日本酒のニュータイプ?個性光る新銘柄「彗(シャア)」が発売!

日本酒のニュータイプ・彗(シャア)

近年、日本酒を嗜む層が変わってきています。
これまで日本酒を嗜んでいた層に加えて、若い層や女性からも人気を集めるようになり、日本酒を嗜む層の幅が広がっています。

SNSやネットの普及により、日本酒の情報がより身近になったことなどが理由の一つして挙げられますが、それ以上に大きいのが、日本酒のバラエティがとても豊かになり、業界全体が活気付いていることでしょう。
ここ数年、新銘柄やユニークな商品が続々登場しており、その都度話題に上がることも少なくありません。

今回ご紹介するのも、まさにユニークな新ブランド。

その新ブランドの名は「彗(シャア)
日本酒のニュータイプとも言われる、話題性に長けたブランドで、2017年9月11日に3銘柄同時発売されたばかりの新商品です。
ニュースリリースの情報をもとに、「彗(シャア)」の基本情報や筆者が感じた特徴をまとめていきます。

彗星の如く現れた日本酒のニュータイプ!新ブランド「彗(シャア)」とは

「彗(シャア)」全3銘柄の写真

彗(シャア)商品ページ|株式会社イズミセ

新ブランド「彗(シャア)」は、9月11日に3銘柄が同時発売され、その構成は、BENNETT(ベネット) 中取り純米大吟醸、DONATI(ドナティ) 初汲み純米吟醸、HALLEY(ハレー) 直汲み純米の3つとなっています。

良い意味で日本酒らしからぬ、非常にユニークな名前ですが、気になる誕生背景は以下のとおり。

“清酒界に突如現れた彗星”をモチーフに開発した「彗(シャア)」。日本国内や海外での清酒需要の高まりに伴い、従来にはなかった味わいや品質の商品が続々と生まれている清酒界。その中で ひときわ輝く存在となるよう、中取り純米大吟醸には一番明るい彗星「BENNETT」、初汲み純米吟醸には二番目の「DONATI」、直汲み純米には三番目となる「HALLEY」と、実在する彗星をもとに命名しました。

「彗(シャア)」ニュースリリースより

このように「彗星」がテーマとなっており、彗星の等級に合わせて日本酒のスペックが決まっています。

ちなみに当ブランドをリリースするのは、京都にある株式会社イズミセという企業。
製造は、150年続く老舗蔵元で「渓流」や「どむろく」などを手がける長野の蔵元・遠藤酒造場によるものです。

「彗(シャア)」のスペック、香り・味わいなど

「彗(シャア)」についての概要がわかったところで次に知りたいのが、各銘柄のスペックや香り・味わいの特徴など。
それぞれ見ていきましょう。

「彗(シャア)」 BENNETT(ベネット) 中取り純米大吟醸

等級 純米大吟醸
精米歩合 50%
使用酵母 協会1801号
容量 720ml
価格 1950円+税

テイスティングノート
清酒の一番良い部分である中取りのみを用いた純米大吟醸。芳醇でフルーティーな香り。口に含むと雑味の無いクリアな味わいと米の甘みを感じます。優雅な香り・味わいの「核」の部分から、綺麗な弧を描くように消えていく余韻。上品な旨みが広がり消えていく刹那の味わい。

「彗(シャア)」ニュースリリースより

「彗(シャア)」 DONATI(ドナティ) 初汲み純米吟醸

等級 純米吟醸
精米歩合 60%
使用酵母 協会1801号
容量 720ml
価格 1650円+税

テイスティングノート
搾り始めの最初の部分を汲み取った純米吟醸。華やかでフルーティーな香りと、口中で広がりワイルドに輝く旨みが印象的。対照的にテイルは複雑で上品な装いで、華やかな余韻が駆け抜けます。

「彗(シャア)」ニュースリリースより

「彗(シャア)」 HALLEY(ハレー) 直汲み純米

等級 純米
精米歩合 70%
使用酵母 協会1801号
容量 720ml
価格 1250円+税

テイスティングノート
搾りたてを直接汲み取り、瓶詰めした純米酒。米の香りは穏やかで、ジューシーな旨みと嫌味のない優しい酸味のバランスが絶妙。ふくよかな甘みに驚かされますが、スッと消える心地よい後口で飲み飽きしません。

「彗(シャア)」ニュースリリースより

筆者が感じる、新ブランド「彗(シャア)」の特徴とは?

スペック欄にあるように、「彗(シャア)」はいずれも純米規格となっており、酵母についてもいずれも、フルーティーで華やかな香りが特徴で高級酒などにしばしば使われる、協会1801号酵母を使用しています。

当ブランドについて、筆者がユニークだと感じた特徴は2つ。
それぞれ解説していきます。

①お酒の汲み取り方の違い

「彗(シャア)」は、直汲み、初汲み、そして中取りと、銘柄ごとに日本酒の汲み取り方が分かれており、これはもちろん味わいにも影響を与えています。
日本酒は、醪から搾り出された段階によって3つに分かれており、真ん中の部分にあたり最も良い部分とされるのが、上位銘柄であるBENNETT(ベネット)が採用している「中取り」
一般的に落ち着いたクリアな味わいになります。

一方、DONATI(ドナティ)が採用している初汲み(搾り始めの部分)、HALLEY(ハレー)が採用している直汲みは、いずれもフレッシュな味わいが特徴で、初汲みは良い意味で荒っぽさがある芳醇な味わい、一方で直汲みはよりフレッシュな味わいになります。

つまり銘柄ごとに、味わいの特徴が異なるということです。

②味わいの後ギレの良さ

前項で銘柄ごとの味わいの違いについて触れましたが、一つ共通している点があるようです。

それは、味わいの後ギレの良さ。
味わいの欄を見ればわかるように、3銘柄いずれも後味のキレが良いとあります。
最近は、どちらかというと余韻が長い日本酒が多い傾向にありましたから、後味がさっぱりしている日本酒はむしろ面白いかもしれません。
また、後ギレが良さは、食事と合わせやすいというメリットもあります。

なんでも、この後ギレの良さについては、ニュースリリースによれば「スッと消えていく後口はまさに彗星のよう」とあるように、ブランド名と関係しているとのことです。

「彗(シャア)」の一番の特徴は、やはりそのブランド名のユニークさにありますが、ここで挙げたような特徴もあると筆者は感じました。

まとめ

ここまで、新銘柄「彗(シャア)」についてご紹介してきました。
なお、ご紹介したブランドは、いずれも特約店限定流通となっているため、気になる方は下記HPなどでチェックしてみてください。

日本酒を楽しむ層が広がり、新しい動きの盛んな日本酒業界。
いち日本酒ファンとしては、このようなユニークな銘柄がたくさん出てきてほしいと思うばかりです。

それではこの辺で。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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