シャンパンを飲む前にこれだけは知っておきたい基本のこと

シャンパンを飲む前に

みなさんはシャンパンについて、どれくらいのことをご存知でしょうか?
特別な機会で飲まれることが多いお酒なので、そのぶん知る機会が少なかったりしますよね。

そこで本記事では、シャンパンを飲む前に「これだけは知っておきたい」基本的な情報について分かりやすく解説していきます。
これらを知ることで、シャンパンを飲んだことがない方はもちろん、すでに飲まれている方も、さらにおいしくシャンパンを味わうことができます。

シャンパンはスパークリングワインの一種

まずは最も基本的なことから…

「炭酸入りワイン=シャンパン」というイメージがありますが、実はこれは間違いです。

まず、炭酸入りのワインは総称して「スパークリングワイン」と呼ばれます。
そして、スパークリングワインの中で、産地や製法などの細かな規定をクリアしたものだけがシャンパンと呼ぶことが許されます。
つまりシャンパンはスパークリングワインの一種、ということになります。

ちなみに一般的にはシャンパンと呼ばれますが、正式名称はシャンパーニュです。

シャンパンの産地はフランス・シャンパーニュ地方

Rimex-France location Champagne-Ardenne.svg
By Own work, CC BY 3.0, Link

シャンパンの製造が許されるのは、フランスのシャンパーニュ地方だけです。
シャンパーニュ地方で作られているからシャンパーニュ(シャンパン)と呼ぶのですね。

使用できるブドウ品種にも規定があるのですが、一般的にはピノ・ノワール、ピノ・グリエ、シャルドネというブドウ品種をブレンド(混ぜて)して作られています。

スパークリングワインは産地別で呼び名が別れることが多く、スペイン産のカヴァ、イタリア産のスプマンテなどがそれにあたります。

シャンパンの炭酸の秘密

シャンパンは、前述のとおり複数のブドウ品種を使用して作ることが一般的です。
一度(炭酸のない状態の)ワインとして作られたものを、味を調整するためにブレンドするのですが、ここで疑問…

ではシャンパンの炭酸はどうやって生まれているのか?
実はシャンパンの炭酸は、特殊な方法によって生まれています。

それは「瓶内二次発酵」という方法です。
ブレンドしたワインを、出荷用の瓶に詰めるのですが、その一本一本に酵母と糖分も入れて栓をします。
そうすることで、瓶の中で発酵が進むのですね。

発酵では、アルコールと一緒に炭酸(二酸化炭素)も生成されます。
これが密閉状態の瓶内で行われるので、シャンパンに炭酸が生まれているのです。

この瓶内二次発酵という方法は、非常に手間がかかります。
そのため一般的な安いスパークリングワインなどは、大きなタンクで二次発酵をさせたり、後から炭酸ガスを注入するなどして炭酸を与えているものが多いです。

瓶内二次発酵の状態のまま出荷されるわけではなく、その後15ヶ月以上熟成させ、酵母などの沈殿物(オリ)を取り除き液量調整してから出荷されます。

味わいの秘密

シャンパンの味わいは独特で、一般的なスパークリングワインとは少し異なります。

「炭酸が強く、泡がきめ細かい」
「芳醇でコクのある」
「独特の辛口感がある」
などとよく言われます。
かなりざっくりと例えるなら、シャンパンの方が「よりリッチな味わい」と言ったところでしょうか。

もちろん銘柄よって味や特徴は異なるのですが、このように言われているのには、シャンパンなりの秘密があります。

Epernay Champagne Moet Chandon Cave.jpg
By giulio nepi – originally posted to Flickr as Epernay Champagne Moet Chandon Cave, CC BY 2.0, Link

15ヶ月以上の熟成期間

シャンパンは、最低でも15ヶ月以上で熟成させなければいけない、という規定があります。
熟成は瓶内二次発酵の状態、つまり瓶内で酵母が生きたままで行われ、この状態で長期間熟成させることで独特の芳醇さとコクが生まれています。
泡がきめ細かくなるのもこのためとされています。

シャンパーニュ地方のブドウ

シャンパーニュ地方は、ブドウ栽培地としてはかなり北の寒冷地に位置しています。
そのため、収穫されるブドウには糖度が少なく、酸味が強いものが多いとされています。
ワインとしては味はイマイチですが、シャンパンに使用することでその独特の味わいに変化しているのですね。

シャンパンの値段が高い理由

シャンパンは大体4,000円台からスタートし、高いものでは10万円を超えるものもあります。
それに対して一般的なスパークリングワインは1,000円前後でも購入できます。

この値段の違いは、単純にシャンパンの方が作るのが大変だからです。

前述のようにシャンパンでは、厳しい規定のもとで時間をかけて作られています。
独自の製法で手間暇かけて作られているので、それが値段にも反映されているのですね。

ちなみにシャンパンは、厳しい規定のもとで作られている分、銘柄によるハズレが少なく味が安定しているとされています。

ブリュットとは?

Champagne Moet Chandon Imperial Brut

飲食店のメニューや酒屋などで、シャンパンの銘柄名と一緒に、よく「ブリュット」と記載されています。
これには実は意味があり、ブリュットは「辛口」を意味しています。

実はシャンパンは、味の甘辛具合によってタイプが分けられているのです。

  • ドュー:極甘口
  • ドミ・セック:甘口
  • セック:やや甘口
  • エクストラ・セック:やや辛口
  • ブリュット:辛口
  • エクストラブリュット:極辛口

ただし、モエやヴーヴ、ルイロデレールなど、代表的なシャンパン銘柄の主力商品は大半がブリュットのものです。
先ほど、シャンパンは辛口と例えられることが多いと述べましたが、これも関係していると思われます。

まとめ

ここまで参考になりましたでしょうか?
シャンパンについての理解が深まることで、きっとよりおいしくシャンパンを飲めることでしょう。

最後に、ざっくりとまとめると…

  • シャンパンはシャンパーニュ地方で作られたものだけ
  • 瓶内二次発酵で炭酸が生まれている
  • 15ヶ月以上熟成させる
  • 手間暇かけて作られるから値段が高くなる
  • ブリュットは辛口の意味

シャンパンはまだという方は、これを機に飲んでいただけたら嬉しいです。

それではこの辺で失礼します。
以上、「シャンパンを飲む前にこれだけは知っておきたい基本のこと」でした。

主要参考文献:ワインの基礎力70のステップ 石井文月・著/美術出版社

小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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