カクテルの王様「マティーニ」とは?材料や作り方、特徴を解説

マティーニとは?

「マティーニ」と聞いて、カクテルを連想する方は多いでしょう。
「カクテルの王様」とも言われるお酒ですから、その名前をご存知の方は多いと思います。

しかしマティーニがどんなカクテルで、どのような材料かまでは意外と知られていません。
マティーニについて知った上で、バーでオーダーできるとスマートでカッコいいかもしれませんね。

本記事では、カクテルの王様・マティーニとは一体どんなカクテルなのか、について迫っていきます。

マティーニとは?レシピと作り方について

まずはマティーニとは?を理解していただくために、基本的な情報をご説明。
特徴や材料(レシピ)や作り方などに触れていきます。

マティーニの写真

材料

ジン:4/5
ドライ・ベルモット:1/5
オリーブ1個

特徴

アルコール度数:30度〜
味わい:ハーブのような香り、キリッと辛口

作り方

  1. 大きなグラスのような容器に氷を入れる
  2. ジンとドライ・ベルモットをそれぞれの分量入れる
  3. マドラーもしくはバースプーンで中身が冷える程度にかき混ぜる
  4. 氷が入らないように中身だけをカクテルグラスに注ぐ
  5. オリーブを沈めて完成

本来は下の写真のようなミキシンググラスという専用の容器を用います。
なお、このような製法(ミクシンググラスを用いて中身だけ冷やす方法)をバー用語では「ステア」と言います。

Pouring from a mixing glass.jpg
By SKoppOwn work, CC BY 4.0, Link

マティーニはかなりシンプルなカクテル

このように、マティーニは非常にシンプルなカクテル。
お酒しか使用していないので、アルコール度数も高く、だいたい30度を超えます
ハーブような香りが強く、辛口なカクテルなので好みは分かれがち。
ですが、超がつく王道カクテルですから、一度は味わっておきたいところです。

シンプルが故にバーテンダーの腕が試されるカクテルで、バーテンダーによって作り方やレシピ、さらには味わいまでも微妙に異なります。
(一端のバーテンダーでもあった筆者的には、オーダーが入ると気が引き締まるカクテルでもありました…)

ちなみに、材料のジンの割合をあえて増やすレシピもあり、より辛口になることからドライ・マティーニと呼ばれます。

ドライ・ベルモットとは?

材料のジンについては、ジントニックなどがありますから、味についてご存知の方も多いでしょう。
しかし、ドライ・ベルモットをご存知の方は決して多くないと思われます。

ドライ・ベルモットとは、簡単に言うと、ハーブを加えた白ワイン
チンザノが有名な銘柄で、ラベルを見たことがある方は多いかもしれません。

ドライ・ベルモットはその名のとおり、やや辛口になるようハーブが調合されていますが、これをやや甘口の調合に変えたものはスイート・ベルモットと呼ばれ区別されます。(色も異なり、ドライベルモットは透明に近い色ですがスイートベルモットはやや赤みがかった色合いとなります)

ベルモットもジンもハーブやボタニカルによって風味づけされているお酒で、その特徴も強いですから、これら2つを使用して作るマティーニも、ハーブのような特徴を持ったドライなカクテルということになります。

ジンについてはこちらで解説しています。
今更聞けない!ジンってそもそもどんなお酒?

なぜマティーニはカクテルの王様なのか?

マティーニがどんなカクテルかは分かりましたが、ここで疑問…

そもそもなぜマティーニはカクテルの王様なのか?

実はその理由は定かではないのですが、歴史的な著名人が愛し、名作映画にも度々登場していたからではないかとされています。

マティーニは、イギリスの元首相チャーチルや文豪ヘミングウェイがこよなく愛したと言われているカクテルで、ヘミングウェイの小説にも登場しています。
さらに映画では、007のジェームズボンドが「ウォッカマティーニを。ステアせずにシェイクで」というオーダーをすることでも有名で、他にも「七年目の浮気」でマリリン・モンローがマティーニを飲んでいることでも有名です。

ちなみにジンではなくウォッカで作ったマティーニは、単純にウォッカマティーニと呼ぶだけでなく、ボンドマティーニとも呼ばれています。

人気NO.1のカクテルでもある

マティーニの人気度も「王様」であり続ける所以かもしれません。

日本ホテルバーメンズ協会がまとめたランキング(※)によれば、マティーニは、ショートカクテルの中で人気NO.1のカクテル。
ショートカクテルとは逆三角形のいわゆるカクテルグラスに入った氷の無しのカクテルで、「バーのカクテル」と言われ、イメージするようなカクテルです。
つまり、本格カクテルの「王様」として君臨しているとも言えるわけです。

※WANDS7-8月号|ウォンズ・パブリシング・リミテッドより

まとめ

マティーニについて知見は深まりましたでしょうか?
きっと今まさにマティーニを飲みたくなっていることでしょう。

カクテルの王様と呼ばれることもあって、格式が高く、ちょっと取っつきにくく感じてしまうカクテルではありますが、言ってもいちカクテルにすぎません。
ぜひ気軽にオーダーしてみてください。
味を知って損はありませんから。

中々バーに行く機会がないという方は、自宅で作ってみるのもおすすめです。
(何も本格的に作らずとも、ジンをベルモットで割ればほぼマティーニの味になります)

それではこの辺で。
以上、「カクテルの王様「マティーニ」とは何か?」でした。

【参考文献(レシピ参考)】
新版バーテンターズマニュアル|柴田書店 監修・福西英三

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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