沖縄のお酒として有名な泡盛ですが、焼酎と比べるとまだまだマイナーな感が否めません。
みなさんはどれくらい泡盛のことをご存知でしょうか?
泡盛は焼酎じゃないの?
そもそも何が違うの?
そう思っている方も多いでしょう。
そこで本記事では、泡盛がどういったお酒で、焼酎とは何が違うのか、分かりやすくシンプルにご説明していきます。
泡盛も焼酎に分類される
主に沖縄で作られる泡盛ですが、実は厳密には焼酎の乙類焼酎に分類されます。
(乙類焼酎についてはこちらの記事をご参考ください→【甲類焼酎と乙類焼酎、その違いは何?】)
つまり、泡盛は焼酎の一種ということになります。
芋焼酎や麦焼酎のように、名前に「焼酎」がついていないため、あまりイメージはないかもしれませんが、実は焼酎なのですね。
「焼酎」ということで、発酵や蒸留といった大まかな作り方は一緒です。
しかしながら、泡盛には泡盛独自の規定があり、その規定どおり作られたものが「泡盛」になります。
その独自の決まりが、焼酎とはちょっと違った風味を生んでいるのですね。
主な違いは、
- 原料の違い
- 古酒がある
の2点です。
原料の違い
前述のように泡盛は、他の焼酎とはちょっぴり違った原料を使用しています。
以下で、詳しくご説明していきましょう。
タイ米を使用する
泡盛は、タイ米(インディカ米)を使用して作られています。
芋焼酎や米焼酎など、他の焼酎でも米を使用していますが、これらで使用しているのは主に日本のお米(ジャポニカ米)です。
泡盛も当初は日本のお米や栗を使っていましたが、明治時代頃からタイ米を使用するようになりました。
理由は、沖縄的にはタイ米の方がコストが低く、お酒造りに向いていたからとされています。
タイ米は日本のお米を比較して、コクが深くなる傾向があるとされています。
この使用するお米の違いが、泡盛に独特のコクをもたらしているのですね。
黒麹を使用する
泡盛は、原則、黒麹菌を使用して作らなければなりません。
他の焼酎では、黒麹菌はもちろん、黄麹菌や白麹菌も使用されています。
黒麹は、麹菌の中でもクエン酸(酸なので酸っぱい)を多く含むとされ、お酒の腐敗を防ぐ効果があります。
泡盛が作られる沖縄は、高温多湿なので雑菌が繁殖しやすいのですが、黒麹を使用することでこれを抑えているのです。
ちなみに黒麹を使用すると、クエン酸の影響もあってか、味わいにちょっぴり酸味を感じる、辛口になることが多いされています。
そのため、一般的に泡盛は「辛口」な味わいになります。
泡盛には古酒がある
「古酒(クース)」も泡盛独特のもので、他の焼酎にはないものです。
古酒とは、その名のとおり長期間熟成させた古いお酒のことでです。
古酒を名乗るには、3年以上熟成させなければならないという規定があります。
熟成は、「甕(かめ)」と呼ばれる大きなツボのようなものか、タンクにて行われます。
この熟成を経ることによって、アルコールの角がなくなり、味がまろやかになります。
ちなみに古酒は、アルコール度数が高く、40℃前後のものが多いです。
泡盛初心者でも飲みやすい銘柄
泡盛はその独特の辛口な味わいや、焼酎に比べて度数が高めなことから、苦手な方も多くいらっしゃいます。(筆者も初めは苦手でした…)
しかし中には、飲みやすい味わいの泡盛もあり、泡盛初心者の方にはこれらがおすすめです。
中でもおすすめなのが「残波」です。
かなり有名な銘柄なので、ご存知の方も多いでしょう。
残波は、良い意味で泡盛らしくない飲み口で、ちょっぴりフルーティーで爽やかな味わいです。
非常に飲みやすいため、泡盛初心者の方や今まで苦手だったという方にもおすすめです。
まとめ
泡盛と焼酎の違いについてお分かりいただけたでしょうか?
泡盛は「焼酎」としてではなく、「泡盛」として独自に文化を持っていたお酒なので、分類上焼酎だったとしても、独特の決まりがあり、それが味わいに違いを生んでいるのですね。
機会があればぜひ、焼酎と泡盛を飲み比べてみてください。
それではこの辺で。
以上、「泡盛と焼酎との違いは何か?を分かりやすく説明!」でした。