今、世界的に盛り上がっているお酒、ジン。
その製造拠点である蒸溜所も続々と新設されていますが、近頃は、都市部に拠点を構える“都市型蒸溜所”に注目が集まっています。
そんな中、世界に誇る大都市・東京にも新たにジンの蒸溜所が誕生します。
手がけるのは、廃棄される酒粕を再利用したクラフトジン「LAST」などを製造し、話題となっているエシカル・スピリッツ社。東京・蔵前に「東京リバーサイド蒸溜所」の名で、2020年内のオープンを目指し、プロジェクトを進めています。
今回はこちらの蒸溜所についてご紹介します。
「東京リバーサイド蒸溜所」は世界初の再生型蒸溜所
単なるビジネスだけでなく、“サスティナビリティ(持続可能性)”に代表されるように、未来を見据えた取り組みにも注目が集まっている昨今、エシカル・スピリッツはまさにそんな時代に寄り添った造り手です。
「LAST」は、廃棄されるはずだった酒粕を提携する酒蔵から仕入れ、それを蒸溜することで出来上がったスピリッツをベースとしたクラフトジンで、エシカル(環境保全や社会貢献など倫理的な活動)でサスティナブルなジンです。
また、9月には、コロナ禍で余剰になってしまったビールを再利用したジン「REVIVE」もリリース。そのユニークな取り組みだけでなく、「飲む香水」のコンセプトで造られるジンの味わいもまた評価され、人気を呼んでいます。
そんな独自のジンを手がけるエシカル・スピリッツですが、これまでは自前の製造拠点を持たず、提携する造り手のもとでジンを製造してきました。
今回は、ジン製品の需要拡大の受けて、より多くの方に味わってもらうべく、東京・蔵前に“再生型蒸溜所”「東京リバーサイド蒸溜所」の開設を決定。
新たに最新型の蒸溜器(ハイブリットスチル)を導入し、これまでどおり酒粕などから造られるスピリッツをジンのベースに採用。日本酒の造り手やビールメーカーの廃棄素材を再利用することで新たなジンとして蘇られる世界初の再生型蒸溜所となり、利益の一部は提携先に寄付するなど、酒類業界における循環型経済を実現させていくとのことです。
バーやボタニカルガーデンも併設!
蒸溜所を構える蔵前は、その昔、米蔵が集まっていた場所とされ、その背景から多くの倉庫や蔵が並んでいます。
ここ数年は、国内外のブランドが多数進出し、古き良き町並みを活かしたショップが増えており、独自の商業地域として活性化。
職人が活躍してきたものづくりの町でもあり、隅田川が流れるこの地は、“東京のブルックリン”とも呼ばれ近年注目のスポットとなっています。
東京リバーサイド蒸溜所は、蔵前にある築50年の物件を蒸溜所として再生。
建屋は5F建てで、1Fに入る蒸溜所では、一般見学も受け付ける予定とのことです。
そして2Fにはバー&カフェも併設。
造り手のもとを訪れることができ、さらに現地でお酒が嗜めるというのは、ファンにとっては特別感を感じるものであり、飲み手にとっても嬉しい施設と言えます。
また、屋上にはボタニカルガーデンを構え、そこで育てられるハーブ類の一部は、ジンの香り付けのボタニカルとして使用される予定だそうです。
数多くの酒プロジェクトに携わる若き蒸溜家が製造を指揮
世界にも類を見ないコンセプトの蒸溜所で製造を指揮するのは、若手蒸溜家の山口歩夢さん。
東京農大大学院で醸造学修士を取得している山口さんは、24歳とまだ若いながらも、数多くのお酒造りのプロジェクトに携わっています。
SAKEベンチャーWAKAZEでは蔵人として商品開発提案も行っていたほか、新進気鋭のフルーツブランデーの造り手・Mitosaya薬草園蒸留所でも蒸溜に携わっています。
また、2019年には地球少年こと篠原祐太さんらと共に昆虫食スタートアップチームANTCICADAを立ち上げ、レストランでは発酵食品の制作やドリンクペアリングを行うなど、お酒を軸に幅広く活躍しています。
そんな山口さんは、これまでのLASTの製造も担当しており、今後は自前の蒸溜所で腕を振るうことになります。
現在クラウドファンディングに挑戦中
細部にまでエシカルであることこだわり新設される東京リバーサイド蒸溜所。
今後はジンだけでなく、ウイスキー造りにも挑戦するとのことで、幅広い活躍が期待できるかもしれません。
ちなみにエシカル・スピリッツ社は、現在、蒸溜所の新設にあたってクラウドファンディングを実施中です。(※2020年11月17日まで)
こちらもぜひチェックしてみてください。
蒸溜所詳細
名称 :東京リバーサイド蒸溜所
所在地 :東京都台東区蔵前3-9-3臼井ビル1棟
構成 :地上5階建(中二階あり)、屋上あり
営業時間:13:00 〜 19:00 (1階 カクテル&ティースタンド)
17:00 〜 23:00 (2階 バー&カフェ)
エシカル・スピリッツHP:https://shop.ethicalspirits.jp/
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