世界で一番値段が高いワインは何なのか?
世界の超高額ワインはどれくらいの値段なのか?
ワイン好きの方のみならず、ワインに詳しくない方でも一度は気になったことがあると思います。
そこで本記事では、世界最大級のワイン検索サイト「wine-searcher」発表の世界高額ワインランキング(2017年6月時点)を元に上位20位の銘柄をご紹介していきます。
参考:The World’s Top 50 Most Expensive Wines
世界高額ワインランキングの概要
本記事では「wine-searcher(ワインサーチャー)」発表のランキングを元に作成しています。
wine-sercherはニュージーランドに拠点をおく世界最大級のワイン検索サイトで、9,273,319種のワイン、そして世界85,670店舗の価格表のデータが登録されています。
vinepairによればアメリカで最も影響力が強いワインサイトにも選ばれています。
【今回のランキングのポイント】
- 2017年6月1日集計のデータ
- ヴィンテージは考慮しない(平均値を採用)
- 平均価格は標準ボトル(750ml)に基づく
- オークションなどの価格は適用外
- 4つ以上のヴィンテージが流通(うち2つは過去10年以内のもの)、かつ取扱い店舗が5つ以上のワインのみ対象
※参考記事ではドル建て掲載のため、本記事では[1ドル110円]で円に換算しています。(為替レートは6月21日のもの)
世界高額ワインTOP20
それではランキングを見ていきましょう。
まずは20位から見ていきます。
20. ミュジニー [ドメーヌ・フェヴレ]
【平均価格:¥289,520】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
ミュジニーはブルゴーニュのシャンボール・ミュジニー村にある特級畑(グランクリュ)です。
ドメーヌ・フェヴレは大手ネゴシアンとしての顔も併せ持っています。
19. ル・パン
【平均価格:¥291,500】
【産地:フランス・ボルドー】
ボルドー・ポムロール地区のシンデレラワインとして有名な高額ワイン。
わずか2haの畑から作られ、年間生産数は約7,000本ととても希少なワインです。
18. シュタインベルガー・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ [クロスター・エバーバッハ]
【平均価格:¥292,600】
【産地:ドイツ・ラインガウ】
トロッケンベーレンアウスレーゼとは、いわゆる貴腐ワインにあたりドイツワインの最高等級です。
作り手であるクロスター・エバーバッハはドイツでは最大規模の醸造所で、ドイツ随一の歴史の長さを誇ります。
17. ロマネ・サン・ヴィヴァン [ドメーヌ・ルロワ]
【平均価格:¥296,120】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
ロマネ・サン・ヴィヴァンは、ヴォーヌ・ロマネ村にある特級畑。
いくつか生産者がいるなかドメーヌ・ルロワが手がけるロマネ・サン・ヴィヴァンが唯一20以内にランクイン。
ドメーヌ・ルロワはブルゴーニュの超名門で、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(通称・DRC)と肩を並べる存在です。
なおルロワには、完成したワインを買い付けるネゴシアンタイプのメゾン・ルロワと、栽培・醸造・瓶詰めまで一貫して行うドメーヌ・ルロワがあります。
16. ペトリュス
【平均価格:¥303,600】
【産地:フランス・ボルドー】
ペトリュスは、ル・パンと同じポムロール地区で作られるワインで、ボルドーで最も高額なワインの一つとして知られています。
メルローを使用したワインの最高峰です。
15. シャルツホーフベルガー・リースリング・ベーレンアウスレーゼ [エゴンミュラー]
【平均価格:¥316,470】
【産地:ドイツ・モーゼル】
シャルツホーフベルガーは、ドイツに5つしかないオルツタイルラーゲ(特別単一畑)に指定されている畑で、エゴンミュラーはその中の一等地を所有しています。
エゴンミュラーはドイツで最も有名ワイナリーといっても過言ではないでしょう。
14. スクリーミング・イーグル
【平均価格:¥330,660】
【産地:アメリカ・カリフォルニア】
アメリカの少量生産かつ超高額な「カルトワイン」と呼ばれるジャンルの最高峰で、アメリカのワインでは唯一トップ20にランクイン。
年間生産数はわずか6,000本程度で、ワインコレクターがこぞって欲しがるワインです。
なおアメリカはワインにおいては新興国の位置付けですが、フランスを驚かすほどブランド力を高めつつあり今後が楽しみです。
13. マジ・シャンベルタン [ドメーヌ・ドーヴネ(ルロワ)]
【平均価格:¥339,570】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
マジ・シャンベルタンは、ブルゴーニュ・ジュヴレ・シャンベルタン村にある特級畑。
ドメーヌ・ドーヴネは、ルロワのオーナーであるラルー・ビーズ・ルロワ女史が個人で所有する畑から作られるワインです。
そのため大変希少でいずれも高額なワインとなっています。
12. ラ・ロマネ [ドメーヌ・リジェ・ベレール]
【平均価格:¥344,960】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
ラ・ロマネはヴォーヌ・ロマネ村にある特級畑で、畑の面積は1haにも満たないブルゴーニュ最小の特級畑と言われています。
リジェ・ベレールは、このラ・ロマネを単独で所有しています。
11. コルトン・シャルルマーニュ [コシュ・デュリ]
出典:Coche-Dury Corton-Charlemagne Grand Cru|Wine-Searcher
【平均価格:¥353,870】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
特級畑であるコルトン・シャルルマーニュは、白ワインのみが作られる畑で、同銘柄はモンラッシェなどと並ぶ最高級の白ワインです。
コシュ・デュリはブルゴーニュ・白の作り手としてはおそらく3本指に入る有名作り手で、特にムルソーでは有名です。
10. ラ・ターシュ [ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)]
【平均価格:¥354,530】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
ラ・ターシュは、ご存知ロマネ・コンティを手がけるドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(通称DRC)が単独所有する特級畑。
DRCは8つの畑を所有し、そのいずれもが特級畑となっています。ワインの世界において伝説的な生産者で、いずれも超高額な値段で取引されています。
ラ・ターシュはそのDRCのポートフォリオの中で3番目に高額な銘柄です。
9. リシュブール [ドメーヌ・ルロワ]
⇒Amazonで「リシュブール [ドメーヌ・ルロワ]」をチェック!
