みなさんが普段飲んでいるウイスキー、なぜ琥珀色とも言われる茶色なのかはご存知でしょうか?
実はこれ、原料の色ではないんですね。
(もちろん着色しているわけでもないですよ)
ウイスキーが琥珀色になっている理由について、解き明かしていくと、そこには独特の味わいについてのヒントも隠されています。
そこで本記事では、ウイスキーの色合いについて、ウイスキー初心者の方でも分かりやすいように簡単に解説していきます。
樽での熟成によって琥珀色に変化する
ウイスキーは蒸留酒なので、発酵→蒸留を経て作られます。
しかし、蒸留後のできたてのウイスキーは、実は無色透明です。
これは、ジンやウォッカ、焼酎など他の蒸留酒も同じで、基本的に蒸留するとお酒の色は無色透明になります。
ではなぜ、私たちが飲むウイスキーは茶色になっているのか?
これは、ウイスキーは蒸留後に「樽の中での熟成」を経て瓶詰め、出荷されているからです。
どういうことかというと、樽の木材の色みが、中のお酒にどんどん色移りしてくるのですね。
樽での熟成は、概ね3年以上とかなりの長期間行われるので、時間とともに木の茶色い色味が溶け出してくるわけです。
なので基本的には、より長年熟成を行なったウイスキーの方が色は濃くなります。
(使用する樽の種類や状態にもよります)
ちなみに、樽で熟成を行なっている最中のウイスキーは原酒と呼ばれます。
※スコットランド、アイルランド、カナダでは3年以上の熟成が義務付けられています
樽での熟成で影響を受けるのは色だけではない
ウイスキーが琥珀色なのは樽での熟成によるもの、と説明しました。
しかし、熟成によって影響を受けるのは色だけでありません。
実は、ウイスキーの味わいにも大きな影響をもたらしています。
そもそも蒸留後の無色透明のウイスキーは、普段飲んでいるウイスキーの味わいとは全く異なり、アルコールの強いかなり荒い味です。
蒸留によって、アルコールが一旦60〜90度前後まで高められているからです。
つまりほとんど原料由来の味は残っていないわけです。
それが、ウイスキーがあの独特の甘みやコク、華やかな香りになるのは、樽熟成で木の成分が溶け出しているからです。
ウイスキーは、「樽によって味が決まる」とも言われているお酒です。
それだけウイスキー作りにおいて、樽熟成は重要な工程ということですね。
ちなみに、ほぼ同じ原料を使用するウォッカや麦焼酎とは味わいが全く異なりますが、これは樽熟成の有無によるものが大きいです。
ウォッカ、麦焼酎は樽熟成はしませんので。
バーボンの色がやたらと濃い理由
先ほど、樽での熟成が長期間になればなるほど、ウイスキーの色が濃くなると説明しましたが、例外もあります。
例えば、スコッチの12年とバーボンの12年では、バーボンの方が色が濃いことが多いです。
同じ12年熟成なのになぜ?
これは、熟成に使う樽の状態が違うからです。
実はスコッチや他の多くのウイスキーでは、樽は新品ではなく、一度なんらかのお酒の熟成に使用した中古の樽を使用しています。
しかし、バーボンに限っては、新品の樽を使わなければいけない、という決まりがあります。
新品の樽の方が、当然木材の成分が有り余っているので、より影響を受けやすくなります。
なのでバーボンの方が、色が濃くなりやすいのです。
新品、中古というと、新品の方が良いと捉えがちですが、それぞれ一長一短です。
新品の樽は、木の成分が溶け出しやすく、熟成が早く進みますが、味がちょっぴり荒々しくなります。
中古の樽は、木の成分が溶け出しにくく、熟成がゆっくり進む分、味が穏やかになります。
まとめ
ウイスキーが茶色いワケについてお分かりいただけたでしょうか?
あの茶色は樽での熟成によるものだったのですね。
普段何気なく飲んでいるお酒について「なぜそうなっているのか?」考えてみるのも案外楽しいものです。
特にウイスキーは奥が深いですからね。
色々知りたくなるし、色々飲みたくなります。
ぜひみなさんも色々飲んでみてください。
それではこの辺で。
以上、「出来立てのウイスキーは無色透明!なぜ茶色に変化するのか?」でした。