近年、クラフトジンなどとも呼ばれる、製法や原料などにとりわけこだわった個性派ジン(いわばクラフトビールのジン版)が世界的なブームとなり、日本国内でも盛んに造られるようになりました。
そうした国産クラフトジンは、芋や米などの焼酎や、柚子やお茶の茶葉、生姜、山椒など、なんらかの日本独自の素材を使って造られたものがほとんどです。
でもそもそも、ジンに焼酎や柚子などを使用するとは、どーゆーことなのでしょうか?
ジンは本来どういったお酒で、焼酎や柚子などを使用して造るのはOKなのか、それらを使用するとどうなるのか…
などなど、当記事では簡単にご紹介していきます!
そもそもジンってどんなお酒?
そもそもジンとは、ジュニパーベリーというハーブを軸に、その他数種のボタニカル(ハーブ、スパイス、果皮など)で香りづけされたお酒。
ベースとなるお酒にこれらのボタニカルを加え、蒸留という技術を使うことで香りづけが行われています。
その定義はある意味ではゆるいのが特徴で、基本的にはジュニパーベリーさえ使用すればOK。使用するボタニカルの種類や数はもちろん、そのベースとなるお酒も、基本的には何を使ってもOKです。
他のお酒にはないボタニカル由来の華やかな香りがジンの特徴で、味は基本的に軽快でドライ。
高アルコールのお酒ですが、カクテルの材料としても人気があり、ジントニックやマティーニ、最近人気のネグローニなどに使用されています。
焼酎を使用したジンってどーゆーこと?
先ほど説明したようにジンはジュニパーベリー以外に原料の縛りはなく、基本的に何を使ってもOKです。
そのため多くのジンの場合、ベースとなるお酒には、糖蜜や穀物類などを使った高アルコールのお酒が使用されているのですが、日本のいくつかの(特に焼酎の蔵元が手がける)ジンでは“らしさ”を表現するために、芋や米などの焼酎が使用されているのです。
焼酎のままではアルコール度数が低く、ボタニカルの香りをうまく抽出できないため、蒸留され度数が高められたものがベースに使用されますが、いずれにせよそうしたジンは“焼酎由来のジン”であり、焼酎の風味も感じられる仕上がりとなります。
ボタニカルは何を使用してもOK!個性を出すために日本独自の素材が使われる
ジンは、ボタニカルを何を何種類使ってもOK。
そのため各ジンには、ジュニパーベリー他、レモンやコリアンダーなど趣向を凝らしたボタニカルが、だいたいですが5〜10種前後使用されています。
ベースのお酒にそれを加え香りづけされるわけですから、この時使用されるボタニカルがそのジンの香りを生み出し、各ジンに違いを与えています。
その違いを与えるために多くの日本のジンには、柚子やお茶の茶葉、生姜、山椒などなんらかの日本独自の素材が使用されているわけです。
当然、その仕上がりは、柚子なら柚子など、各素材の香りが活きた和の香りのジンとなります。
日本ならではの素材を使用するから日本人が好むジンとなる
このように、そもそもジンは使用する原料の自由度が高いお酒であり、だからこそ日本独自の素材も使用可能となっているのです。
そしてそうした素材の違いが各ジンの香りや味わいに違いを与えることから、日本のクラフトジンには和の素材がよく使用されているのです。
そうしたジンは海外産のジンと比べ、日本人の舌、日本の食文化にも合う味わいとなっています。
「これまでジンが苦手だった」という方も、日本のジンならそのイメージが覆るかもしれません。
今面白いお酒、国産クラフトジン。味わってみるときっと面白い発見があることでしょう。