“タガメ”を用いたジンが登場!誕生背景とジンの素材としての昆虫の可能性に迫る

“タガメ”を用いたジンが登場!誕生背景とジンの素材としての昆虫の可能性に迫る

昆虫食のスペシャリストチームとして知られるANTCICADA(アントシカダ)と、アルケミエ ジンなどを手がける辰巳蒸留所がタッグを組み、タガメを素材として用いた「アルケミエ The bug gin タイワンタガメ」 を6月に発表!
そこで今回は、この革新的でユニークなジンについて、ANTCICADA代表を務める“地球少年”こと篠原祐太さんに詳しく話を伺いました。
ジンの素材、ひいては酒の素材として“昆虫”はとても可能性があるかもしれません。

今回話を伺った篠原祐太さん

今回話を伺った篠原祐太さん

洋梨のような香りを放つタガメを使った「アルケミエ The bug gin タイワンタガメ」

昆虫食チームとジン蒸留所という異色のタッグによって実現した今回のジン。最大の特徴であるタガメは、洋梨のようなフルーティーで華やかなフェロモン香を有する“タイワンタガメのオス”を使用。タガメはANTCICADAがこれまでの活動でも多用してきた素材であり、今回のプロジェクトにあたって現地のタイを訪れ素材を厳選したと言います。(現地では普通に食用とされているとのこと)

タガメはそのまま使用するのではなく、良い香りに重点を置いて抽出できるよう下処理を施したのち、蒸溜され「アルケミエ The bug gin タイワンタガメ」としてボトリングされています。
ちなみに、「タガメにしか出せない香りを感じてもらいたい」として、他のボタニカルはジュニパーのみ。
1本あたりおよそ2匹分のタガメが使用されており、はっきりと感じられる洋梨のような香りに加え、少しトロピカルな要素も感じさせるフルーティーな香味が特徴的な一本です。

「アルケミエ The bug gin タイワンタガメ」の裏ラベル

「アルケミエ The bug gin タイワンタガメ」の裏ラベル

タガメ+ジンの誕生背景

もう少しこのジンについて補足すると、篠原さんは昆虫食歴20年のスペシャリスト。小さな頃から様々な昆虫を食していたと言います。
2019年4月に、シェフの関根賢人(写真左)さん、発酵家の山口歩夢さん、酒道家の大高尚人さんら、食と酒のスペシャリストとともにANTCICADAを発足。現在、“コオロギラーメン”などで話題を集めています。

篠原祐太さん(右)と関根賢人さん(左)

篠原祐太さん(右)と関根賢人さん(左)

ではなぜ昆虫食のチームがジンを手がけることになったのか?
篠原さんに聞けば「そもそも蒸留所オープン以前から辰巳(祥平)さんとは繋がっており、素材への愛や探究心など重なる部分が多く、いつか一緒にやれたらと意気投合していました」という。加えて「私たちが注目していたタガメは、その特有の香りからジンの素材に最適だという考えに行き着きました。ANTCICADAの体制が整ったこともあり、満を辞して辰巳さんにプロジェクトを打診。そして始動させることになりました」と話し、実は篠原さんの中では2年前から構想を練っていたといいます。

ちなみに篠原さんとしては、昆虫もあくまで他の素材や食材と同じように捉えてほしいという想いや、変わりダネとして消費されてしまうことへの懸念から、プロダクトに虫の姿をそのまま残すことには敢えてこだわらないといいます。
今回のジンについても、「タガメの“香り”にフォーカスしてもらいたいから、あえてその姿を残していません」と話し、パッと見てタガメがいた方がキャッチーかもしれませんがそこは求める部分ではなかったのだとか。

昆虫は酒の素材として可能性に溢れている

さらに素材としての昆虫の可能性について篠原さんに伺うと、「実は昆虫には、それぞれ違った香りや味があります。例えばタガメにしても種類によって微妙に香りが違うのです」と話し、「青リンゴのような香りを放つカメムシや、桜餅のようなフレーバーのケムシなども存在し、ジンはもとより、酒の素材として可能性を感じさせる昆虫が少なくありません」といいます。

