ウイスキーブームやジンブームなど近年の洋酒ブームの実態を見ると、洋酒との関わり方が変わりつつあることが分かります。
以前まではウイスキーやジンのようなとりわけ嗜好性が高い洋酒といえば、バーで嗜むのが定番。
しかし近年のブームでは、これらを自宅でも嗜む人が増えており、Amazonなど総合通販でも大々的な特集を組んでいることなどもその一端でしょう。
さて、タイトルにもあるように有名クラフトジン「ザ・ボタニスト」から定番ボトルよりもずっと小さい200mlボトルが発売されます。(12/3発売)
これは上記したブームの流れを汲むものであり、小さく、より手頃な価格で入手できるようになることで、より気軽に家でも楽しむことができるようになるでしょう。
ジンはベースのスピリッツに、ハーブや果皮、スパイスなどの「ボタニカル」を数種加え蒸留させてできるスピリッツ。
ジュニパーベリーは必須だが、ボタニカルのレシピは各銘柄様々。度数は40〜50度が一般的。
クラフトジンは、ジンの中でも少量生産で(ボタニカルや製法など)強いこだわりのもと造られる個性的なジン。
⇒【クラフトジンの基本について〜特徴と銘柄まとめ】
アイラ・ドライジン「ザ・ボタニスト」とは
そもそもザ・ボタニストはどのようなジンなのか?
基本的な情報についてもご紹介しましょう。
ザ・ボタニストは、ウイスキーの有名な産地・スコットランドのアイラ島で造られるジンで、手がけるのはこれまた有名なウイスキー蒸留所「ブルイックラディ蒸留所」
WILD(野生)・FORAGED(採取)・DISTILLED(蒸留)をテーマに掲げ、造られる個性豊かなプレミアムジンです。
“アイラ島のジンであること”にこだわっており、22種ものアイラ島産のボタニカルを使用し、ジンに使用される一般的なボタニカル9種と合わせて計31種ものボタニカルを使用しています。
また、アイラ島の22種ボタニカルにおいては、アイラ島に自生している”野生”のボタニカルで、それらを手で”採取”し、アイラ等で”蒸留”しており、まさにテーマどおりのジンとなっています。
そのこだわりはラベルにも現れており、”あえて”「ISLAY DRY GIN(アイラ・ドライジン)」と記されています。
もちろん現在、アイラ島で唯一のジンです。
ボタニカルはローモンドスチルで蒸留
ザ・ボタニストの特徴はボタニカルだけではありません。
その蒸留方法にも大きな特徴があります。
ボタニカルの蒸留に使用するポットスチル(単式蒸留器)は、ローモンドスチルと呼ばれるかなり旧式の蒸留器で現在これを使用しているのはボタニストだけ。
またボタニカルの抽出には、一般的な浸漬法(直接ボタニカルを浸して香味を抽出)ではなくバスケット法(蒸留の蒸気でボタニカルを抽出)を採用しており、ベーススピリッツに直接浸さずに蒸気だけでボタニカルを抽出しています。
こうすることでやや落ち着いた香味とはなるものの、31種ものボタニカルを使用しながらも、それらの香味が喧嘩することなく複雑に絡み合っています。
⇒ジンの基礎講座〜ボタニカルの抽出・蒸留方法とは?
200mlの登場でより自宅でも気軽に楽しめるように
このように、その出自やユニークな特徴から人気を集めるザ・ボタニストですが、プレミアムジン・クラフトジンという性質上、自宅で楽しむにはやや敷居が高いのが難点でした。
クラフトジンの価格帯は500〜700mlで3,000〜5,000円が相場となっており、ジンとしてはやや高い傾向があります。
いくら今自宅でも洋酒を楽しむ人が増えているとはいえ、700mlもの容量はいらないという方も多いでしょう。
クラフトジンだけでなくシングルモルトなどにも共通していますが、高価であればあるほど一杯あたり満足度が高くなるため、多くの容量を必要としません。
さらに、銘柄数が激増し群雄割拠状態となりつつあるクラフトジンにおいては、いろいろな銘柄を飲み比べしたい方も多いはず。
となると、このような少量ボトルは非常にありがたいわけです。
200mlが発売されることで、自宅でもより気軽にザ・ボタニストを楽しめるようになることでしょう。(希望小売価格は1,400円、12/3発売)
まとめ
現在ブームとなっているクラフトジンですが、定番銘柄の一つであるザ・ボタニストから200mlがリリースされることは、クラフトジンの今後を思うと良い傾向でしょう。
“コーヴァル”や”岡山”のように、すでに200mlをリリースしている銘柄もありますが、ジンファンでもある筆者からするとこのような動きがさらに広がって欲しいところ。
それではこの辺で。
⇒ウイスキー蒸留所が手がけるクラフトジンまとめ【全8銘柄】
⇒ヘンドリックス…クラフトジンのパイオニア的銘柄を徹底解剖
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