保ち、そして安定した味わいを出せるという、いわばハイブリッドな手法で造られています。
このように「ディクタドール」は、創業家のルーツであるスペインの伝統手法を、革新的な形にアップデートすることによって、高級なシングルモルトや、コニャックにも通づる複雑でエレガントな味わいのラムを生み出しているのです。
プロに聞く、「ディクタドール」の美味しい飲み方とオススメのカクテル
では「ディクタドール」について、プロはどう捉えているのでしょうか?
アジア全域のバーを対象とした「Asia’s 50 Best Bars 2020」にて、初登場ながら21位につけるなど国内外で評価が高く、クリエイティブなカクテルを提供する京都市の人気バー「BEE’S KNEES」でヘッドバーテンダーを務める有吉徹さんは、その味わいについて次のように語ります。
「ディクタドールは、まずボトルの蓋を開けた途端に広がる素晴らしい芳醇な香りが堪らないですね。メープル、バニラ、トフィーなどが感じられる甘い香り。味わいでは濃厚なチョコレートやドライフルーツ、コーヒーのニュアンスなどリッチに感じ取れますね」。
では飲み方はどうでしょうか?
有吉さん曰く、「飲み方は人それぞれ好みはありますが、自分がオススメする飲み方はやっぱりストレートですね。ディクタドールの持つポテンシャルを最大限に感じながら味わえる飲み方だと思います」とのこと。
続いて、日本のトップバーテンダーの一人でもある有吉さんに、身近な素材を用いて気軽に楽しめる「ディクタドール」の“おうちカクテル”についても聞いてみました。
「おうちカクテルで言えば、お金を掛けずに作る『Simple is best 』ですね。それを踏まえてのオススメは『大人のカフェオレ』です。甘過ぎずディクタドールを活かした一杯。牛乳とディクタドールを冷蔵庫で冷やすことで、氷を使用する必要がなく、なおかつ薄まっていく心配もないお気軽カクテルです」
ディクタドール12年 30ml、牛乳 70ml
コーヒーカップに上記の材料を入れ、スプーンで混ぜて完成。(甘さや割合はお好みで)
せっかくなのでBEE’S KNEESで味わえる「ディクタドール」を使ったカクテルも教えていただきました。
ディクタドール12年、ミスターブラック コールドブリュー(コーヒーリキュール)、ペドロヒメネス シェリー、エスプレッソ、ホームメードチョコレートビターズ
こちらはコクのある甘苦さとクリーミーな口当たりを特徴とする今人気のコーヒーカクテル・エスプレッソマティーニのベースに、ディクタドールを使用するなど(本来はウォッカを使用)、BEE’S KNEES流のアレンジが加わったもの。人気の洋画をイメージしたカクテルでもあり、提供されるサングラスをかけながら味わうという、ユニークな体験もできます。
革新的な製法で造られるコロンビアを代表するプレミアムラム「ディクタドール」。
自宅でゆっくり味わうのはもちろん、上質なカクテルに興味がある方は、ぜひ一度BEE’S KNEESに行ってみては?
詳細
【ディクタドール12年】
容量: 700ml (下記の全銘柄で共通)
度数: 40%(下記の全銘柄で共通)
価格: 5,500円(税込)
購入先:輸入元通販サイト
【ディクタドール20年】
価格: 8,250円(税込)
購入先:輸入元通販サイト
【ディクタドールXO パーペチュアル】
価格: 13,200円(税込)
購入先:輸入元通販サイト
【ディクタドールXO インソレント】
価格: 13,200円(税込)
購入先:輸入元通販サイト
【DICTADOR】
Destilería Colombiana Estabilished in 1913 Ltda:
Via Mamonal No.3-122
Cartagena de Indias, Colombia
【BEE’S KNEES】
住所: 京都府京都市中京区紙屋町364 マツヤビル 1F <MAP>
電話: 075-585-5595
営業: 18:00~翌1:00 (月曜定休) ※時短要請中は営業時間に変更あり
SNS: [Facebookページ]、[公式Instagram]
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