世界で一番売れている日本のお酒、何かご存じ?実は“あの焼酎”だった

世界で一番売れている日本のお酒、何かご存じ?実は“あの焼酎”だった

人気No.1、強さNo.1、はたまた大きさや高さNo.1…
各分野で何がNo.1なのか、ギネス記録に注目が集まるように、多くの人は気になってしまうものです。

日本のお酒の場合どうでしょうか?
今や日本酒やウイスキー、そしてワインやジンなど、様々な国産酒が世界で親しまれていますが、日本も含め世界で一番売れているブランドは何なのか、気になる方もいることでしょう。
そこで調べてみたところ、日本人ならきっと誰もが知る“あの焼酎”がダントツのトップでした。
詳しくみていきましょう。

世界で一番売れている日本のお酒は「いいちこ」だった

世界のスピリッツ・リキュールの売り上げ(出荷数)ランキングを記した「THE SPIRITS RANKING 2020 / Drinks International」。同ランキングによれば、日本産のお酒で最も売れているブランドは、本格麦焼酎の「いいちこ」でした!
ビール・ワインを除いたランキングとはなりますが、その数はなんと年間700万ケースで、2位の「サントリー 角」が520万ケースであることを考えるとダントツのトップ。(ちなみに3位は340万ケースでブラックニッカ)
日本のお酒としては、しばらくの間売り上げトップの座に君臨しています。

お馴染みのボトル

お馴染みのボトル ※公式サイトより

実はいいちこは、アメリカに法人を構えるなど海外への輸出も行っており、最も権威ある酒類品評会の一つ「IWSC(インターナショナルワイン&スピリッツチャレンジ)」では、「いいちこスペシャル」が2016年に部門最高賞を受賞するなど世界的な賞をいくつか受賞するなど、世界から高評価を得ています。
また、アメリカのバーシーン向けに「iichiko彩天」を限定発売するなど、海外でも新たなチャレンジを続けています。

日本では個性あふれるTVCMや「下町のナポレオン」というキャッピコピーが世間に浸透し、お酒を飲まない層にまで知られているブランドですが、実は世界で売れている国産酒だったのです。

いいちこスペシャル

世界的な品評会で最高賞を獲得した「いいちこスペシャル」 ※公式サイトより

麦麹を使用した麦100%の本格麦焼酎

さて、No.1の国産酒であるいいちこですが、その特徴についてはご存じでしょうか?

手がけるのは、麦焼酎の一大産地である大分県に拠点を置く、総合醸造企業「三和酒類」。
同社がいいちこをリリースしたのが1979年。
焼酎は一般的に、主原料と麹を使用して発酵・蒸溜して造ります。
リリース当時、麦焼酎は大麦を主原料に、麹は日本酒や芋焼酎と同じ米麹が使われることが一般的でした。
しかしいいちこは、あえて米麹を使わずに麦に麹菌を繁殖させた「麦麹」を使用し、麦100%の麦焼酎を誕生させました。
研究の末にライトな味わいを生み出すことにも成功し、その飲み飽きしない味わいが人気を呼び、焼酎ファンを増やすことに一役買ったとされています。
今もベストセラー焼酎として、老若男女、居酒屋や自宅で、様々なシーンで楽しまれています。

麦焼酎の原料となる大麦

麦焼酎の原料となる大麦、いいちこは麹にも大麦を使用する

また、前述した「いいちこスペシャル」のように樽熟成を駆使した銘柄や、日本酒の大吟醸のように磨き上げた高精米大麦を使用し、低温発酵させた「いいちこフラスコボトル」など、様々な関連銘柄がリリースされているのもこのブランドの特徴です。

改めて飲んでみては?

きっと多くの方が一度は味わったことがあるであろういいちこが、世界で最も売れている国産酒でした。
ちなみに、いいちこブランドではないものの、三和酒類が手がける和のボタニカルを使用した麦麹のスピリッツ「TUMUGI」が日本のバーシーンにも普及してきているなど、いいちこのDNAをもつお酒は、これまでの焼酎の枠を超えて飲み手を楽しませています。
カクテルベースとしての焼酎も盛り上がってきており、レギュラー商品のいいちこも含め、今改めて味わってみると新しい発見があるかもしれません。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

関連記事

  1. 芋焼酎、麦焼酎、米焼酎 芋焼酎、麦焼酎、米焼酎の違いと特徴をざっくり説明!
  2. キンミヤ焼酎・その魅力とは ホッピーの定番焼酎「キンミヤ」はなぜ人気?その魅力に迫る
  3. 白麹の芋焼酎・30銘柄まとめ 白麹の芋焼酎【30銘柄】を基本情報や特徴とともにご紹介
  4. 黄麹の芋焼酎・15銘柄まとめ 黄麹の芋焼酎【15銘柄】を基本情報や特徴とともにご紹介
  5. 世界一の焼酎は? 世界で最も売れている焼酎銘柄は?ランキングTOP5を発表!
  6. 実は本格焼酎は世界的にとてもユニークお酒だった 〜 今こそ焼酎を飲もう 実は本格焼酎は世界的にとてもユニークお酒だった 〜 2つの特徴を…
  7. 焼酎のカロリー 焼酎は高カロリーか低カロリーか、他のお酒と比較
  8. 黒麹・白麹・黄麹、特徴と違い 芋焼酎の黒麹・黄麹・白麹…それぞれの特徴や違いを簡単解説

おすすめ記事

一流バーテンダーと行く『BIRDY.』工場 - プロも驚くカクテルツールの製造現場 一流バーテンダーと行く『BIRDY.』工場 – プロも驚くカクテルツールの製造現場

仕上がりを洗練させるカクテル&バーツールブランド『BIRDY. by Erik Lorincz / …

国産ジンの造り手19社が沖縄に集い、唯一無二のジンを創る「DistiRally NEXT 2023」始動! 国産ジンの造り手19社が沖縄に集い、唯一無二のジンを創る「DistiRally NEXT 2023」始動!

この度、当メディア(LiquorPage)、および洋酒専門の酒販店・株式会社千雅は、国産ジンが造り手…

トップバーテンダーが手がける“クラフト・ジントニック”のための蒸溜所プロジェクトが始動!

シンプルなカクテルながら、その爽やかな香りと洗練された口当たりに、バーで味わうジン&トニックに癒され…

人気の記事

  1. あのパーカーポイントが日本酒に!90点以上78銘柄を発表 日本酒版パーカーポイント
  2. ジャパニーズ・クラフトジンが今アツい!話題の4銘柄をご紹介 ジャパニーズ・クラフトジン
  3. 日本でも流行必至!「クラフトジン」の特徴と銘柄まとめ クラフトジンとは?
  4. ウイスキー世界売り上げランキングTOP20 世界ウイスキー売上ランキング
  5. 世界一売れているビールは?2015年世界シェアTOP10を発表! 世界一のビールは?

新着記事

関連記事

PAGE TOP