【平均価格:¥374,770】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
リシュブールは、小さな特級畑が多いヴォーヌ・ロマネ村の中では比較的広い面積の特級畑。
DRCなどもリシュブールを手がけていますが、ルロワが生産するリシュブールはとりわけ高額な値段となっています。
なおルロワは、ビオディナミ(有機栽培農法)ワインの第一人者としても知られています。
8. シャンベルタン [ドメーヌ・ルロワ]
【平均価格:¥425,810】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
シャンベルタンは、ジュヴレ・シャンベルタン村にある9つの特級畑の中でもとりわけ有名で筆頭ともされます。
ルロワが手がけるシャンベルタンは、数あるジュヴレ・シャンベルタン産のワインでは最も高額となっています。
7. ヴェーレナー・ゾンネンウーア・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ [ヨハン・ヨゼフ・プリュム]
【平均価格:¥534,930】
【産地:ドイツ・モーゼル】
ドイツ屈指の銘醸畑として知られるヴェーレナー・ゾウネンウーア。ゾウネンウーア最高級の作り手がこのヨハン・ヨゼフ・プリュム、通称J.J.プリュムです。
J.J.プリュムはあのロバート・パーカーが5つ星を与えた生産者でもあります。
6. モンラッシェ [ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)]
【平均価格:¥590,370】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
モンラッシェは、シャサーニュ・モンラッシェ村とピュリニー・モンラッシェ村にまたがる特級畑で、最高級白ワインを生み出す畑として知られています。
DRCが手がけるワインの中ではロマネ・コンティに次ぐ価格です。
5. ミュジニー [ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ]
【平均価格:¥652,190】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
このミュジニーを手がけるジョルジュ・ルーミエは、ブルゴーニュの人気かつ有名ドメーヌで、シャンボール・ミュジニーにおいてはとりわけ有名で重要な作り手です。
厳しい収量制限や自然に任せたワインづくりにより、驚くほど少ない生産量となっています。
4. モンラッシェ [ドメーヌ・ルフレーヴ]
出典:Domaine Leflaive Montrachet Grand Cru|Wine-Searcher
【平均価格:¥755,810】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
DRCのモンラッシェよりも高額な値段となったこのワインを手がけるルフレーヴは、ブルゴーニュのみならず世界最高峰の白ワインの作り手と言ってよいでしょう。
ビオディナミワインの作り手、そしてルロワ同様、女性が当主を務めるワイナリーとして有名でしたが一昨年当主が他界。現在は男性が当主となっています。
3. ミュジニー [ドメーヌ・ルロワ]
【平均価格:¥820,270】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
ジョルジュ・ルーミエのミュジニーを上回る価格となったルロワのミュジニー。
DRCと並ぶ世界最高峰の生産者・ルロワが作るワインはどれも高額ですが、このミュジニーは、そのルロワのリストの中で最も高額となっています。
2. シャルツホーフベルガー・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ [エゴンミュラー]
【平均価格:¥938,960】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
エゴンミュラーが手がけるこの銘柄は、15位にランクインしているシャルツホーフベルガー・リースリング・ベーレンアウスレーゼのより上級シリーズです。
一時は世界一高額なワインにもなっていた銘柄で、ルフレーヴやDRCのモンラッシェを抑え世界一高額な白ワインとなっています。
1. ロマネ・コンティ [ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)]
【平均価格:¥1,649,120】
【産地:フランス・ブルゴーニュ】
世界一高額なワインとして、ワインを知らない方でもその名を知っている伝説的ワイン。
ロマネ・コンティはDRCが単独所有する特級畑で、総面積はたったの1.81ha、そして年間生産数はなんと約6,000本のみとなっています。
世界中の大富豪、王族などが欲するワインで、「ロマネ・コンティであること」に価値があり、代えがきかないワインとも言われています。
⇒ロマネコンティはなぜあんなに値段が高いのか?【2017年版】
まとめ
多くの方の予想どおりロマネ・コンティが世界一高額なワインでした。
このランキングのポイントをまとめると、
- 20銘柄中13銘柄が赤ワイン、7銘柄が白ワイン
- 20銘柄中13銘柄がブルゴーニュ産、4銘柄がドイツ産、2銘柄がボルドー産、1銘柄がアメリカ産
- TOP10はほとんどがブルゴーニュ産ワイン
- 作り手単位で見ればDRCやルロワが多くランクイン
- 白はドイツ勢とブルゴーニュが強い
といったところでしょうか。
ワイン好きの方なら「アンリ・ジャイエのワインはなぜランクインしていないのか?」と疑問に思ったかもしれません。
これについては、もう生産されておらず過去10年以内にリリースされていないといったところで、今回のランキングの条件から外れたのでしょう。
なお、参考元の記事ではTOP50までが掲載されています。こちらもぜひご覧ください。
それではこの辺で。
以上「世界高額ワインランキングTOP20【2017年6月】」でした。