ワインはフランス、イタリアなどヨーロッパの産地が歴史的にも規模的にも有名です。
しかし近年では、アメリカやオーストラリアをはじめとする新興国が、その評価を上げ、量と質も伸ばしています。
本記事では、これら新興国の産地の基本情報や特徴を知っていただくために、国別に分けてご紹介していきます。
本記事でご紹介する産地は、新興国の4カ国です。
- アメリカ
- オーストラリア
- チリ
- 日本
これら4カ国の特徴についてご紹介していきます。
なお、フランス、イタリア、スペイン、ドイツのワインについてはこちらの記事でご紹介しています。
ぜひご参考ください。
アメリカのワイン
アメリカのワインはほとんどがカリフォルニア州で作られ、カルフォルニアの中でもナパ・バレーと呼ばれる地域で作られるワインが特に有名です。
生産量ではスペインに次ぐ4位ですが、ブランド力が非常に高く、ときにはヨーロッパのワインより格上に見られることもあります。
価格帯は様々で、中にはカルトワインと呼ばれる10万円前後する非常に高価なワインもあります。
なおフランスなどと比べると気候が安定しているため、年による品質のばらつきが少ないとされています。
主な産地
カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、他
主なブドウ品種
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、ジンファンデル、シャルドネ、他
特徴
赤ワイン(カベルネ):フランスのカベルネに比べて、果実味が強く、酸味が少ないのが特徴。味は濃厚。
赤ワイン(ピノ・ノワール):ピノ・ノワールは栽培が極めて難しい品種。華やかな香りで渋みが少なく酸味が豊か。
白ワイン(シャルドネ):淡麗辛口ながらも、フランスのそれよりは果実味豊かで飲みやすい傾向がある。
有名なワイン
- オーパス・ワン
- スタッグス・リープ
- ハーラン・エステート
- カレラ
- ロバート・モンダヴィ
- ベリンジャー、他
オーストラリアのワイン
日本でもおなじみ「イエローテイル」など比較的安価なデイリーワインのイメージが強いオーストラリアのワイン。
しかし実は、近年では高級品にも力を入れていて、中でもペンフォールズ・グランジは価格だけでなく世界的評価も高いワインです。
ヨーロッパ諸国と比べると比較的温暖な気候なため、ブドウがよく熟し、その分果実味を十分に感じれるワインが多い傾向にあります。
オーストラリアでは特にシラーズ(シラー)という品種を用いたワインの生産が盛んです。
主な産地
南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州、他
主なブドウ品種
シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、他
特徴
シラーズ:他国ではシラーと呼ばれる品種。濃厚な果実味と同時に少しスパイシーさを感じる。
カベルネ:フランスのカベルネに比べて渋みが少なく、さらに濃厚で、果実味が豊か。
有名なワイン
- ペンフォールズ
- イエローテイル
- ウィンダム・エステート、他
- ジェイコブス・クリーク
チリのワイン
チリのワインは、安くておいしい高コスパのワインが多く、日本でも急速に人気が高まっています。
ヨーロッパ諸国だけでなくアメリカなどと比較しても、価格帯が低いのですが、これは土地代や人件費の安さだけでなく、大規模生産者が多く、効率的にワインの生産が行えるからとされています。
チリカベとも言われるように、カベルネ・ソーヴィニヨンを使用したワインが有名です。
主な産地
セントラル・バレー、他
主なブドウ品種
カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ
特徴
アメリカ、オーストラリア同様に、気候が安定していて、雨が少ないため、ブドウがよく熟す。
そのため、カベルネを筆頭に、濃厚で果実味が豊か。
有名なワイン
- モンテス・アルファ
- コノスル
- ロス・ヴァスコス
- カッシェロ・デル・ディアブロ
- アルマヴィーヴァ、他
日本のワイン
日本は、土地や気候的にワインの生産に向かないとされ、品質も他国と比べると決して高いとは言われていませんでした。
ブドウは世界的に見ればワイン用がほとんどなのですが、日本においては、巨峰などに代表されるように生食用がほとんど。
生食用の方が高値で取引されるため、ワイン生産者が増えにくいとされています。
しかし近年では生産技術が向上し、国内外で評価を上げ、高級ワインを作ろうとする動きもあります。
日本のワインは成長が著しく今後が楽しみな分野です。
主な産地
山梨、長野、他
主なブドウ品種
甲州、マスカットベリーA、他
特徴
ワイン用ブドウの栽培が難しい機能のため、甲州など日本固有の品種が目立つ。
味わいはどちらかというと甘口の白ワインが多い。
有名なワイン
- 登美の丘
- グレイス甲州
- シャトー・メルシャン、他
まとめ
アメリカ、オーストラリア、チリの新興国では、ワインの生産はヨーロッパから伝わったものなので、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど、ヨーロッパ由来の品種で作られることが多いです。
各国とも気候が安定しているので、ブドウの栽培がしやすく、実はフランスなどよりも好条件なのですね。
そのため果実味が豊かで、ブドウ品種の特徴がより現れたワインが作られます。
強いていうなら、アメリカのワインは中価格帯のものが多く、対してチリやオーストラリアでは比較的安価なワインが多いですかね。
日本のワインについては、今後に期待したいですね。
別記事にて、フランス、イタリアを含むヨーロッパワインの特徴をご紹介しています。
こちらもぜひご覧ください。
それではこの辺で。
以上、「世界のワイン産地の特徴をざっくり説明【ヨーロッパ編】」でした。