フレッシュなテキーラ?「サウザ」の魅力と、プロが教える美味しい飲み方

フレッシュなテキーラ?「サウザ」の魅力と、プロが教える美味しい飲み方

普段何気なく飲んでいるお酒も、それがどんなお酒なのか、知ることでまた違った楽しみ方を発見できたりするもの。
今回ご紹介するのは、メキシコの美酒テキーラの中でも、王道とも言えるブランド「サウザ」です。
お酒を嗜む方ならきっとその名を聞いたことがあるであろう、日本でも特に有名なテキーラブランドですが、それがどんなテキーラなのか、知らない方も少なくないでしょう。
そこで今回は、サウザの歴史に触れながら、独自の魅力と、プロが教える美味しい飲み方をご紹介します。

テキーラ界のきっての名門一族が創りあげた「サウザ」

日本でも多くのお店で扱われ、カジュアルな価格帯から多様な層に親しまれているサウザですが、実はテキーラ業界きっての濃い歴史を有しています。
創業者“ドン”セノビオ・サウザが、1873年にメキシコ・ハリスコ州のとある蒸溜所を取得したことから始まったサウザの歴史。
実は創業者は、歴史上初めてテキーラを輸出した人物。世界の一流のお酒と同じ地位にテキーラもなるべきという思いから、創業年の1873年に、アメリカに自社のテキーラを紹介したとされ、故に「テキーラの父」とも称されています。
そして2代目の“ドン”エラディオ・サウザは、ヨーロッパに初めてテキーラを上陸させた人物。しかし、その知名度の上昇によって、世界各地でテキーラの模造品が出回るようになってしまいました。
これに危機感を覚え、行動に移したのが3代目の“ドン”フランシスコ・ハビエル・サウザ。テキーラの文化と品質を守るべく、メキシコ政府に働きかけると、1974年にテキーラの原産地呼称が認められることになりました。

サウザの蒸溜所「カサ・サウザ」

サウザの蒸溜所「カサ・サウザ」

こうした業界の先駆者であり、功労者でもある一族が創りあげたのがサウザブランドなのです。
今ではサウザは、サントリーの子会社であるビーム・サントリー社が所有し、世界でもトップクラスの売上を誇る“テキーラの王道”として、地位を確立させています。

サウザ ブルー

現在のフラッグシップブランド「サウザ ブルー」

独自製法によるフレッシュな味わい

さて、名声の裏には創業一族の果敢な挑戦があったサウザですが、その中身の特徴はどんなところにあるのでしょうか?
実はサウザは、革新的な製法で造られています。
多肉植物のアガベを主原料とするテキーラですが、通常だとアガベは加熱してから搾汁し、次の工程へ進めます。しかしサウザでは、加熱前のフレッシュの状態でアガベを搾汁。この独自製法によって、その仕上がりもフレッシュで透明感のある味わいとなっているのは、サウザの大きな特徴です。

フレッシュなアガベジュース

フレッシュなアガベジュース

また、アガベの処理には、ディフューザーと呼ばれる革新的な設備を使用。これにより、ガスや水などの資源の利用を削減することができ、残留物はリサイクルさせるなど、環境に配慮した、いわゆる“サスティナブル”な取り組みも行なっています。
その他にも、アガベの栽培にあたり、ドローンを駆使したスマート農業も導入。こうした革新的な取り組みは、生産効率だけでなく、従業員の労働環境を良くするためでもあるとされ、サウザ社は、テキーラへのこだわりはもちろん、その製造に携わるスタッフ思いでもあるのです。(サウザ社は、Great Place to Work®の 「働きがいのある会社」 ランキング2018/メキシコで第2位に選出)

サウザ社のアガベ畑

サウザ社のアガベ畑

プロに聞く、サウザのオススメの飲み方と一押しカクテル

今現在のサウザのフラッグシップは、“100%アガベテキーラ”である「サウザ ブルー」。
アガベを51%以上使用していればOKのテキーラにあって、100%アガベで造られるテキーラは少々値段が高くなりがちですが、前述した技術革新の甲斐もあって、カジュアルな値段で楽しめる、ビギナーにもオススメのテキーラです。
今回はこのサウザ ブルーのオススメの飲み方とカクテルを、同ブランドへの造詣が深い高橋卓志さん(Bar rug/神戸市)に教えていただきました。

Bar rugの高橋卓志さん

Bar rug/神戸市のオーナーバーテンダー・高橋卓志さん

「サウザ ブルーは華やかな香りが特徴的」と話す高橋さんがまずオススメするのが、シンプルなソーダ割り。
「レモンやライムを加えずにシンプルにソーダで割るだけで、驚くほど食事にも合い、新しい食中酒として定着すると確信しています。お家でもぜひお試しいただきたいですね」と高橋さん。
セロリや胡瓜など、冷蔵庫にある野菜をスティックとして加えてみるのも良いそうで、サウザブルーの持つアガベ由来の香りをさらに引き出す事ができるのだとか。
気軽にアレンジできることも、ソーダ割りをオススメする理由とのことです。

サウザ ブルーのソーダ割り

サウザ ブルーのソーダ割り、割合はお好みで

もう少しこだわりたいなら、世界では大人気のテキーラカクテル「パロマ」もオススメだそう。
柑橘の爽やかな香りと、炭酸と塩による爽快感を味わえる低アルコールカクテルで、その絶妙に爽やかな味わいは飲み手を選ばず、誰でも楽しむことができます。
バーなどお店で楽しむのはもちろん、比較的気軽に作れるので“おうちカクテル”としても良さそうです。

サウザブルーのパロマ

高橋さんに作っていただいたサウザ ブルーのパロマ
[レシピ] サウザ ブルー シルバー30ml、グレープフルーツジュース40ml、ライム5ml、アガべシロップ1tsp、宮古島の雪塩少々、以上をシェークしてグラスに注ぎソーダで満たし、グレープフルーツピールを添えて完成 ※トニックウォーターを使う場合もあり

日本ではまだまだショット飲みのイメージがあるテキーラですが、飲み方を変えるだけで、また違った表情を見せてくれるお酒でもあります。
特にサウザ ブルーは、カクテルのベースとしても最適。
ソーダ割りやカクテルなどで味わってみることで、新たな楽しみを見つけられるかもしれません。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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