バーに行く上で、どんなバーテンダーがカウンターに立っているのか、気になる方は少なくないのでは?
「バーテンダーへの8つの質問」は、対象となるバーテンダーの人となりに迫る8つの質問をインタビュー形式で展開し、バーテンダーとそのバーについて知ってもらおうという記事シリーズです。
今回特集するのは、鴨川のほとりに優雅に佇むラグジュアリーホテルの最高峰「ザ・リッツ・カールトン京都」
スペシャリストが多く在籍する「ザ・バー」では、洗練されたシグネチャーカクテルなどが味わえます。
8つの質問にお答えいただくのは、そんなバーでマネージャーを務める浅野陽亮さんです。
世界で最も権威あるカクテルコンペティション(以下、コンペ)の一つとして、多くのバーテンダーが憧れた「バカルディ レガシー カクテル コンペティション(以下、バカルディレガシー)」の2020年大会で日本一に輝いた経歴をもつ浅野さん。
一体どのようなお人柄なのでしょうか?
⇒日本一のバーテンダーに聞く、ゼロから最高のカクテルが生まれるまで
8つの質問 – 浅野陽亮さん
1. バーテンダーになろうと思ったワケを教えてください。
礼文島でのホテルの仕事が最初のきっかけです。
実は、大学卒業後に就いたのは、北海道の牧場での馬の世話の仕事でした。大学時代に馬が好きになり、それで地元京都を離れ北海道へ。広大な自然の中で馬と接する日常はとても楽しく、自分の好きなことに携われている充実感がありました。しかし、数年経ったのちに、ふとこれを一生の仕事としていくかと自問自答したときに、胸を張ってYESと答えることができませんでした。その理由は人との繋がりです。全てが馬中心の生活の中で、人との新たな出会いやふれ合いがほとんどないことに、何か満たされないような思いを抱くようになりました。それを満たすために新たなチャレンジをしようと、北海道を旅しながら見つけたのがホテルの仕事だったんです。
礼文島での仕事は、土地柄もあり季節限定だったのですが、そこで出会った方からの紹介でドイツの和食店で働くことになりました。帰国後は石川県のホテルで働くことになるのですが、そこで初めてバーに入るように…バーテンダーは自分でサービスもできますし、シェフのように作ることもできます。いわば、自分で一貫してできる“トータルサービス”です。そこにとてもやりがいを感じました。そして、毎日いろんな人との出会いがあり、繋がりも生まれる。馬の仕事のときに満たされなかった思いがつながった気がして、次第に魅せられていったんです。
2. あなたが一番好きなカクテルorお酒の銘柄は何ですか?
「ラストワード」というカクテルが好きですね。
ジンベースのカクテルなんですが、ハーバルな香りと独特な甘味に加え、複雑さがあるんです。普段初めてのカクテルを作る際は、レシピを見て想像しながら作るんですが、ラストワードは想像していた以上の完成度に驚いたのを覚えています。これはすごいレシピだなと。
実は「バカルディレガシー」の優勝カクテル「アリビオ」は、このカクテルを基にしているんですよ。
3. もしもバーテンダーじゃなかったらどんな仕事がしたいですか?
馬の調教師でしょうか。
初めての仕事が馬の仕事と言いましたが、当時の自分が目指す先にあったのは調教師でした。学生時代、馬に関連した歴史など様々な勉強をしていく中でその気持ちは強くなりましたし、なんだかんだ人生で初めて夢中になれた分野が馬だったんです。だから、自分の人生を面白くしてくれた馬には今でも感謝しています。
4. 日課としていること、またはマイルールは何かありますか?
コロナ禍以降ですが、早起きするようになりました。それと、今は家族との時間をよりしっかり作るようにしています。
コロナ禍で仕事ができなくなった中で、改めて家族との時間を見つめ直すことができました。子供がいるんですが、その成長を見られるのは親として楽しいですし、かけがえのないことだと感じています。早起きしているのも、家族と顔を合わせる時間を増やすためでもあるんです。
5. 趣味やお気に入りの時間は?
サウナでの「外気浴」のときですね。
もう何年も前からサウナが好きなんですが、何より、水風呂から出たあとに外で寝そべっている時間が一番好きなんです。余分な汗を出してスッキリした上に、精神的にもクリアになっている…リフレッシュの時間としては最高なんですよ。
実は、コンペに挑戦しているときは、その時間に構想を練ったりしていました。
6. もしも移住できるとしたらどこが良いですか?
スコットランドですね。
お酒全般でいうとウイスキーが好きで、それもあり一度行ったことがあります。延々と地平線が続き、辺りには広大な自然が広がっていて、空気が気持ちよかったですし、その中でのドライブも最高でした。生まれ育った京都にはそうした景色がなかったですし、どこか憧れがあるのかもしれません。
もしも移住できたら、ゆっくりと蒸溜所を回りたいですね。
7. 人生で最もエキサイティングだった瞬間は?
強いて一つ挙げるとするなら、馬の仕事をしていたときでしょうか。
馬の仕事と聞くと、自然の中でゆったりと時間が流れるイメージを持つ方がいるかもしれませんが、僕が携わっていたのは競走馬でしたから、基本的に闘争本能があり、気性が荒い馬も少なくありませんでした。世話をしていて、命の危険を感じることが実は結構あるんですよ。小屋から放牧地に放つのも毎回格闘のようでした。
その後の人生でしんどいこともありましたが、命の危険を感じることはなかったですし、当時の経験のおかげでだいたいのことは耐えられるようになりました(笑)
8. 今後の目標ややりたいことを教えてください。
「バカルディレガシー」で優勝するまでは、自分の成長を考えてコンペに挑戦していたのですが、今後はチームとしての成長を中心に考えていきたいですね。
師弟などと偉そうなことを言うつもりはありませんが、同僚や後輩などチームのメンバーに刺激を与え続け、個性的で素晴らしいバーテンダーが集まるチームを作っていきたいです。そうして、良いバーテンダーを少しでも多く輩出できたら嬉しいですね。
「ザ・リッツ・カールトン京都 / 京都市」について
お店の紹介
スタイリッシュな雰囲気、豊富なセレクションや趣向を凝らした季節ごとのオリジナルカクテルで食前・食後のひとときを優雅に演出します。バーテンダーが厳選したスピリッツの数々をはじめ、ザ・リッツ・カールトン京都限定のオリジナルカクテルもご用意しております。
メニュー例
Alivio アリビオ / 3,163円
Aged Negroni エイジド ネグローニ / 3,289円
Genuine Care ジェニュイン ケア / 3,795円
※全て税・サービス料込
店舗情報
住所:京都市中京区鴨川二条大橋畔 << MAPをみる >>
営業:17:00〜23:30(L.O.23:00) 日・月、臨時休業中 ※最新の営業時間は公式サイトをご確認ください
電話:075-746-5555(代表)
SNS:[Instagram] [Facebook]
公式サイト:https://thebar.ritzcarltonkyoto.com/
ホテル公式サイト:https://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/japan/kyoto
⇒バーテンダーへの8つの質問
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