トニックウォーターについて、みなさんはどれくらいご存知でしょうか?
飲食店経験者の方はよくご存知かと思いますが、そうでない方からすると決して身近な飲み物ではないですよね。
トニックウォーターがお酒だと思っている方も、なかにはいらっしゃいます。
(コーラ、ジンジャーエール同様、普通の炭酸飲料です)
本記事では、トニックウォーターがそもそもどんな飲み物なのか、実はジュースとしてもおいしく飲めることなどについて分かりやすく解説していきます。
後半では、トニックウォーターを使用したカクテルについてもご紹介。
トニックウォーターとは果皮などボタニカルを使用した炭酸飲料
トニックウォーターは果皮やハーブ類などのボタニカルを使用した、ちょっぴりビターな炭酸飲料。
オレンジ、ライム、レモンなどの果皮やハーブなどの、いわゆるボタニカルの抽出エキスを主な原料として作られています。
コーラやジンジャーエールなど他の炭酸飲料とは違って、甘すぎず、ちょっぴりほろ苦いのが特徴。
味わいがクリアで爽やかなので、お酒との相性が良く、そのためカクテル用に用いられることが多いのも特徴です。
定番カクテル「ジントニック」はその代表格で、ジンとこのトニックウォーターで作られています。
ジントニックでトニックウォーターの存在を知る方も多く、そのことから「トニックウォーター=カクテル用」のイメージが強いのでしょう。
とりわけ日本ではその傾向が強いと感じます。
By Foto: Achim Schleuning / , CC BY-SA 3.0 de, Link
ジュースとしてそのまま飲んでもおいしい
おそらく、トニックウォーターをそのまま飲んだことがある方は少数派かと思われます。
飲食店経験者の方であれば、休憩時に飲んだりなど慣れ親しんだ味かもしれませんが、一般の方はそうはいきません。
実はトニックウォーターは、ジュースとしてそのまま飲んでもおいしいのです。
何も「カクテル専用」として作られているわけではありません。
実はトニックウォーターは昔、保健飲料として飲まれていたものです。
当時はキニーネと呼ばれる(キナの樹皮のエキス)が配合されていて、熱帯地帯を植民地に持つイギリス人たちが、食欲不振やマラリア予防のために飲んでいたとされています。
(今はキニーネを配合しているトニックウォーターは少なく、他の苦味成分や香料によって調整しているものが多いようです)
これが一般に普及していったのは、その爽やかな味わいがアペリティフ(食前の飲み物)としてピッタリだと、女性達の間でもてはやされるようになったからです。
カクテルに用いられるようになったのは、その後です。
今でこそ「トニックウォーター=カクテル用」のイメージが強いですが、このように、そもそもはジュースとして飲んでいたものなのです。
ほろ苦くてほんのり甘い、爽やかな味わいはトニックウォーター特有のものですから、是非一度ジュースとして飲んでみてください。
キニーネは抗マラリア薬として薬品であるため、日本では使用が制限されています。そのため日本のトニックウォーターはキニーネは配合せず他のエキス等で味を調整しています。
これについてネット上では、「キニーネは日本では劇薬に指定されているから」という間違った情報が流れており、従来的なトニックウォーターに対するマイナスイメージに繋がってしまっています。
厚生労働省のリストによればキニーネは劇薬ではありません。(ストリキニーネと混同されているとみられますが、これとキニーネは全くの別物です)
トニックウォーターはどこで買える?
ジュースとしても美味しいことが分かったところで、一つ問題が…
そもそもトニックウォーターはどこで売っているのか?
By David Shankbone – Own work, CC BY 3.0, Link
コンビニでは基本的に販売されていませんし、スーパーでもあまり見かけません。
ですが…スーパーの場合、お酒のコーナー(正式にはお酒の割材のコーナー)に売っていることが多々あります。
ジュースコーナーにないからと諦めずに、店員さんに聞くなり探してみてください。
それから、酒屋ならほとんどのお店で売っています。
ただ、実際に買いに行って「ない」と無駄足になってしまいますから、Amazonや楽天などの通販なら確実です。
(最近は1本ずつの購入もできるようです)
トニックウォーターを使う主なカクテル
ここまでは「ジュース」としてのトニックウォーターについての解説でしたが、せっかくなのでトニックウォーターを使用したカクテルについてもいくつかご紹介。
なかには家で気軽に作れる簡単カクテルもあります。
ジントニック
【アルコール度数:10度前後】
【材料】
- ジン:30ml
- トニックウォーター:適量
- ライム:1カット
作り方は簡単で、グラスにライムを絞り落として、ジンをトニックウォーターで割るだけ。
ちなみに、ジンの代わりにウォッカを使えば「ウォッカトニック」になるなど、使用するお酒によってまた別なカクテルを作れます。
スプモーニ
【アルコール度数:5度前後】
【材料】
- カンパリ:30ml
- グレープフルーツジュース:45ml
- トニックウォーター:適量
こちらも人気カクテル。食前酒として有名なカンパリですが、ちょっと苦すぎると感じる方も多いです。
グレープフルーツジュースとトニックウォーターで割ることで、飲みやすく爽やかなカクテルになります。
カンパリをディタ(ライチリキュール)に変えると「ディタ・スプモーニ」になります。
ソル・クバーノ
【アルコール度数:10度前後】
【材料】
- ラム:30ml
- グレープフルーツジュース:45ml
- トニックウォーター:適量
グレープフルーツジュースとトニックウォーターは、黄金比ならぬ黄金の組み合わせ。
これによりラムのアルコールをあまりに感じずに、爽快でフレッシュなカクテルになっています。
ジュースとして飲む、グレープフルーツジュースのトニックウォーター割もおすすめです。
筆者はよく自分で作って飲んでいました。
ルビー・カシス
【アルコール度数:6度前後】
【材料】
- カシス:30ml
- ドライ・ベルモット:20ml
- トニックウォーター:適量
ドライベルモットとは、白ワインに香草の風味を加えたもの。
甘くなりがちなカシスですが、このドライベルモットとトニックウォーターで割ることで、スッキリした味わいに仕上がります。
まとめ
ここまでトニックウォーターについての基本情報をざっくりと解説してきました。
トニックウォーターは実は、ジュースとしても美味しい飲み物だったのですね。
ちなみに、トニックウォーターとソーダ水を半々で割る飲み方もあります。(ソニックとも呼ばれます)
より爽やかで、飲みあきしない味になるのでコチラもおすすめです。
こちらのフィーバーツリーは、人工甘味料を使用せずキナの抽出エキスを使用した、より本物志向のトニックウォーター。
バーなどでもよく使用されるおすすめのトニックウォーターです。
トニックウォーターはカクテル用としても、ジュース用としても活躍する万能ドリンクです。
まずはぜひ、トニックウォーターそのものを味わってみてください。
それではこの辺で。
以上、「ジュースとして飲める!トニックウォーターとはそもそも何?」でした。
主要参考文献:新版バーテンダーズマニュアル 福西英三監修|柴田書店
⇒バーで飲みたい「ジン」を使った代表的なカクテル8選!
⇒ワイン・日本酒・テキーラまで…各お酒のアルコール度数比較
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