世界一高額なワインとも言われるロマネ・コンティ。
ワインをあまり知らない方でも、その名を聞いたことがある方は多いでしょう。
実際にそのお値段を知った方の多くは「なぜこんなに高いの?」と気になったのではないでしょうか?
そこで本記事では、ロマネ・コンティが超高額な理由は何か?について、ワイン初心者の方でも分かりやすいように解説していきます。
ロマネ・コンティの価格の理由について記された記事は多いですが、本記事では2017年の最新データを元に解説していきます。
ロマネ・コンティの現在の値段は?【2017年1月時点】
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さて、高額な理由の前にまず気になるのが、そもそも「ロマネ・コンティは今いくらなのか」ですよね?
そこで、世界最大規模のデータベースを誇るワイン検索サイト「wine-searcher」にて、ロマネ・コンティの現在の平均価格を調べてみました。
2017年1月16日時点でのロマネ・コンティの平均価格は…
「1,618,379円」
なんと約160万円です。
ケースでのお値段ではありません。
750ml、1本でのお値段です。
さらにそのお値段は変動が激しく、基本的には上昇傾向にあります。
実際、過去のデータを調べてみると、2002年時点ではロマネ・コンティのお値段はだいたい40万円程度となっています。(世界の名酒事典2002年版より)
15年間でお値段が約4倍も上がっていることになります。
Amazonでも100万円以上
約160万円とはいうものの、世界のどこかの国だけやたらと高くて、日本ではもっと安く買えるのでは?と思った方もいるかもしれません。
なので念のためAmazonでも価格を調べてみましたが、出品されていた18本のロマネ・コンティ全てが100万円を超えていました。
しかもその内訳は、18本中、100万円以上が5本、200万円以上が13本と、200万円を超えるものが多いという結果でした。
※2017年1月17日に「ロマネコンティ」というワードで検索。
ロマネ・コンティは世界一高額なワイン銘柄
よく「世界一高額なワインはロマネ・コンティ」と言われますが、それは単なる噂ではなく事実です。
前述した世界的なワインサイト「wine-searcher」によれば、ワイン銘柄の価格ランキングでロマネ・コンティが1位となっています。(2017年1月11日時点)
その時々でランキングは変わるので一概には言えませんが、少なくとも現時点では世界で最も高額なワインはロマネ・コンティということになります。(ほとんどの時期でロマネ・コンティが1位で2位と逆転することは稀)
ロマネ・コンティが高額な理由
前置きが少々長くなりましたが、ここからいよいよ本題。
現在の平均価格は約160万円と書きましたが「そもそもなぜそんなに高いの?」について解説していきます。
考えられる理由は主に3つあり、それぞれ詳しく見ていきます。
理由① 超少量生産による希少性
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まずロマネ・コンティとは、フランス・ブルゴーニュ地方の「ヴォーヌ・ロマネ」という村にある「ロマネ・コンティ」という名のブドウ畑から作り出されるワインを言います。
畑の名前が銘柄名になっているのですね。
それでこの畑がどれくらいの大きさかというと、その大きさはたったの1.81ヘクタール。
この1.81ヘクタールというのは異常な小ささで、東京ドームの半分にも満たない小ささです。(東京ドームは約4.7ヘクタール)
他のワインを見てみると、例えば日本でも有名な高級ワイン「シャトー・マルゴー」でも82ヘクタールの畑を有しています。(条件が違うため一概に比較はできませんが)
たった2ヘクタール弱の畑から、おそらく世界で最も知られているワインが作り出されているわけです。
さらに、その畑から作られるロマネ・コンティの生産数は年間約6,000本と言われています。
シャトー・マルゴーですら年間約35万本生産していると言われています。
おそらく世界で最も知られているワインが、年間たったの6,000本しか作られていないのです。
理由② 圧倒的な人気とブランド力
「ワインの銘柄はよく知らないけどロマネ・コンティだったら知ってる」という方は多いでしょう。
ロマネ・コンティには圧倒的な知名度があり、それに比例して人気も圧倒的なものがあります。
知名度、人気、そして少量生産による希少性…
これらによってロマネ・コンティには圧倒的なブランド力が備えられています。
よく「ロマネ・コンティはロマネ・コンティであることに価値がある」と言われます。
ロマネ・コンティがダメだったら他のワインにしよう、ではダメなのですね。
つまり、代えがきかないワインというわけです。
そのようなワインを、世界中の王族やセレブなど億万長者が欲しているのです。
理由③ DRCにしか作れない
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前述のようにロマネ・コンティは「ロマネ・コンティ」という名のブドウ畑から作り出されています。
実はフランスのブルゴーニュ地方では、名前のついた一つのブドウ畑を区画ごとに分けてそれぞれの別の生産者が所有する、という方法が一般的です。
例えば「リシュブール」という名の畑は、複数の生産者が所有しています。
畑の名前が銘柄名になるので「リシュブール」の名がついたワインは生産者の数だけあり、それぞれラベルや値段が異なるのです。
⇒シャブリやキャンティなど…なぜワインは同じ銘柄名のものが多数あるのか?
しかし、ロマネ・コンティの場合、その畑をある生産者が独占所有しています。
その生産者の名はドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ、通称DRCです。
ワイン業界ではもはや伝説的な生産者で、ロマネ・コンティ以外にも7つの銘柄を生産しているのですが、どれも高価で基本的に10万円以上で販売されています。
そのDRCが独占的に生産するのがロマネ・コンティなのです。
DRCが独占しているので競合は存在せず、価格は自由に決められるということになります。
3つの理由をまとめると…
「年間約6000本という希少性」
「圧倒的なブランド力で世界中のセレブが欲している」
「DRCの独占市場で代えがいない」
これら3つのまとめると、ロマネ・コンティが高額な理由は、需給バランスの崩れにあります。
需要と供給のバランスがおかしなことになっているのですね。
基本的にモノの価格は、需要と供給のバランスに左右されます。
ロマネ・コンティの場合、需要に対して供給が足りていません。
さらにその需要の対象、つまり欲しているのは世界中の億万長者。
世界中の億万長者が「私も欲しい」と少ないモノを争っているわけです。
値段が高くなるのは、ある意味当たり前だとお分かりいただけると思います。
あとがき
ロマネ・コンティがなぜ高いのか、主な3つの要因をあげ、それぞれ解説してきました。
理由はシンプルで、圧倒的なブランド力と希少性による需給バランスの崩れでしたね。
それを世界中の億万長者が欲しがっているから高額になるわけです。
最後におすすめ情報…
「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と賞されるカリフォルニア・ワイン「カレラ」はおすすめです。
ワイン業界の最重要人物であるロバート・パーカー氏がそう賞し、実際にロマネ・コンティと深い関わりがあるワインでもあります。
安いものなら4,000円前後で購入できるので、気になる方は一度試してみると良いかもしれません。
それではこの辺で。
以上、「ロマネコンティはなぜあんなに値段が高いのか?【2017年版】」でした。
【参考文献】
世界のワイン事典 2012年版・講談社
世界の名酒事典 2017年版・講談社
⇒世界高額ワインランキングTOP20【2017年6月】
⇒コノスルやアルパカなど、チリワインがコスパ抜群なのはなぜか?
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