ジンは二日酔いしにくいお酒?その魅力は香りだけじゃない

ジンは二日酔いしにくいお酒?

世界的なブームを皮切りに日本でも確実に流行してきているジン。
ジンといえば、ジュニパーベリーを主体として各種ボタニカルによる、ハーバル、スパイシー、ときにフルーティーで華やかな香りが魅力です。

特に「クラフトジン」と呼ばれる少量生産のこだわり派のジンは、香りも含めた個性の幅が広く、現代人の嗜好にマッチしていることから、今のジンブームを牽引しています。

そんなジンですが、魅力は香りだけではありません。
実は「二日酔いしにくいお酒」ともされているのです。

「お酒は飲みたいけど二日酔いが是が非でも避けたい」そう思っている方が多いことから、二日酔いしにくいだけでも魅力度はグンと増すでしょう。
本記事では、アルコール40度以上の蒸留酒であるジンが、なぜ二日酔いしにくいのか、解説していきます。

ジンとは
ベースのスピリッツに、ハーブや果皮、スパイスなどの「ボタニカル」を数種加え風味づけされたお酒。
規定上ジュニパーベリーは必須だが、他ボタニカルのレシピは自由。

コンジナーが多く、色が濃いお酒ほど二日酔いしやすくなる

お酒について科学的な視点から記された書籍「酒の科学|白揚社 著アダム・ロジャース」によれば、現在「二日酔いの原因」については解明されていないとしながらも、いくつか二日酔いを招きやすい考えられるテーマがあるとしています。

その代表例の一つが「コンジナー量が多いお酒ほど二日酔いを招きやすい」というもの。
コンジナーとは、お酒の中に含まれる水とアルコール以外の物質・成分。要するに不純物のこと。
不純物というとネガティブに捉えられがちですが、コンジナーは味を構成する重要な成分でもあるため、さすがにこれをゼロにすることはできません。

とはいえ、コンジナーの量や種類によっては、酔い方にあまり良くない影響を与えているとされているのです。

二日酔いしやすいとされる赤ワイン。実はその色も関係している?

二日酔いしやすいとされる赤ワイン。実はその色も関係している?

例えば、ブランデーや赤ワインなどは二日酔いしやすいとされていますが、これらのお酒は「コンジナーの量が多いお酒」でもあります。
ブランデーや赤ワインの他にも、ラムやバーボンも比較的二日酔いを招きやすいとされていますが、これらのお酒には共通しているポイントがあります。
そうお酒の色が濃いのです。

実はお酒に色を与えている成分こそコンジナーであり、同書籍によれば、色が濃いお酒ほど二日酔いしやすいと考えられているのです。

ジンは無色透明でコンジナーが少ないお酒、だから二日酔いしにくい

コンジナーが多く、色が濃いお酒が二日酔いしやすいのであれば、逆に、コンジナーが少なく、色が透明なお酒が二日酔いしにくいということになります。

実際に、これらの条件を満たすお酒の代表格であるウォッカは、二日酔いしにくいとされるお酒の代表格でもあります。

ではジンはどうでしょうか?
ジンは香りは強いものの、味はドライで、何より色は無色透明が基本です。
ボタニカルは事前に漬け込み、その後蒸留されるので、出来上がるお酒は色が透明になり、コンジナーの量が少なくなるのです。

よってジンは、有色のお酒に比べて「二日酔いしにくい」と考えられているのです。

ジンは無色透明が基本。

ジンは無色透明が基本。

ちなみに、「酒の科学」では、二日酔いの重症度順にお酒をランク付けした研究について記されており、それを見ても、ジンは二日酔いしにくいお酒とされています。

二日酔いの重症度ランキング

  1. ブランデー
  2. 赤ワイン
  3. ラム
  4. ウイスキー
  5. 白ワイン
  6. ジン
  7. ウォッカ

このようにウォッカに次いで二日酔いしにくいとされています。

実際に二日酔いしなかったという声も

では、実際のところどうなのかもみてみましょう。
筆者は、当サイトでジンに力を入れていることや、個人的に面白いと思っていることもあり、ここ最近はジンばかり飲んでいます。

あくまで個人的な感想にはなりますが、やはり二日酔いしにくい、もしくは症状が軽いと感じています。
少なくとも赤ワインを浴びるように飲んだ日や、ウイスキーを浴びるように飲んだ日と比べ、二日酔いは全然軽いと感じています。

他にも、筆者は知人にジンを薦めており、たくさんのジンを飲んでもらう機会も多いのですが、「次の日全然残ってなくて驚いた」と言われたこともあります。

もちろんこれらの事例を「ジンのおかげ」とするのは早計ですが、あながち間違いではないように思います。

まとめ

最後に、ジンが二日酔いしにくいお酒である理由についてまとめると…

コンジナー量が少なく、色が透明なお酒ほど二日酔いしにくいとされ、ジンはその条件を満たしているから二日酔いしにくいと考えられている。
実際にそういった声も耳にする。

やはりジンの魅力は、他のお酒にはない華やかな香りにあります。
とはいえ、なんだかんだ二日酔いは怖いものであり、避けられる可能性が高いのであれば、それは大きな魅力と言えるでしょう。

【参考文献】
酒の科学|白揚社 著アダム・ロジャース

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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