日本初のジンのブランドハウス「季の美ハウス」訪問レポート

日本初のジンのブランドハウス「季の美ハウス」訪問レポート

国産クラフトジンのパイオニアであり、今や世界でも高い評価を獲得している京都発のジン「季の美」。
そんな季の美の特徴や世界観が表現された施設として、2020年6月に「季の美ハウス(House of KI NO BI)」が京都市にオープンしました。
今回はその季の美ハウスを訪問し、同施設のマネージャーである佐久間雅志さん(通称マーシーさん)に案内いただきながら、館内を体験してきました。

限定ボトルなどの販売を行う「お店の間」、カジュアルにジンを楽しみ、充実した食事も堪能できる「季の美の間」

京都の繁華街から徒歩圏内、京都市役所近くに立つ季の美ハウスは、100年以上の歴史を持つ町家を改装した2F建の施設。
京都の「一澤信三郎帆布」製ののれんを潜るとまず目に入るのが、西陣織で知られる「細尾」が手掛けたというテキスタイル。季の美ハウスは、京都で長く続く“クラフト”の担い手とコラボレーションしながら京都らしさ、ひいては季の美らしさを表現しているのだとか。

施設内はエリア分けがされており、1Fにはボトルやグッズなどが販売される「お店の間」、季の美の各ボトルやカクテル、料理が提供される「季の美の間」があります。
そして2Fには、季の美に関連する展示が並ぶ「展示の間」、ブレンド体験など各種セミナーが実施される「混和の間」があります。

案内いただいた佐久間雅志さん(通称マーシーさん)は、元々京都蒸溜所で季の美の蒸溜を手掛けていた

案内いただいた佐久間雅志さん(通称マーシーさん)は、元々京都蒸溜所で季の美の蒸溜を手掛けていた

1Fの「お店の間」では、季の美のグラスやTシャツ、ピンバッチなどのグッズのほか、季の美の各ボトルも販売されています。中でも注目すべきは「季の美 ハウスジン」。季の美ハウスだけで販売される限定ボトルで、レギュラーボトルの季の美の原酒をベースに、この施設の井戸水で加水(度数調整)を行い、アルコール43度(レギュラーボトルは45度)でボトリング。どうやら季の美ハウスがある中京区清水町は、その名にもあるように元来水がとても綺麗な地域で、その水は御所に献上されていたのだとか。
水と度数を変えただけとはいえ、レギュラーの季の美とは仕上がりの印象が異なり、「季の美は繊細さが一つの特徴ですが、ハウスジンはさらに柔らかい印象です。ジンに慣れてない方もエントリーしやすいと思います」とマーシーさんは語ります。

季の美ハウス限定のボトル「季の美 ハウスジン」

季の美ハウス限定のボトル「季の美 ハウスジン」

1Fの奥はカウンターと客席が並ぶ「季の美の間」。
こちらは前述したハウスジンの他、季の美の各ボトルのテイスティングセットや、季の美を使ったマティーニなどのカクテルが提供されてます。定番の飲み方であるジン&トニックは、ミキサーのトニックウォーターが別添えで、フィーバーツリーなど数種類の中から選べるようになっており、季の美に関連したガーニッシュ(付け合わせ)も自分でカスタムできるように。その他、季の美に使用した「堀井七茗園」の玉露茶などもオンメニューされています。
「ジンをもっとカジュアルに飲んで欲しいという思い」があるとマーシーさんは言います。

季の美を使ったマティーニ

季の美を使ったマティーニ

また、食事も充実しており、季の美のボタニカルを使用した6種類のディップソースは、京おばんざいや京都産のハムやベーコン、バゲットとともに楽しむことができるそう。ランチ利用もできそうです。

※食事メニューに関しては、新型コロナウイルス対策として一部縮小中とのことです。
季の美ハウスの1F「季の美の間」

季の美ハウス1Fの「季の美の間」

京都蒸溜所のものと同じCarl社の蒸溜器、昔使われていたものを展示するために買い取ったのだとか、季の美に使われている2基の蒸溜器のうちの片方のモデルにそっくり

京都蒸溜所のものと同じCarl社の蒸溜器、昔使われていたものを展示するために買い取ったのだとか、季の美に使われている2基の蒸溜器のうちの片方のモデルにそっくり

季の美の世界観をより理解できる「展示の間」と「混和の間」

展示されているCarl社の蒸溜器を囲む階段を登った先にあるのは「展示の間」。
季の美に使用されているボタニカルの標本が展示されてあるほか、それらの香りを抽出したスプレーも置かれ、実際に香りを確かめることもできます。
また壁面には、各ボタニカルの産地の地図や、季の美がどのように製造されているのか、ジンに詳しくなくとも分かるようにその過程が展示されています。

※ボタニカルのスプレーは、新型コロナウイルス対策として現在撤去中とのことです。
「展示の間」のボタニカルマップ

「展示の間」のボタニカルマップ

ボタニカルの展示と、それらの香りを確認できるスプレー

ボタニカルの展示と、それらの香りを確認できるスプレー

一方でその奥には、セミナーが実施されるという「混和の間」が。
こちらのフロアでは、季の美を構成する6つの原酒を用いた予約制のテイスティングセミナーが実施されるそう。また、フロアには製品には使っていない金木犀やほうじ茶、キンカンなど、季の美に使われていない原酒も展示されており、それらも用いたブレンド体験セミナーも企画中だそう。もちろん講師によるアドバイスもあるそうで、自分でブレンドしたボトルは持ち帰りができるように企画しているとのことです。
マーシーさん曰く「ブレンドは季の美の大きな特徴の一つです。その体験を通してブレンドって巧妙だなとか、だから美味しくなるのか、などと感じてもらえれば良いなと思います」と言います。

季の美ハウス2Fの「混和の間」

季の美ハウス2Fの「混和の間」

そのほかイベントについては、バーカウンターがあることから、ゲストバーテンダーを呼んで特別なカクテルを提供したりなど、様々な催しを企画していくそうです。

ジンに詳しくなくとも楽しめる「季の美ハウス」

京都の繁華街から徒歩圏内、河原町通り沿いにある季の美ハウス。
もちろん入場料などはなく、充実した季の美カクテルや食事メニューを楽しんだりなど、カジュアルな利用もできそうです。
また、ジンに詳しくなくとも楽しめる展示などコンテンツは充実しているほか、限定ボトルの販売やテイスティングセミナーなどジンラバーもしっかり楽しめるのは魅力的です。
季の美ハウス目当てに京都に行くのもよし、京都観光のついでに季の美ハウスに行くのも良いでしょう。

詳細

季の美ハウス(The House of KI NO BI)
住所:〒604-0911 京都市中京区河原町通二条上る清水町358   
アクセス:地下鉄東西線 京都市役所前駅 徒歩5分
電話番号:075-223-0457
営業時間:火~日 12:00~21:00(月曜定休/終日禁煙)
*駐車場なし
Facebook:@houseknb / Instagram:@hokinobi / Twitter:@houseknb
京都蒸溜所HP:https://kyotodistillery.jp/

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著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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