ビールは英語だと思っている方が少なくないかもしれません。
カタカナなので無意識に英語と思ってしまいそうですが、実はビールは英語ではありません。
つまり、アメリカやイギリスなどの英語圏では「ビール」では通じないのです。
では英語でビールは何と言い、そもそもビールとはどこの国の言葉なのか等を本記事では解説していきます
英語でビールは「Beer / ビア」
「ビール」は英語圏では通じません。
では英語でビールは何なのか?
答えは「Beer / ビア」
おそらくどこかで習っているでしょうし、簡単な英語なのですが、やはり「ビール」という言葉で慣れてしまっていて、イコール英語だと思っている方も少なくないようです。
ちなみにビールがビアなので、クラフトビールは英語ではクラフトビアということになります。
発音を意識しなければ「ビア」でも通じない
ビールの英語がビアだと分かったところですが、この「Beer / ビア」という言葉も、日本語のカタカナ感覚でビアやビアーと発音しても通じません。
ビアの「ア」の部分が「R」なので、Rの発音を意識しなければなりません。
ちょっと舌を奥に引っ込めながら「ア」の部分を発音します。
これは本当にしっかり発音しないと通じません。
実際筆者はアメリカにて、おそらくカタカナ発音だったのでしょうけれど「ビア」と何度言っても全く通じなかったという恥ずかしい思い出があります。笑
ちなみにどうしてもビアが通じなければ「ドラフト」という英語に逃げるという策もあります。
ドラフトもほぼビールと同じ意味で、厳密には樽詰めビール(いわゆるお店「生ください」と言って出てくるビール)のことを指します。
英語でなければそもそもビールは何語?
ここで疑問。
ビールが英語ではないのなら、そもそも何語なのか?
ヒントは歴史の中にあります。
日本ビール検定公式テキストによれば、ビールが日本に初めて入ってきたのは江戸末期。オランダ人が西洋文化を伝えたのと同時にビールも伝えられたものだと考えられています。(歴史で習った「出島」などが関連)
ということでオランダ語のビールを見てみると、オランダ語では「Bier / ビーア」
一見違うようにも見えますが、現地の発音ではほぼ「ビール」という発音になるのだそう。
つまり、ビールはオランダ語が元になっている可能性が高いということです。
他の国の言語におけるビール
せっかくですので、世界各国の言語でビールがなんと言うのかも見てみましょう。
【世界各国のビールの言い方】
言語 | 発音 | スペル |
ドイツ語 | ビーア(ビール) | Bier |
フランス語 | ビエール | Biere |
イタリア語 | ビルラ | Birra |
スペイン語 | セルヴェーサ | Cerveza |
ポルトガル語 | セルヴェージャ | Cerveja |
ロシア語 | ピーヴォ | Pivo |
中国語 | ピーチュー | 啤酒 |
こうしてみるとイタリア語ぐらいまでは「ビール」の面影がありますが、そこから下はだいぶ変わってくることがわかりますね。
これらの違いは、そもそもの語源とするものの違いから発生しているものだと考えられています。
まとめ
最後振り返ると、ビールは英語では「ビア」と言い、日本における「ビール」はオランダ語が元になっている可能性が高いということがわかりました。
どうしても頭の中で「ビール」の意識が強く、英語圏でもビールと言ってしまいそうになりますが、しっかり「ビア」と言うようにしましょう。
また、その際は発音には気をつけてくださいね。
ちなみに洋酒のなかでも、このように言語が特殊なのはビールだけ。
ウイスキーやワイン、ジンやウォッカなど多くの洋酒は、英語をそのままカタカナにしたものになっており、そのまま言っても海外で通じますのでご安心を。
それではこの辺で。
改訂新版・日本ビール検定公式テキスト|日本ビール文化研究会