徹底解剖!森に眠るレシピを復活させた“香水のような”ジン「モンキー47」

徹底解剖!森に眠るレシピを復活させた“香水のような”ジン「モンキー47」

ドイツが世界に誇るクラフトジン、モンキー47。
今や6,000種以上あるとされるクラフトジンの中でも、世界中のバーテンダーやジンラバーから厚い支持を得ているブランドですが、その背景には、とてもユニークな誕生ストーリーが存在します。
当記事では、モンキー47がどのように誕生したのか、他のジンと何が違うのか、徹底解説!それらを知ることで、このジンが圧倒的な人気とブランド力を有している理由が分かります。

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ドイツ・ブラックフォレストに眠っていたモンキー47のレシピ

モンキー47が誕生したのは、ドイツ南西部の深い森と豊かな自然に囲まれたシュバルツバルト(別名ブラックフォレスト)の地です。

かつてこの地に、英国空軍の中佐を務めていたモンゴメリー・コリンズという人物がいました。彼は1945年に任務でドイツに移り住むと、戦争で荒れ果てたこの国の復興に精を出します。その支援策の一つとしてあったのが、ベルリン動物園の再建。このプロジェクトで彼は、東インドアカゲザルという“モンキー”のスポンサーになりました。
その後、軍を退役したコリンズ氏はドイツの地を離れず、1951年にブラックフォレストに移住。自然の豊かさやフルーツやハーブが豊富であることなど、この地に魅せられた彼は、ジンの製造に興味が湧きます。イギリス人である彼は、母国が誇るボタニカルの酒、ジンに特別な感情を抱いていたのです。そうして、この地に寄り添った独創的なジンのレシピを作り上げました。しかしそれは、長年世に出ることはありませんでした。

時は流れ2006年、コリンズ氏のレシピが遺品として見つかります。そのニュースを見たブラックフォレスト出身のアレクサンダー・シュタイン氏は特別な感情を抱き、このレシピを復活させたいと思いました。彼は、大手携帯会社のマネージャーをしていたのですが、実は実家の元々の家業がブランデー造りだったのです。熱意にかられた彼は、故郷のブラックフォレストに戻り、このレシピをもとに、ジンの製造を始めることを決意。2008年にブラックフォレスト蒸留所を創設しました。

ブラックフォレスト

ブラックフォレストは自然豊かで水質もとても良い。

天才蒸留家クリストフ・ケラーとの出会い

コリンズ氏が遺したレシピを、現代に蘇らせるには専門の蒸留家が必要です。
幸運にも蒸留所の周辺地域は、フルーツブランデー造りが盛んな土地でした。偶然か必然か、創業者のシュタイン氏は、伝説的なフルーツブランデーであるスティーレミューレの造り手、クリストフ・ケラー氏と出会います。
想いを共有し、パートナーとなった彼と共にジンの開発に着手。長年ブラックフォレストの森に眠っていたレシピを蘇らせることに成功し、レシピ主であるコリンズ氏が、アカゲザルのスポンサーだったことに敬意を評し、「モンキー47」と名付けました。

モンキー47と名付けられたジンのラベルには、アカゲザルが描かれている

モンキー47と名付けられたジンのラベルには、アカゲザルが描かれている

このように、独創的なストーリーによって誕生したモンキー47。“47”という数字には、一体どのような意味があるのでしょうか?

47種のボタニカルを使用、Alc.47%で瓶詰め

モンキー47の最大の特徴と言えるのが、地元ブラックフォレスト産の素材を軸とした“47”種ものボタニカルが使用されていること(5〜10種程度のボタニカルを使うのが一般的)。実はモンゴメリー・コリンズ氏が遺したレシピには、“ブラックフォレスト産のボタニカルとエキゾチックなスパイスを融合させること”と記されていました。それに倣い、ブラックフォレスト産のクランベリーやラズベリーなどの甘酸っぱいフルーツ、それにトウヒなどユニークな素材と、多種多様なスパイスが使用されているのです。
それらボタニカルは、浸漬法とヴェイパー・インフュージョン法(バスケット法)という異なる2つの方法で蒸留し、香味を抽出。そうすることでボタニカルの香味が活き、複雑な香味を発するようになります。
瓶詰め前には3ヶ月間陶器で熟成させ、香味を馴染ませます。そうして出来た原酒を、“47”%になるまでアルコール度数を調整し、モンキー47は完成。

このジンにとって、47という数字はこだわりの数字だったのです。

ブラックフォレスト蒸留所内部

ブラックフォレスト蒸留所内部。この美しい蒸留器でボタニカルは蒸留される。©︎ペルノ・リカール・ジャパン

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まるで香水のような魅惑の芳香を放つ唯一無二のジン

このように、47種ものボタニカルを使用し、複雑な工程を経て造られるモンキー47。これだけ多くの素材を使用するには高度な技術を要しますが、クリストフ・ケラー氏の功績もあって、完成品はボタニカルの香味が見事に調和し、複雑な芳香が放たれています。そのフルーツとスパイスが複雑に絡み合う独創的な甘美な香りは「まるで香水のよう」とも例えられ、クラフトジンの市場で圧倒的な人気を獲得しています。

イギリスの酒類専門誌Drinks Internationalが、世界のトップバーを調査し発表する「BestSelling Brand 2019」では、クラシックなジンブランドが多数を占める中、8位にランクイン。一方、同誌が発表する「Top Trending Brand 2019」では、堂々の1位を獲得し、世界中で注目されていることを証明しました。
こうして、コリンズ氏が遺し、シュタイン氏らの力によって現代に蘇ったモンキー47は、ユニークな誕生ストーリーが多くの人の共感を呼び、唯一無二の味わいも評価され、ジンのトップブランドの一つに成長しました。

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小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage代表 / CRAFTGIN.JP共同運営者 / ジンフェスティバル東京 運営事務局] 豊富な現場経験と長年のお酒愛によって、ジンを筆頭にあらゆるお酒の知識を持つ。ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆・編集にも携わる。

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