“酒+昆虫”はまだまだ新しいカテゴリーであり、前例のない素材が用いられることで全く新しい香りや味わいを体験できるようになる可能性は大いにあり得ると言えます。
昆虫食が次世代の食分野として注目されている昨今、お酒の素材としての昆虫は可能性に溢れていることに加え、お酒のカルチャーを次のステージへシフトさせるきっかけとなるかもしれません。

イベントや今後オープン予定のANTCICADAの店舗で提供される予定

イベントや今後オープン予定のANTCICADAの店舗で提供される予定

ちなみに、当記事でご紹介した「アルケミエ The bug gin タイワンタガメ」は開業予定のANTCICADAの店舗や、ポップアップイベントなどでのみ提供される予定の限定商品で、一般販売はされないとのことです。
提供情報についてはANTCICADAのInstagramアカウントをチェックしてみてください。
https://www.instagram.com/antcicada.jp/

小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

関連記事

  1. 秋田発!秋田スギを使った「森の香りのクラフトジン」のクラウドファンディングが開催中!発起人は秋田の研究者達 秋田発!秋田スギを使った「森の香りのクラフトジン」のクラウドファ…
  2. クラフトジンの流行にはウイスキーブームが関係している?
  3. ジン好きが厳選!初心者でも楽しめる“国産クラフトジン”おすすめ4選 ジン専門家が厳選!初心者でも楽しめる“国産クラフトジン”おすすめ…
  4. 造り手に聞く – 「酒食堂 虎ノ門蒸留所」と「COMMON ジン」の誕生秘話 造り手に聞く – 東京産のジン「COMMON」と「虎ノ門蒸留所」…
  5. ロンドンドライジンやオールドトムなど…タイプ別ジンの定義まとめ ロンドンドライジンやオールドトムなど…タイプ別ジンの定義まとめ
  6. ジン-ポジウム・ジャパン・取材レポート 国内初の大型ジンイベント「ジン-ポジウム」に潜入!活況ぶりにジン…
  7. クラフト・ジントニックの専門店「Global GIN & TONIC Gallery」が面白い! クラフト・ジントニックの専門店「Global GIN &…
  8. 季の美・ネイビーストレングス ALLGINボトル 季の美・ネイビーストレングスのALLGINボトルが発売!

おすすめ記事

【九州・沖縄版】国産クラフトジン全ブランド一覧 〜 37ブランドの特徴を紹介 【九州・沖縄版】国産クラフトジン全ブランド一覧 〜 37ブランドの特徴を紹介

今や日本各地で造られるようになったクラフトジンですが、その中でも九州・沖縄地方が一大産地となっている…

「YASO GIN」の造り手に聞く - なぜ健康食品メーカーがジンを手がけることになったのか? 「YASO GIN」の造り手に聞く – なぜ健康食品メーカーがジンを手がけることになったのか?

今や100前後のブランドが流通する国産クラフトジンの市場において、発売から1年足らずで品切れが続出す…

【大阪・京都・近畿版】国産クラフトジン全ブランド一覧 〜 15ブランドの特徴を紹介 【大阪・京都・近畿版】国産クラフトジン全ブランド一覧 〜 15ブランドの特徴を紹介

世界に羽ばたくクラフトジンへと成長した「季の美」と「ROKU」は、どちらも近畿地方の府県を産地とする…

人気の記事

  1. あのパーカーポイントが日本酒に!90点以上78銘柄を発表 日本酒版パーカーポイント
  2. ジャパニーズ・クラフトジンが今アツい!話題の4銘柄をご紹介 ジャパニーズ・クラフトジン
  3. 日本でも流行必至!「クラフトジン」の特徴と銘柄まとめ クラフトジンとは?
  4. ウイスキー世界売り上げランキングTOP20 世界ウイスキー売上ランキング
  5. 世界一売れているビールは?2015年世界シェアTOP10を発表! 世界一のビールは?

新着記事

関連記事

PAGE TOP