カクテルやロック、多様な飲み方に対応できる「ジン」の魅力

ジン・その魅力とは

「2017年はジンの年」とも言われ、ジンは、今まさに大注目の分野です。
しかし、多くの方はこのジンというお酒について、あまりよく知らないのではないかと思われます。

それは、今までジンといえば「カクテルに使用するお酒」として見るのが一般的で、ウイスキーなどのように、銘柄そのものに注目が集まることが少なかったから。
これにより、ジンそのものの魅力や嗜み方については、あまり知られていないのが現状です。

そこで本記事では、今まさにアツいジンについて、その楽しみ方を中心にジンが持つ魅力をご紹介していきます。

【ジンとは】
ジンとは、ベースのスピリッツにハーブや果皮、スパイスなどの「ボタニカル」を数種加え蒸留させてできるスピリッツ。
ジュニパーベリーは必須だが、ボタニカルのレシピは各銘柄様々。度数は40〜50度が一般的。

ジンはそのまま飲めるだけでなく、数多くのカクテルにも使える「万能なお酒」

ウイスキーなどのように、一般的にあまり知られていないジンですが、実はジンは数あるお酒の中でもとても「万能なお酒」
どのあたりが万能なのかというと、飲み方や使用方法が実に多様なのです。

冒頭で述べたように「ジンはカクテルに使用するお酒」というイメージがあるように、ジンはかなり多くのカクテルに使用されています。
カクテルのベースとなるお酒や色々ありますが、ジンはその中でも特に使用頻度の高いお酒
最もポピュラーなところでは、ジントニックなら多くの方が飲んだことがあるでしょう。
カクテルの王様とも言われるマティーニでもジンは欠かせません。

カクテルの王様・マティーニのベースとなることでも有名

カクテルの王様・マティーニのベースとなることでも有名

今も高い人気を誇るウイスキーと比べると一目瞭然で、ジンはかなり多くのカクテルに対応できるのです。それはつまり、割材を選ばないということを意味します。
例えばウイスキーでは、カクテルとしての幅はどうしても狭まりますし、割材は選ぶ傾向にあります。とりわけシングルモルトなら「もったいない」という感情が先にきてしまうでしょう。

ロックはもちろん、ストレートや水割り、ソーダ割りも面白い

カクテルベースとしてのジンの価値については前述のとおりですが、実はジンはロックやストレート、それに水割りやソーダ割りなど、まるでウイスキーのような飲み方でも楽しむことができます。
ボタニカルによるハーバルな香りと風味が豊かなジンは、そのまま飲んでも美味しいのです。

例えば、ジンと同じく多くのカクテルに使用されるウォッカの場合、そのまま飲むことは日本では一般的ではありません。

このように、多様な飲み方に対応できる「万能なお酒」であるのがジンなのです。
これは例えば、ジンを1本購入したとして、気分や好みによって飲み方・味わい方を自由に変えれるということです。

クラフトジンの台頭によって、銘柄にも注目が集まるように

このように万能なお酒であるジンですが、冒頭でも述べたように、ジンそのものにスポットが当たることはあまりありませんでした。
おそらく、ジンの銘柄を多く知っているという方はバー関係者に限られたことでしょう。

しかし、その状況は変わりつつあります。
「クラフトジン」の台頭によって、ジンの地位が向上し、個性あふれるジン銘柄に注目が集まるようになったのです。

クラフトジンとは、クラフトビールのジン版といったところで、主に少量生産で強いこだわりのもと造られた個性的なジンのこと。
質が高く味わい深いのが特徴で、各銘柄ユニークなボタニカルを使用したりなど、銘柄ごとの個性が強いのが特徴です。

コーヴァルや季の美などおしゃれなボトルのクラフトジン

クラフトジンは個性的な銘柄が多い。(左から季の美、モンキー47、コーヴァル)

今やこのクラフトジンは世界的なブームとなっており、ここ日本も例外ではありません。
質が高くユニークなジンは、まずはバー関係者の間で話題となり、ジンの可能性を見つめ直す機運が高まっているのです。

