ビールには「ラガー」と「エール」という、2つのタイプがあるというのはご存知でしょうか?
なんとなくそのワードを聞いたことがある、という方は多いかもしれません。
しかしこのラガーとエールが一体どういったもので、何が違うのかを知っている方はそう多くありません。
そこで本記事では、ラガーとエールの違いと特徴について迫っていきます。
この両者、全然違う味わいのビールになるので知っておくと良いでしょう。
ラガーとエールの違いは発酵方法
ビールは原料の大麦麦芽(モルト)にホップを加え、これを発酵→貯蔵→瓶詰めという工程で作られます。
ラガーとエールの違いは、この発酵段階での、発酵方法の違いです。
ラガー:下面発酵
エール:上面発酵
で作られます。
なんだかちょっぴり難しそうにも感じますが、仕組みは至ってシンプルですので、説明していきましょう。
まず発酵は、酵母菌が糖分を食べて、それをアルコールと炭酸ガスに分解して外に出すことで行われます。
「菌」ですから、温度が低すぎても高すぎても活動できません。
(基本的には温かい方が菌が活動的になるので、発酵が早く進みます)
この発酵の際の温度設定の違いが、ラガーとエールの違いとも言えます。
【ラガー(下面発酵)】
比較的低温でじっくり時間をかけて発酵させます。
どんどん酵母菌が下に沈んでくるので、下面発酵と呼ばれています。
【エール(上面発酵)】
常温で時間をかけずに発酵させます。
こちらは酵母菌が上に浮いてくるので、上面発酵と呼ばれています。
発酵方法が違うので、当然ながらその特徴も異なります。
ラガーとエール、それぞれの特徴についても見ていきましょう。
他にもラガーとエールでは、それぞれ別種の酵母菌を用いるといった違いもあります。
ラガーの特徴
前述のとおり、ラガー(下面発酵)は低温にてゆっくりと発酵されます。
そのため落ち着いた味わいになりやすく、一般的には雑味のないクリアな味わいで、香りも穏やかになります。
いわゆる淡麗辛口のビールですね。
実は、日本で飲まれているビールのほとんどはこのラガータイプに属し、プレミアムモルツも一番搾りもスーパードライもラガータイプです。
つまり、日本人はよりラガータイプに親しみがあると言えます。
ちなみに一口にラガーと言っても、ラガーの中でもさらにタイプが細分化されます。
最も代表的なタイプがピルスナーで、他にはヘレスやボック、色が黒いデュンケルなどがあります。
しかし、日本で一般的に飲まれているのはピルスナータイプで、プレミアムモルツなど前述したビールは、全てピルスナータイプです。
(ラガー類のピルスナータイプということですね。)
エールの特徴
エール(上面発酵)は、ラガーとは違い、常温にて時間をかけず発酵を行います。
そのためちょっぴり大ぶりな味わいになりやすく、一般的には濃い味わいで苦味は強く、香りはフルーティーになります。
いわゆる芳醇旨口のビールですね。
エールも、ラガー同様にさらにタイプが細分化されます。
最も代表的なタイプが、ペールエールで、他にはIPAやスタウト、小麦を使用したヴァイツェン、ホワイトエールなどがあります。
大手メーカービールではあまり見られないエールですが、クラフトビール(いわゆる地ビール)や海外のビールでは多く見ることができます。
最近ではクラフトビールの流行りとともに、このエールで作られたビールが流行り始めています。
淡麗辛口な日本の大手メーカービール(ラガーのビール)が苦手な方でも、エールビールは苦味のタイプが違うため飲みやすい傾向にあります。
筆者自身、ラガービールは昔からちょっぴり苦手なのですが、エールビールなら好き好んで飲めています。
まとめ
ラガーとエールの特徴についてお分かりいただけたでしょうか?
ざっくりまとめると…
エール(上面発酵):常温でぱぱっと発酵、芳醇旨口
ということです。
どちらが好みかは人それぞれですので、まずは一度両者を飲み比べて見てください。
日本ではラガー(とりわけピルスナー)が主流ですが、だんだんエールの認知とその人気が高まっています。
色々なタイプのビールが、より気軽に飲めるようになればビールが楽しくなりますね。
それではこの辺で。
以上、「ビールのラガーとエールの違いとは?をわかりやすく説明!」でした。