2020年版のラムブランドの世界売上ランキングをご紹介!上位10ブランドを解説付きでお知らせします。(出典はDrinks International「THE SPIRITS RANKING 2020」)
カリブ海周辺を中心に、世界中で造られているラム。そのブランドは数えきれないほど存在し、日本でもバラエティー豊かなラムを楽しむことができます。
その中でどんなラムブランドが世界では人気があるのか、はたまた一体どのブランドが世界一売れているのか、気になる方も多いでしょう。
当記事では、10位から順にご紹介していきます。
10位 ネグリタ / Negrita
売上(出荷数):100万ケース(1ケースあたり9L換算)
産地:マルティニーク
まず10位にランクインしたのは、フランスのラム「ネグリタ」。
160年の歴史を有するブランドで、創業当時、品質にばらつきのあるラムが多かった中、安定した品質の洗練されたラムを世に送り出したことで人気を獲得したとされています。
原酒はカリブ周辺にあるフランスの海外県・マルティニーク島で製造し、熟成などはフランス国内で行われているブランドです。
9位 アプルトン / Appleton
売上:110万ケース
産地:ジャマイカ
続いて9位は、日本でもお馴染みの「アプルトン」。
ジャマイカといえばラムの産地として有名ですが、「アプルトン」は同国を代表するラムの一つであり、世界中で流通しています。
元々は製糖業者だったものの、1749年よりラムの製造を開始。とりわけ長い歴史を有するブランドで、単式蒸溜と連続式蒸溜の原酒をブレンドすることで、香り豊かなラムを造り出しています。
8位 Bozkov
売上:160万ケース
産地:チェコ
東欧チェコ産のラムブランド「Bozkov」が8位にランクイン。
実はチェコは、ラムの消費量が多く、そんな同国を代表するブランドが「Bozkov」です。
ラムの市場が停滞する中で、売上を伸ばし続けており、5年間で60%も伸びています。
テンサイなどを原料とするタイプ(EUの定義ではラムに当たらない)と、糖蜜を原料とする一般的なラムの2つのラインがあり、前者は製菓用としての需要も高いそうです。
7位 オールド ポート ラム / Old Port
売上:180万ケース
産地:インド
シングルモルトウイスキーの造り手として有名なインドのアムルット社が手がけるラム「オールド ポート」。
バンガロールにある蒸溜所で造られるこちらのラムは、インド産サトウキビのみを使用し、ウイスキーの熟成に使用した樽も活用されています。暖かい気候のため、熟成が早く進むとされており、ウイスキー造りで培った技術を応用しながらバランスの良いラムへと仕上げています。
同社の商品としては最もボリュームが大きく、売上は180万ケースにも上ります。
6位 ロン・バルセロ / Ron Barceló
売上:210万ケース
産地:ドミニカ共和国
売上6位となったのは、ラムの主産地であるドミニカNo.1のラム造りを目指して、1929年に創業した「ロン・バルセロ」。樽での長期熟成を経たダームラムタイプを中心とした商品を展開しているブランドです。
樽へのこだわりが強いことでも知られ、さまざまなタイプの樽を用いて造られるラムは、エレガントな香りを有しながらも、ややライトで口当たりが良いのが特徴。
日本ではそれほど知られているブランドではありませんが、年間210万ケースも売り上げる巨大なラムブランドです。
5位 ハバナクラブ / Havana Club
売上:460万ケース
産地:キューバ
ラムの伝統的かつ代表的な産地であるキューバ。そのキューバを代表するラムブランドであり、日本でもよく知られるのが「ハバナクラブ」です。
キューバ革命によって多くの造り手が拠点を他国へ移した中で、キューバで造り続けており、最も知名度が高いラムブランドの一つへと成長。同国におけるモヒートのベースにはほぼ必ず使用されるなど、カクテルのベースとしてバーシーンでも人気を集めています。
世界的な酒類企業であるペルノ・リカール社が所有するブランドであり、3年や7年、15年など、数多くの商品がリリースされています。
4位 McDowell’s No.1 Celebration
売上:1080万ケース
産地:インド
売上1080万ケースと、5位にダブルスコアで4位につけたのは「McDowell’s No.1 Celebration」。
こちらもインド産のラムで、世界最大手の酒類メーカーであるディアジオ社の傘下、インドのユナイテッド・スピリッツ社が手がけています。
同社は同じブランド名のウイスキーも手がけており、こちらはなんと全ウイスキーの中で最も売れています。ラムのまた大人気なのですが、そもそもインドは世界最大のラム消費国(※THE SPIRITS BUSINESSより)ということもあり、1000万ケース超えという驚異的な売り上げを誇ります。
ただし、2015年の売上が1720万ケースだったことから、ここ数年は売上の減少が目立ちます。
なお、日本では正式販売はされていません。
⇒世界のウイスキー売上ランキングTOP30【2020版】
3位 キャプテンモルガン / Captain Morgan
売上:1190万ケース
産地:アメリカ領・ヴァージン諸島
様々なスパイスのフレーバーを付与したスパイスドラムとして、日本でもよく知られる「キャプテンモルガン」が、1200万ケースを記録しTOP3に。
17世紀に実在した海賊、キャプテン・ヘンリー・モルガンに因んで名付けられたこちらのラムは、ディアジオ社が所有しており、ラムの市場が停滞する中でも売り上げが伸び続けています。
ボトルの見た目とは裏腹に、バニラを中心とした甘いフレーバーが特徴で、ラムを飲み慣れていない方でも親しめるとして、日本でも人気を集めています。
2位 バカルディ / Bacardi
売上:1780万ケース
産地:プエルト・リコ
普段ラムを飲まない方でも、その名を聞いたことであるであろう、超巨大ラムブランド「バカルディ」が2位に。実は2016年までは当ランキングのトップに君臨していました。
現在は主にプエルト・リコで造られているものの、キューバで誕生し、革命が起きるまでは同国で造られていたラムであることから、キューバンラムの特徴である「ロンリヘロ(ライトなラム)」らしさを持ち合わせています。
その味わいは、カクテルのベースとしてもピッタリであることから、バーテンダーからも重宝されています。
1位 Tanduay
Photo by sarefo per Open Food Facts
売上:2050万ケース
産地:フィリピン
世界NO.1ラムブランドとなったのはフィリピンの「Tanduay」。なんと3年連続でトップに君臨しています。
2050万ケースという驚異的な売上の裏には、フィリピンが原料となるサトウキビの一大産地であること、世界トップクラスのラム消費量であること、そしてその中で「Tanduay」は国民的なラムブランドとされるほどの人気を誇ることなどが挙げられます。
定番銘柄はダークラムであり、カクテルのベースというよりはそのままカジュアルに飲む需要が高いのだとか。ただし、日本では正規輸入元がないため、購入できたとしても並行輸入品になります。
なお、フィリピンはジンの消費量も世界NO.1であり、ジン版の売上ランキングトップも同国産のブランドです。実はフィリピンは蒸溜酒大国だったのです。
⇒世界一売れているジンは?ジン世界売上ランキングTOP8【2020版】
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