世界にはどれほどの高額なウイスキーがあるのか。
ウイスキーを飲まれる方なら一度は気になったことがあるでしょう。
ワインと同じように歴史が長く世界中に愛好家がいるウイスキーには、目を疑うような高額なものがたくさんあります。
とうわけで本記事では、世界の高額ウイスキーランキング上位10銘柄をご紹介していきます。
世界で一番値段が高いウイスキーは何なのでしょうか?
ランキングの出典:The World’s Top 25 Most Expensive Whiskies|Wine-Sercher
ランキングの概要
本記事は「wine-searcher(ワインサーチャー)」発表のランキングを元に作成しています。
wine-sercherはニュージーランドに拠点をおく世界最大級のワイン検索サイト(ワインがメインだが他も扱う)で、世界85,670店舗の価格表のデータが登録されています。
vinepairによればアメリカで最も影響力が強いワインサイトにも選ばれています。
- データは2017年8月6日時点のもの
- 現在市場に出回っているもののみが対象
- 値段は市場に出回っているものの平均価格
※出典元のランキングはリアルタイム更新のため今後順位が入れ替わる可能性があります。
世界高額ウイスキーランキング・上位10銘柄
それでは高額ウイスキーランキング上位銘柄を、10位からまず見ていきましょう。
10. ザ・マッカラン ファイン&レア
産地:スコットランド(スペイサイド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー
英語名:The Macallan Fine & Rare Vintage
マッカランは日本でもシングルモルトの定番として高い人気を誇る銘柄。
ファイン&レアシリーズは、マッカランの中でも特に優れた樽を厳選してボトリングしたシングルカスク(単一の樽からボトリングの意)シリーズです。
数量限定かつほとんどが長期熟成品であるため、とても高額でウイスキーマニアのコレクターアイテムとなっています。
瓶詰め年、熟成年数などによって様々なバリュエーションがあるため価格はまちまちで、最も安い年で約87万円、最も高い年で約440万円となっています。
9. ザ・グレンリベット 50年・ウィンチェスターコレクション
産地:スコットランド(スペイサイド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー
英語名:The Glenlivet ‘The Winchester Collection’ 50 Year Old
シングルモルトとして、グレンフィディックを抜き売上世界一になったグレンリベット。(2015年集計、ユーロモニターより)
ザ・グレンリベット50年・ウィンチェスターコレクションは、現在のマスターディスティラーであるアラン・ウィンチェスター氏に敬意を評してその名がつけられています。
いくつか瓶詰め年が異なるものが出回っており1967年、1964年などが市場に出ています。(日本にはありません)
いずれも限定100本生産です。
⇒ウイスキー世界売り上げランキングTOP20
8. グレンフィディック 50年
産地:スコットランド(スペイサイド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー
英語名:Glenfiddich ‘Rare Collection’ 50 Year Old
グレンフィディックは、長年シングルモルトとして世界一の売り上げを誇った銘柄。
2015年にその座をグレンリベットに譲ったものの、依然として高い人気を誇り、ここ日本ではシングルモルトの入門用として人気を得ています。
グレンフィディック50年は90年代に瓶詰めされたものと近年瓶詰めされたものが出回っており、それぞれボトルが異なります。
7. ジョニーウォーカー・ブルーラベル 1805
産地:スコットランド
ジャンル:ブレンデッドウイスキー
英語名:Johnnie Walker 1805 The Celebration Blue Label
日本でもとても有名なジョニーウォーカーは、世界一売れているスコッチウイスキー銘柄でもあります。
ブルーラベル1805は通常のブルーラベルとは異なり、200周年記念ボトルで、中身は45〜70年のウイスキーがブレンドされています。
TOP10に入った銘柄の中では、唯一のブレンデッドウイスキーです。
6. ゴードン&マクファイル モートラック 75年
産地:スコットランド(スペイサイド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー(ボトラーズ)
英語名:Gordon & MacPhail Generations Mortlach 75 Years Old
こちらはモートラック蒸留所のシングルモルトではありますが、蒸留所公式のボトルではなく、ボトラーズブランドと呼ばれるもの。
ボトラーズとは瓶詰め業者のことで、原酒を買い取って独自のブレンドでボトリングするメーカーのことです。
ワインでいうならネゴシアンのようなものです。
モートラックにはもちろんオフィシャルボトル(ボトラーズではなく蒸留所がリリースするボトル)もありますが、ほとんどがジョニーウォーカーの原酒として使用されるため流通量は少なめです。
5. ザ・バルヴェニー 50年
産地:スコットランド(スペイサイド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー
英語名:The Balvenie 50 Year Old
