年末年始は嫌が応にもお酒の量が増えます。
そうなると心配されるのが「二日酔い」
二日酔いは多くの日本人にとって身近であり、誰しもが避けたいもの。
LiquorPageでは、二日酔いについてすでにいくつかの予防法や対策をご紹介していますが、本記事では「食事を摂りながら飲むことの大切さ」について、信頼できる文献を元にご紹介していきます。
あまり知られていませんが、二日酔いの有力な原因の一つとされる「低血糖状態」を防ぐためにも、食事を摂りながらの飲酒はとても大切です。
それでは見ていきましょう。
二日酔いの有力な原因の一つ「低血糖」
空腹での飲酒は、血中アルコール濃度を急激にあげる恐れがある、というのはよく知られた話。
胃の中が空っぽだとアルコールが急速に吸収されてしまい、分解が追いつかず、悪酔いやアルコール中毒を招く恐れがあるからです。
しかし食事を摂るべき理由はそれだけでありません。
あまり知られていませんが、実は二日酔いの有力な原因の一つに「低血糖状態」があり、それは食事と深く関係しているのです。
まずそもそも、二日酔いの原因については驚くほど研究が進んでおらず、アルコールと健康についての論文を多数発表している疫学者のジョナサン・ハウランド氏の言葉を借りれば「何が二日酔いを起こすのか誰も知らない」状態です。
しかしその中でもいくつか有力な説、少なくとも二日酔いと相関が見られる説が出ており、その一つが「低血糖状態」というわけです。
低血糖状態と二日酔いの関係については「酒の科学・白揚社 著アダム・ロジャース」や厚生労働省のサイト「e-ヘルスネット」でも見解が一致しており、有力だと言えます。
では、この低血糖状態と二日酔いはどのように関係しているのでしょうか?
本記事のテーマでもある「食事」との関係についても見ていきましょう。
低血糖はお酒の飲み過ぎや食事量が少ないことで陥りやすい
低血糖状態とは、その名のとおり血糖値が異常に下がってしまっている状態です。
低血糖状態に陥ると、頭痛やだるさ、集中力の低下などを引き起こすとされ、奇遇にも二日酔いの症状とほぼ一致しています。
要するに、二日酔いの症状の一部は、低血糖状態からいきているかもしれないというわけです。
実はお酒を飲んでいるとき、この低血糖状態に陥りやすいとされているのです。
e-ヘルスネットによれば、お酒を飲みすぎると、ホルモンバランスが崩れ低血糖状態に陥りやすくなるとあります。
それだけではなく、国立糖尿病情報センターによれば、低血糖状態は食事の量(特に炭水化物)が少ないことでも陥りやすくなるとされています。
飲酒の際は食欲が増す人がほとんどですが、太らないよう気をつかうあまり、なるべく食事を控えながら飲もうとする人も少なくありません。
しかもその際、真っ先に控えられるのがよりによって炭水化物です。
つまり、そもそも飲酒によって低血糖状態に陥りやすいのにも関わらず、人によっては飲酒の際食事を控え、しかも炭水化物を積極的に控えようとする人も少なくないため、低血糖状態がさらに身近になってしまう、というわけです。
二日酔い予防のためにも食事はしっかり摂りながらお酒を飲む
ここまで分かれば、お酒を飲む際にしっかり食事も摂ることの大切さがお分かりいただけたでしょう。
なお、ここまでは低血糖に重きを置きましたが、食事をしっかり摂れば、その後の代謝が上がり、アルコールの分解プロセスで力を発揮することができます。
それだけでなく、口寂しさがなくなるため単純に飲み過ぎを防ぐこともできます。
以上の理由から、食事を摂りながらお酒を飲むことで、低血糖を防ぎ、ひいては二日酔いの予防にもつながります。
なので、二日酔いの避けたいのであれば、しっかり食事も摂るべきなのです。
たしかに太らないように気をつかってしまうかもしれませんが、二日酔いが懸念される飲み会は週に1回あるかないかでしょう。
たった週1回普段よりも食事を摂ったところで、大きな影響があるとは思えませんし、お酒を飲まない日に適切な食事を摂れば問題ないのでは、と筆者は思います。
まとめ
最後に、本記事についてざっくりまとめると…
- 低血糖状態は二日酔いの有力な原因の一つでお酒を飲みすぎるとなりやすい。
- 食事量、特に炭水化物量が少ないことでも低血糖状態に陥りやすい。
- 炭水化物を控えず、しっかり食事しながら飲むことで二日酔いの予防につながる。
二日酔いはなってからでは遅く、特効薬は存在しないため、治るまでツラい状態を我慢しなければなりません。
それを避けるためには予防に力を入れる他ありません。
二日酔いになってから後悔しないためにも、適切な対策はしておいた方が良いでしょう。
そもそも飲みすぎなければ良い話なのですが…