クラフトジンの台頭によって、ジンに「個性」という新たな魅力が加わった、そういった見方もできるでしょう。

クラフトジンについてはこちらの記事で基礎知識を解説しています。
日本でも流行必至!「クラフトジン」の特徴と銘柄まとめ

ジンの様々な飲み方、使用方法をご紹介

ジンの魅力について分かったところで、楽しみ方についても具体的に知りたいところ。
カクテルの例や、自宅でも簡単にできる飲み方についてご紹介しましょう。

ジンを使ったカクテルの代表例

マティーニ
ジン3/4、ドライベルモット1/4、オリーブ1個

ジンフィズ
ジン3/4、レモンジュース1/4、シュガーシロップ1tsp、ソーダ適量

ギムレット
ジン3/4、ライムジュース1/4

ホワイトレディ
ジン2/4、ホワイトキュラソー1/4、レモンジュース1/4

ネグローニ
ジン1/3、カンパリ1/3、スイートベルモット1/3

シンガポールスリング
ジン45ml、レモンジュース15ml、シュガーシロップ10ml、ソーダ適量、チェリーブランデー15ml

自宅でも簡単にできる飲み方の例

ジントニック
ジン45ml、トニックウォーター適量、カットライム

ジンとトニックで割っただけのジントニックなら自宅でも簡単に作れます。
基本はライムを搾りますが、無しでも十分ですし、好みで別のフルーツやボタニカルに変えても面白いでしょう。

オレンジブロッサム
ジン45ml、オレンジジュース適量
ジンのドライな風味とオレンジの甘酸っぱさがマッチした、爽やかで飲みやすいカクテルです。

ジンリッキー
ジン45ml、ライム1/2個、ソーダ適量

底に沈めたライムを潰しながら飲むカクテルで、ジンそのものの風味が活かせるカクテルです。
ライムが面倒であれば無しでも良いでしょう。
単純なジンのソーダ割りの方が、むしろジンの風味は活きます。

緑茶割り
ジン45ml、緑茶適量

意外と面白いのがジンの緑茶割り。
清涼感がありつつも、茶の深みも感じる絶妙な味わいになります。
筆者的には、緑茶は玉露の方が甘みがありおすすめです。

ボタニカルを加えたロック
単純なオンザロックも良いですが、ジンに使用されているボタニカルを沈めてみるのも面白いです。
レモンピールを使用しているジンならレモンピールを沈めてみたり、他にも生姜やゆずなども。
定番は(ボタニカルとして使用していなくとも)ライムの搾り落としです。

クラフトジンはそのまま飲んでも面白い

ストレート
とりわけクラフトジンのような、個性的な味わいで味わい深く飲みごたえがあるジンでは、ストレートもおすすめです。
銘柄ごとの個性がつかめるので、クラフトジンの場合、一口めはこの飲み方をおすすめします。

トワイスアップ
トワイスアップとは、ジンと水を氷なしで1:1、つまり半々で割った飲み方。
アルコールの刺激が和らぐことにより、最も味がわかる飲み方とされています。
いきなり半々にせず、少しずつ水を加えていけば、味わいの変化を楽しむこともできます。

クラフトジンの生産者も、よくおすすめしている飲み方です。

まとめ

ここまでジンの魅力について、飲み方なども交えながらご紹介してきました。

最後にざっくりまとめると…

  • ジンは数多くのカクテルに使用されている
  • ロックやストレート、ソーダ割りなど単純な飲み方もできる
  • クラフトジンが流行し銘柄の個性も楽しめるように

ここまで幅広い飲み方に対応でき、アレンジもできるのはジンならではの強み。
それから、本文では触れていませんが、ジンは蒸留酒ですから保存も効くのも強みであり魅力と言えるでしょう。

クラフトジンの流行により、今後が楽しみになったジン。
まずはぜひ味わってみてください。

それではこの辺で。

【参考文献(カクテルレシピ参考)】
カクテル・パーフェクトブック|日本文芸社 監修・桑名伸佐

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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