ワインの値段はほぼ〇〇〇の質で決まっている?

ワインの値段の基準とは

ワインといえば、値段が安いものから高いものまで実に多様です。
激安ワインもあれば超高級ワインもあり、それはお酒の中では類を見ない価格差があります。

ではこのワインの値段というのは、何によって決まっているのでしょうか?
実は答えはかなりシンプルなのですが、これほど顕著なのはワインならではもの。

本記事では、ワインの値段は何によるものなのか、ワイン初心者の方でも分かりやすいよう簡単に解説していきます。
ワインにまつわる豆知識として知っておくと、いつか役に立つでしょう。

ワインの値段は質に依存し、ワインの質はブドウの質に依存している

ワインの値段はブドウの質に左右される

実はワインの値段というのは、原料であるブドウの質によって大きく左右されます。
値段自体は、他の多くの製品・商品と同じように品質に依存しているのですが、ワインの品質というのはちょっと特殊で、かなりの部分がブドウの質に依存しているのです。

この原料そのものの質に大きく依存するというのは、ワインならではのもの
例えば洋服なら、原料(生地)ももちろん品質や値段を決める要素ですが、他にも染め方縫い方など作り方によっても大きく左右されます。
しかしワインの場合はそのほとんどを原料であるブドウの質によって左右されるのです。

それはなぜかというと、ワインはブドウだけを使用し(水すら使用しない)、それを発酵させただけの極めてシンプルなお酒だからです。

ワインはブドウだけで作られた超シンプルなお酒

ワインもお酒である以上、酵母の力を借りて、原料であるブドウを発酵させています。
この時使用する酵母菌の種類によっても、多少味わいは変わってきますが、それほど影響は受けません。

ワインに似たお酒として日本酒がよく例えられますが、日本酒は水を使用しますし酵母の影響も強く受けます。さらに日本酒には麹菌も使用され、この麹に関連する技術が日本酒では最も大切とされています。
もっと分かりやすいところでいうと日本酒は、お米の磨き具合(精米歩合)でも値段が変わります。

もちろんワインにおいても、作り方など技術力も大切な要素です。
しかし、ブドウそのものの影響力があまりに大きく、どれだけ高い技術をもってしてもブドウそのものが持つポテンシャルを上回ることは不可能です。

他にも値段を決める要素はあるが…

ブドウを発酵させただけのシンプルなお酒だからといって、もちろんブドウの質だけで値段が決まっているわけではありません。

他に挙げられる代表的な要素としては…
熟成期間や生産量にも、値段は左右されます。

ワインの熟成期間も値段を決める要素ではあるが…

まず熟成については、ワインも他のお酒と同様に樽やタンクなどで熟成させてから出荷されることがあります。
もちろん熟成は手間や時間がかかるものなので、熟成期間が長いものほど基本的には値段が高くなります。

生産量についても、当たり前ですが生産量が少ないものほど値段が高くなります。
さらにいうと生産量が少なく需要が多いワインの値段が高くなります。
ただし、この需要が多いワインというのは、基本的に質が高いワイン、つまりブドウの品質が良いワインなのですね。

ブランド名によっても値段は左右されるが…

ワインの値段はブランド名、つまりそのワインのブランド力・ネームバリューによって決まるという見方もできます。
しかし、そもそもワインのブランド力というのは、長年質が証明されてきたからこそ培われたものです。

例えばボルドーの5大シャトーが「5大シャトー」としてブランド力を持っているのは、長年そのシャトーのワインはとりわけ素晴らしい品質であると証明されてきたからです。
さらにいうと、5大シャトーはとりわけ素晴らしい質のブドウを生み出すブドウ畑を所有しているから、素晴らしい品質のワインが作れるのです。

品質が良いからこそ人気が出て、人気があるからこそブランド力が培われるというわけですね。
この品質を支えているのは、もうお分かりのとおり「ブドウの質」です。

ブドウの質で左右されるから、毎年の値段が違う

ワインは毎年値段が違う

ワインにとってブドウに質がどれだけ大切かは、ヴィンテージチャートという指標でも説明がつきます。
ヴィンテージチャートとは、各年のブドウの出来を表したもの。
よくワイン専門家が言う「この年のワインは…」というのはこのヴィンテージチャートを参考にしています。

農産物であるブドウは、その年の天候によって質が左右されます。
天候に恵まれた年のブドウは質が良くなり、ヴィンテージチャートでは良い結果が出ます。

このヴィンテージチャートによっても、ワインの値段は変わってくるのです。
ワインは各年で値段が違うことがしばしばあります。それも高級ワインであればあるほど顕著です。
2007年のワインは5万で買えるのに、2009年の同じワインは10万円もするということもあります。

これは、ブドウの質がワインの質に直結するから、毎年の値段が違うのですね。
このように各年で値段が違うという特徴はワインならではのものです。

まとめ

ここまで、ワインの値段はブドウの質に左右されていることについて解説していきました。
ワイン作りにおいて、いかにブドウの質が重要かお分かりいただけたかと思います。

最後にざっくりとまとめると…

ワインはブドウを発酵させただけのかなりシンプルなお酒。(水も使用しない)
シンプルであるがゆえにブドウの品質によって、ワインそのものの質が左右され、値段が決まる。
毎年の値段が違うのも、天候によってブドウの質が左右されるから。
原料そのものの質がこれほど値段に影響するのは、主なお酒ではワインだけ。

言い換えるならワインづくりはブドウづくりであると言うことでもありますね。

それではこの辺で。
以上「ワインの値段はほぼ〇〇〇の質で決まっている?」でした。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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