「これはジンじゃない」の一言から見直されたジンとしての装い
– 開発時期の印象的なエピソードなど何かあればお聞きしても良いですか?
仲里:バーテンダーの方の意見も特に参考にしたいと思い、夜な夜なバーに伺いアドバイスを頂戴しながら開発を進めていきました。そのなかで大阪のジン専門バー“BAR JUNIPER”の瀬川さんに、「(泡盛が強すぎて)これじゃジンじゃない」と意見を頂戴した時はショックでした。
泡盛の感じ方については、その関わり方の違いで専門家でもかなり相違があり、香りや味わいの評価が分かれてしまうんです。でも私達が造るのは何か?「ジン」なんです。瀬川さんの言葉には改めて大事なことを気づかされました。
それで、ジンである以上、ジュニパーの香りは大事だという考えから他社製のジンも含めて成分分析を行いまして、どの条件でジュニパー感が出てくるかなど、科学的アプローチと官能評価の両軸で精査していきました。
おかげさまでジンらしいジュニパー感を与えることができ、今では大変感謝しています。
実は今でも、バーテンダーさんなどの意見も頂きながら、バッチ(ロット)ごとに少しずつアップデートを重ねているんですよ。
– このジンを通して伝えたいことなど何かありますか?
仲里:ORI-GiNを飲んでいただき、沖縄の小さな蔵元である瑞穂酒造を少しでも知っていただきたいですね。小さな蔵元ですが、誰よりも酒造りを楽しんでいるという自負があります。それを少しでも感じ取ってもらえたら嬉しいです。
– 今後の目標や活動などお聞かせください。
仲里:今年も沖縄の農家さんが造るイチゴを使ったストロベリージンなど季節商品も展開していきます。
それから、2019年より、沖縄や日本の素材を活かした新たな商品としてビターズも手がけていまして、2020年2月14日には製品をリリース予定です。
その他、「尚(しょう)」という、今までの常識を覆す新しい泡盛のプロジェクトを始めていますのでぜひこちらも知っていただきたいですね。
こうしたお酒を通じて瑞穂酒造をまずは知ってもらい、そして奥深い泡盛の世界の魅力をお伝えできればと思います。
– それでは最後に、ORI-GiNの開発を手がけた仲里さんにとって“ジンとは何”でしょうか?
仲里:「出会い」のお酒です。ORI-GiNは多くの皆さまのお力添えで出来たジン。このジンをとおして多くの方と出会うことが出来ました。
開発中には世界的な酒類の専門家のフィリップ・ダフさんに出会いまして、彼に評価をいただいた上でORI-GiNというネーミングもしていただいているのですが、そういった方やバー業界の方たち、農家の方々など、ジンを造ることにならなければ出会う事はできなかったと思います。
– インタビューへのご協力、ありがとうございました!
一人のお酒好きが生み出した沖縄発世界行きのジン
「ジンは出会いのお酒」と仲里さんが語るように、様々な人や素材と出会いながら誕生したORI-GiN 1848。
その誕生の裏には一人のお酒好きの存在があり、170周年の記念に敢えて、世界共通酒とも言えるジンを手がけることで、世界への道を開き、ジンをとおして自社や沖縄に興味を持ってもらい、根幹である泡盛を知ってもらいたいという思いが込められていました。
そんなORI-GiNの、トロピカル&リッチなフレーバーながらもジンらしい装いも重視された味わいは、世界的な酒品評会であるIWSCにて銅賞を受賞し、泡盛ベースのジンでも、ひいては和酒の造り手によるジンでも世界で通用することを証明して見せました。
まだ、ORI-GiN未体験の方は、ぜひ一度味わってみては?
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