世界で人気のクラフトビール「常陸野ネストビール」を知る

常陸野ネストビールとは

日本で、というより世界で大人気を博している日本発クラフトビールがあります。
それが今回ご紹介する「常陸野ネストビール

近年のクラフトビールブームによって日本でも人気のビールとなりましたが、元々はアメリカなど海外で高い人気を誇っていたビールです。(もちろん今も)
本記事では「常陸野ネストビール」がどのようなクラフトビールなのか、またなぜ海外で人気なのかを綴っていきます。
それでは見ていきましょう。

常陸野ネストビールとは

フクロウのラベルでおなじみ常陸野ネストビールは、茨城県北部の那珂市にある「木内酒造」が造るクラフトビール。
“酒造”という名からイメージする方も多いかもしれませんが、そもそもは日本酒の酒蔵です。

常陸野ネストビールの歩みが始まったのは1996年。
当時日本ではいわゆる「地ビール解禁」により、多くのクラフトブリュワリー(ビール事業者)が誕生したのですが、常陸野ネストビールもその流れの中で誕生したビールということになります。
ただし、このビールブランドには他の多くの地ビールとは異なる特徴があり、それは日本というより海外で人気があるということ

今では世界50カ国で親しまれている一大ブランドとなっており、主要銘柄である「ホワイトエール」や日本らしさを打ち出した「ニッポニア」など多くの銘柄が世界的なビールコンテストで賞を受賞しています。

木内酒造は実はウイスキーも?
実は木内酒造は、2016年に「額田蒸留所」としてウイスキーの生産も始めました。
完成品がリリースされるのは2〜3年後になると思われますが、ウイスキー業界でも注目度が高く、今後が楽しみです。

“フクロウのビール”はなぜ世界で人気なのか?

前述のように常陸野ネストビールは海外で高い人気を誇るビールブランド。
2016年時点でなんと全生産量の7割が海外に輸出しているとされ(参考記事)、例えばクラフトビールブームを先行するアメリカでは、大手ビールよりむしろ常陸野ネストビールの方がよく目にすると言われています。

なぜそこまで常陸野ネストビールは世界で人気を集めているのか?
気になるところですが、考えられる理由はいつかあり、例えば…

  • 味わいの良さ。
  • フクロウのラベル。
  • いち早く海外をメイン市場に。

これらがよく語られるポイント。
例えば味わいの良さは、主要なビールコンテストでの受賞歴が約50もあることからもわかるのですが、「フクロウのラベル」というのは意外と要因としては大きいかもしれません。

フクロウのビールというイメージ

ビールに限らず全てのお酒に言えることですが、いくら美味しくても名前やラベルを覚えてもらえなくては意味がありません。
その点常陸野ネストビールは、フクロウのラベルがなんともキャッチーで覚えやすく、名前を覚えられなくても「フクロウのビール」として認識しているため、「あのフクロウのビールちょうだい」とリピートする方も多いのだとか。

いち早く海外をターゲットに

その他にも人気の要因として大きいのは、いち早く海外に目をつけていたこと。
地ビールブームの中で誕生した常陸野ネストビールですが、他の多くのブリュワリーが国内市場をターゲットにしていたところ、最初から海外をターゲットに定め、輸出していたため普及が進んでいるのです。

主要銘柄をご紹介

常陸野ネストビールについてざっくりわかったところで、次に知りたいのがどんな銘柄があるのか。
主要銘柄について少しだけご紹介していきます。

ホワイトエール

常陸野ネストビールのフラッグシップ的な銘柄がこのホワイトエール。
ベルジャンホワイトとも呼ばれるエールタイプのビールスタイルで、大麦麦芽だけでなく小麦も原料に使用し、さらにコリアンダーやオレンジピールも加えています。
苦味を感じず、爽やかな香りとフルーティーな味わいで女性にも人気のビールです。

ニッポニア

常陸野ネストビールの中でも日本らしさ溢れるのが「ニッポニア」
海外の大麦を使用することが一般的のビール界において、日本産の大麦「金子ゴールデン」を使用し、同じく日本で栽培されていたホップ「ソラチエース」を使用した個性あふれるビールです。

エスプレッソスタウト

上記銘柄ほど取り上げられることは多くはないのですが、このエスプレッソスタウトも人気があります。
スタウトタイプのビール(いわゆる黒ビール)に、名前のイメージどおりコーヒー豆を加えた変わり種のビールで、国際コンテストで多くの賞を受賞しています。
コーヒーのような香りと苦味があり、飲みごたえがあります。

直営レストランが都内にも

常陸野ネストビールを手がける木内酒造は、拠点のある茨城だけでなくサンフランシスコや上海、そして都内にも直営のレストラン(ビアバー)があります。

都内には東京駅と秋葉原に2店舗あり、いずれも常陸野ネストビールのタップビール(樽詰めビール)を味わうことができます。
タップビールを味わってみたい方にはぜひおすすめです。

まとめ

ここまで常陸野ネストビールについて、基本情報や海外で人気の理由について解説してきました。

最後にざっくりとまとめると…

  • 常陸野ネストビールは茨城の木内酒造が手がけている。
  • 海外で特に人気があり、世界50カ国で販売されている。
  • 人気の理由は味の良さだけでなく”フクロウのビール”というイメージ。

クラフトビールは、アメリカでは今や”クラフトビールが主役”とも言われるほど、ビール市場で存在感を示しており、文化が違いがあるとはいえ、日本でも今よりさらに普及していくものと思われます。
そのなかで常陸野ネストビールの存在感が増していくのも間違いないでしょう。

まだ味わったことがない方は是非味わってみてください。
それではこの辺で。

こちらの記事もおすすめ。
日本のクラフトビール(地ビール)・おすすめ8銘柄
誤解されやすい「生ビールと普通のビールの違い」について

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【参考文献】
【New York】茨城の地ビール「常陸野ネスト」が全米で売れるワケ|日経トレンディ

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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