バルヴェニーはグレンフィディックの兄妹的蒸留所で、蒸留所はグレンフィディックの隣に位置しており、創設者も同じ、現在の所有企業もともにウィリアムグラント&サンズとなっています。
最上級品である50年は、異なる瓶詰め年のものが流通しているためボトルデザインなども異なるのですが、値段は300〜400万円台となっています。
数年前は2014年瓶詰めのものなど約600万円で売られていたあったので、これでも価格は下がった方です。
4. ザ・マッカラン・ラリックⅥ 65年
産地:スコットランド(スペイサイド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー
英語名:The Macallan Lalique VI 65 Year Old
ここから価格がかなり上がります。
10位にも登場したマッカランですが、こちらのラリックシリーズはフランスのクリスタルブランド・ラリックとのコラボシリーズ。
ラリックはバカラと並び有名な高級クリスタルブランドで、当シリーズでは同ブランドのデキャンタを使用しています。
この手のものはデキャンタ(ボトル)に価値が集中しがちですが、こちらは65年熟成と歴代マッカランのなかでも最長クラスの熟成年数となっています。
3. ザ・マッカラン・ラリック 62年
産地:スコットランド(スペイサイド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー
英語名:The Macallan Lalique 62 Year Old
4位に続き、3位のランクインしたのもマッカランのラリックシリーズ。
こちらの中身は62年以上熟成させたものが瓶詰めされています。
なおマッカランのラリックシリーズは全6種あり、いずれも50年以上の長期熟成なおかつ超高額ウイスキーとなっています。
2. ザ・マッカラン・ラリック 57年
産地:スコットランド(スペイサイド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー
英語名:The Macallan Lalique 57 Year Old
4、3位に続きまたもや2位もマッカランのラリックシリーズ。
まるで香水瓶のようなラグジュアリーで美しいラリック製デキャンタの中身は、57年以上熟成させたマッカラン。
なおマッカランは、ラリックシリーズ以外にも多くの長期熟成&超高額ウイスキーを手掛けており、リリースのたびに大きなニュースとなっています。
2014年にサザビーのオークションに出品されたマッカランの「M」のインペリアル(6000ml)に至っては、なんと約6,500万円という価格で落札されました。
これは筆者が知る限りではウイスキーの歴代最高値です。
1. ダルモア 50年
産地:スコットランド(ハイランド)
ジャンル:シングルモルトウイスキー
英語名:Dalmore 50 Year Old
マッカランのラリックシリーズを抑え1位となったのはダルモアの50年。
ただしその差は約10万円とかなり僅差なので、動向次第では今日明日に順位が入れ替わることがあるかもしれません。
さて、こちらのダルモアですが、ダルモアはブレンデッドウイスキー・ホワイト&マッカイのキーモルト(重要な原酒)として知られるハイランド地方産のシングルモルト。
ダルモアは12年などのレギュラーシリーズの他に、これまでいくつもの数量限定の超高級シリーズをリリースしており、2002年にはダルモア62年が25,877ポンド(約350万円)で落札され、当時のウイスキー最高値を更新しました。
さらに2010年にリリースした64年トリニータスは、なんと約1600万円という価格となっています。
なお、今回1位となった50年はいくつか異なる瓶詰め年のものが出回っており、ボトルデザインや価格にバラつきがあります。
まとめ
以上が高額ランキングの上位10銘柄です。
1位は僅差でダルモアとなりましたが、マッカランの異様な強さが目立ちます。
マッカランはウイスキーのなかでもとりわけブランド力が強く、コレクター性も高いことからオークションでも軒並み高値をつけることでも有名。
ちなみにランクインしたウイスキーはほぼスコッチのシングルモルトとなっており、ブレンデッドウイスキーはジョニーウォカーだけとなっていることがわかります。
これはシングルモルトの希少性やブランド力、しいてはコレクター性が高いことが考えられます。
また、スコッチと並び世界的なウイスキーであるアメリカのバーボンがランクインしていないのは、バーボンは「エンジェルズシェア」の関係上、スコッチほど長期熟成ができないため高値がつきにくいためと思われます。
⇒早く熟成する?バーボンの熟成年数と年数表記の謎を簡単解説
最後に日本のウイスキーについて
日本のウイスキーで最も高い値段をつけたのは「軽井沢」のファイトクラブコレクション(複数ヴィンテージの3本セット)で、価格は約190万円で18位。他にも「響35年」が約170万円で20位につけています。
なかでも軽井沢は、ご存知の方も多いと思いますがすでに蒸留所を完全閉鎖しており、稀少性が高く世界中でかなりの人気を誇るため、今後さらに価値を上げていくでしょう。
それではこの辺で。
以上「最も値段が高いウイスキーは?世界高額ウイスキーランキングTOP10」でした。
【参考文献】
Wine-Searcher
The Whiskey Exchange
改訂世界ウイスキー大図鑑|柴田書店 監修・チャールズ・マクリーン
⇒世界高額ワインランキングTOP20【2017年6月】
⇒ウイスキー世界売り上げランキングTOP20
⇒ウイスキー蒸留所が手がけるクラフトジンまとめ【全8銘柄】
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