お酒が嗜好品である以上、知識への理解があった方がより楽しめるもの。
お酒には専門的な用語が数多く存在し、国酒である焼酎にもラベルやら商品情報に専門用語がたくさん登場します。
そうした用語、知っていた方が焼酎選びが楽しくなると思いませんか?
今回は、最低限覚えておきたい本格焼酎の専門用語を25用語ピックアップ。それぞれ簡単に紹介します!
全25用語!本格焼酎用語辞典
【目次】
※あいうえお順にご紹介います。
※用語をタップすると移動します。
壱岐焼酎 (いきしょうちゅう)
長崎の壱岐島でのみ製造が許されている、麦が原料の本格焼酎。
一次仕込み
本格焼酎における「発酵」の工程は、泡盛を除いて「一次仕込み」と「二次仕込み」の2回に分けて行われます。
一次仕込みでは、麹と水、酵母を混ぜてアルコール発酵させ「モロミ」を作ります。
芋やら麦やら主原料が加わるのは二次仕込みの時です。
「一次発酵」と呼ばれることも。
乙類焼酎 (本格焼酎)
「単式蒸溜」によって造られたアルコール45%以下の焼酎。
原料の割合は芋類や穀類が50%以上。(他は麹)
芋焼酎や麦焼酎、米焼酎などがこれにあたります。
甕 (かめ)
焼酎の仕込みや熟成に使われる壺型の陶器。
遠赤外線効果で微生物が活性化したり、ステンレスタンクなどと違い僅かな隙間があることでお酒が呼吸し、まろやかになるとも。
吟醸香 (ぎんじょうか)
日本酒の吟醸酒に感じられる、リンゴのような華やかでフルーティーな香り。
「ぎんじょうこう」と呼ばれることも。
球磨焼酎 (くましょうちゅう)
熊本県の人吉・球磨地方のみで製造が許されている、米を原料に造られる本格焼酎。
減圧蒸溜
蒸溜とは、熱して蒸発した気体を冷やすことで純度の高い液体(精製)にすること。水とアルコールは沸点が違い、その差を利用してモロミを熱して蒸溜することでより度数の高いアルコールを得ることができます。
「減圧蒸溜」は、蒸溜器内部の気圧を下げることで沸点を下げ蒸溜すること。余分な成分が抽出されないのでスッキリした味わいになる傾向が。
比較的新しい技術で、採用例はそう多くなく、「常圧蒸溜」が一般的です。
原酒
焼酎は瓶詰め前に水を加えて度数を調整します。それをしない状態のものが「原酒」。
概ね度数は40度前後で、蔵の個性や濃厚な旨味を感じるとされています。
麹 (こうじ)
焼酎の原料となる米や芋などに含まれるデンプンを(発酵に必要な)糖分に変える働きをするカビ菌の一種。
麹を使った酒造りは世界的に見てもかなり稀。
なお焼酎には下記の3種類の麹が用いられて、それぞれ違った特徴のお酒を生み出すとされています。
その名のとおり黒い色をした伝統的な麹。
しっかりした味わい、キレ味の良さを特徴とした焼酎になりやすいともされています。
【白麹】
最も一般的な麹。穏やかでマイルドな焼酎になりやすいとされています。
【黄麹】
日本酒で一般的な麹。使用例は少ないですが、日本酒のような華やかでフルーティーな香り、爽やかなテイストになりやすいとされています。
甲類焼酎
韓国焼酎に代表される、連続式蒸溜によって造られる焼酎。
糖蜜などを原料に、一度アルコール90度以上まで蒸留されるので原料の風味はほぼ残らず、クリアな味わいになります。
黄金千貫 (コガネセンガン)
芋焼酎で最も一般的なさつま芋の品種。
食用芋とは異なり皮は白色をしており、酒造りに欠かせないデンプンが豊富とされています。
古酒
一定の期間熟成された焼酎のこと。
泡盛の場合最低3年以上寝かせたものだけが名乗ることができます。
泡盛では「クース」と呼ばれることも。
薩摩焼酎 (さつましょうちゅう)
鹿児島県内でのみ製造が許され、鹿児島の素材を使用して造られる芋焼酎(本格焼酎)。
常圧蒸溜 (じょうあつじょうりゅう)
一般的な蒸溜方法。減圧蒸溜とは異なり、通常の気圧で蒸溜されます。
原料の風味がしっかり残る味わいになる傾向が。
末垂れ (すえだれ)
蒸溜の際に出てくる液体の最後の部分。香味成分は少ないとされています。
製麴 (せいきく)
米に麹を振りかけて「米麹」を作る工程。
そうして出来たものを用い、発酵(一次仕込み)されます。
麦焼酎の場合、「麦麹」を作ることも。
単式蒸溜
単式蒸溜器を使って、モロミを一度ずつ蒸溜する方法。
伝統的な手法で、本格焼酎の場合は必須。
なお対義語として、連続式蒸溜機を使って機械的かつ連続的に蒸溜する「連続式蒸溜」があります。
杜氏 (とうじ)
焼酎や日本酒など和酒の業界において、基本的には酒造りの責任者のことを指します。
二次仕込み
一次仕込みで出来たモロミに、芋や麦、米など主原料となる素材を加え発酵をさらに促します。(芋を加えれば芋焼酎、麦なら麦焼酎となる)
こうして出来たモロミは「二次モロミ」とも呼ばれ、この後に蒸溜されます。
発酵
原料に酵母を加えてアルコールを作り出す工程。
原料の糖分をエサに酵母が働くことでアルコールを作りだします。
発酵によってできるのはアルコール15度前後のお酒(モロミ)です。
焼酎や日本酒では「仕込み」とも呼ばれます。
ハナタレ (初垂れ)
蒸溜の際に出てくる液体の最初の部分。度数が高く、荒々しく香りが豊かとされ、これを集めて瓶詰めした焼酎もあります。
前割り
焼酎を水で割り、数日間寝かせたもの。焼酎と水がよく馴染み、味わいがまろやかになるとされています。
無ろ過
通常の焼酎は、瓶詰めの前に一度はろ過フィルターを通して油分や余分な成分を取り除きます。
それをしないのが「無ろ過」で、風味豊かで濃厚な味わいになる傾向があります。
モロミ
仕込み(発酵)の工程を経て出来上がったもの。まだこの時点ではドロドロしており、蒸溜されることで液状になります。(日本酒の場合は搾ることで液体に)
琉球泡盛
沖縄県内でのみ製造できる本格焼酎の一種で、主にタイ米を原料に、黒麹で仕込み、単式蒸溜にて造られます。
他の本格焼酎とは異なり、麹は必ず黒麹でなければならず、米麹のみを原料に1回のみ仕込みます。(他は2回)
単に「泡盛」と呼ばれるのが一般的です。
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