日本人ならきっと一度は味わったことがあるであろう、芋や麦からなる本格焼酎。
日本の伝統酒として古くから食文化に寄り添ってきた、私たちにとって何かと身近なお酒ですが、実は本格焼酎は、世界のお酒と比べとても珍しい2つの特徴を持っています。
その2つの特徴とは、1つは「麹を使ったお酒であること」、そしてもう1つは「原料の風味がしっかり感じられる“蒸溜酒”であること」。
今回の記事では、これら2つの特徴について、詳しくご紹介します。
麹を使ったお酒であること
お酒には様々な原料が用いられています。
ウイスキーやビールなら大麦(麦芽)、ワインやブランデーならブドウ、日本酒なら米といったように、穀物やフルーツなど実に多様です。
それら原料をアルコール発酵させることで、お酒となるのですが、発酵させるには原料に糖分が必要不可欠です。
そのため、元から糖分を含むフルーツはさておき、麦や米など穀物の場合は、主な成分であるデンプンを糖分に分解させる「糖化」という工程が必ずあります。
本格焼酎というと、芋焼酎や麦焼酎、米焼酎など様々な種類がありますが、実はどの本格焼酎もベースとなる原料は米。
よって糖化させる必要があるのですが、世界のお酒がお湯などを加えて酵素の力で糖化させるのに対し、本格焼酎は「麹」と呼ばれる菌の一種を米に加えることで酵素の力を働かせ、糖化させています。
そうしてできたものは「米麹」と呼ばれ、これに芋や麦、米など各焼酎の素材を加えて発酵させています。
日本のお酒造りの場合、本格焼酎だけではなく日本酒も麹を用いているのですが、実は麹を使ったお酒は世界的に見てとても希少。それゆえ焼酎はしばしば「麹のお酒」とも例えられます。
ちなみに、麹を使うと独特の香りが生まれるとされており、例えば麹を使った麦焼酎と、麹を使わないで造る麦のお酒(熟成前のウイスキーや一部ウォッカなど)はまるで香りが違います。
麹の独特の香りは、本格焼酎ならではの大きな特徴であり魅力なのです。
原料の風味がしっかり感じられる“蒸溜酒”であること
本格焼酎は、ウイスキーやジンなどと同様に「蒸溜酒」にカテゴリーされるお酒で、発酵させたのちに蒸溜という手法を用いて造られているのが特徴です。
蒸溜とは、アルコール度数を高めるための工程で、モロミ(原料を発酵させた液体)に熱を加えることで、より度数の高いアルコールを取り出せるというもの。アルコールと水とでは沸点が違うことから、その差を利用して加熱することで、アルコールが気化し、冷やすことで度数の高い液体となるのです。
蒸溜は、回数を重ねるごとにアルコールが精製されて度数が高まっていくのに伴い、原料由来の成分は失われ、味わいはだんだんクリアでニュートラルになっていきます。
ウイスキーなど世界の蒸溜酒はその多くが2回以上の蒸溜がルールで定められています。そのため、例えばウイスキーなら原料である大麦麦芽の味は感じにくくなっています。
しかし、それに対して本格焼酎の蒸溜回数は1回のみ。仕上がりのアルコール度数も、世界の蒸溜酒が40度前後になるのに対し、本格焼酎は25度が一般的。そのためアルコール以外の成分が大半を占め、原料の風味がしっかりと残るのが特徴。
芋焼酎なら芋の風味を、麦焼酎なら麦の風味、米焼酎なら米の風味といったように、原料の風味がしっかりと感じられる仕上がりになるのです。
世界的に見て、蒸溜回数が1回のみの蒸溜酒はとても珍しく、本格焼酎ほど原料の風味が感じられる蒸溜酒は他にないと言っても過言ではないでしょう。
今こそ本格焼酎を飲もう
世界的に見て珍しい、麹を使った独自の香りを放つお酒であり、蒸溜酒でありながら原料の風味がしっかり感じられるのが本格焼酎です。
これら2つの特徴の他にも、蒸溜酒はその過程で糖質(炭水化物)が消失することから、糖質はゼロに。しかも焼酎はアルコール度数が25度と適度の高さであることから飲み方の幅も広く、その時の気分や好みによって様々な楽しみ方ができるのも大きな魅力と言えるでしょう。
このような、唯一無二とも言える特徴を持つお酒が、身近にあふれているのです。
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