日本酒の「吟醸」とか「純米吟醸」ってどういう意味?

吟醸、純米、純米吟醸

日本酒を見ると、銘柄名のあとによく「吟醸」とか「純米吟醸」とか書いてありますよね?
酒販店や飲食店のなんかでも、日本酒のメニューにはほぼ必ずそれらが記載してあります。

例えば「八海山・純米吟醸」などのように。

この「吟醸」や「純米吟醸」は、日本酒の基本中の基本の要素で、実はかなり重要な意味があるのですね。
これら意味を理解しておくと、日本酒選びがスムーズになりますし、必ず役に立ちます。

そこで本記事では、「吟醸や純米吟醸が日本酒の何を表すのか」わかりやすく説明していきます。

吟醸や純米吟醸は、日本酒のグレードを表す

日本酒のラベルやメニューに書いてある「吟醸」や「純米吟醸」などの文言は、要するにグレードを表します。(正式には特定名称酒という)
吟醸や純米吟醸以外にも複数のグレードがあり、主に6〜7段階で別れています。

グレード別でしっかり規定が定められていて、その規定を満たしたものがそのグレードを名乗ることができるようになります。

グレードを上から挙げていくと、、

  1. 純米大吟醸
  2. 大吟醸
  3. 純米吟醸
  4. 吟醸
  5. 純米
  6. 本醸造

このように、一番グレードが高いのが純米大吟醸です。
いかにも名前からして高そうですね。

ちなみに、これらのグレードに当てはまらないものは、正式には普通酒と呼ばれます。
ですが、実体としてはあえて「普通酒」とは表記せず、銘柄名だけ表記することがほとんどですね。

「八海山・普通酒」ではなく、単純に「八海山」と。

日本酒の原料のコメは磨いてから使われる

日本酒の原料がコメだということは、皆さんもご存知かと思います。
日本酒で使われるコメも、普段私たちが食べているコメのように、余計な部分を磨き落としてから使われます。(精米といいます)

なぜ磨くかというと、食用にしろお酒用にしろ、多少は磨がかないと雑味やエグみが出てしまうからです。

この磨き具合、つまりどれだけ磨き落としたかを精米歩合と呼ばれるもので表します。
「精米歩合:60%」みたいな感じで…
ちなみにここでいう60%とは、40%は磨き落として60%コメの部分が残っている、という状態を表します。

精米した後のコメ

なぜわざわざ、精米歩合について説明したかというと、吟醸や純米吟醸などのグレードを決める重要な指標だからです。

精米歩合については、こちらの記事で詳しく解説しています。
日本酒の精米歩合とはどんな意味?【初心者向け】

本醸造とは?

本醸造は、コメだけで作るのではなく、醸造アルコールなるものを加えて作られます。(味などの調整のため)

【本醸造】

精米歩合:70%以下
添加物:醸造アルコール
特徴:辛口の日本酒が多い

純米とは?

純米はその名のとおりコメだけで作られます。本醸造のようにアルコールは添加しません。

【純米】

精米歩合:規定なし
添加物:なし
特徴:芳醇で味が濃い

吟醸とは?

吟醸は、吟醸づくりと呼ばれる特殊な製法で作られます。(ここでは割愛します)華やかなフルーティーな香りが強いのが特徴で、こちらはアルコールを添加します。

【吟醸】

精米歩合:60%以下
添加物:醸造アルコール
特徴:フルーティーな香りと、味が薄めで軽いので飲みやすい

※添加物であるアルコールは、香りをより引き立たせるといった意味合いもあり、決して悪いものではありません。

純米吟醸とは?

純米吟醸とはその名のとおり、純米と吟醸を掛け合わせたものです。

【純米吟醸】

精米歩合:60%以下
添加物:なし
特徴:味の濃さを残しながらも、フルーティーな香りが強く飲みやすい

大吟醸とは?

大吟醸は吟醸のグレードアップバージョンです。さらにコメを磨いて飲みやすさと香りの強さを感じることができます。
大吟醸以上は、よく高級酒として扱われます。

【大吟醸】

精米歩合:50%以下
添加物:醸造アルコール
特徴:吟醸よりさらにフルーティーな香りが強い、かなり飲みやすい

純米大吟醸とは?

純米と大吟醸を掛け合わせたもので、最高峰の日本酒などで用いられます。

【純米大吟醸】

精米歩合:50%以下
添加物:なし
特徴:味、香りのバランスがよく、まるでメロンのようなフルーティーな味わい

日本酒初心者の方には「吟醸」以上がおすすめ!

日本にまだ飲み慣れていない初心者の方は、ちょっとした辛味などもキツく感じてしまうこともしまいます。
(筆者自身も初めのうちは日本酒が苦手でした。)
なので日本酒に飲み慣れるまでは吟醸以上のグレードの銘柄をおすすめします。

華やかな香りが強く、飲みやすいものが多いですからね。
少しずつ慣れていくと、自分の日本酒の好みがわかっていくようになります。

ちなみに、吟醸酒で特におすすめなのは出羽桜です。
飲み口がとても軽く、フルーティーなので日本酒初心者の方でも飲みやすいです。

まとめ

各グレードの違いについて、わかりましたでしょうか?
大吟醸以上ではなんとコメを50%以下、つまり半分も磨き落としているのは驚きですね。

グレードは若干ややこしい部分でもあるので、少しずつ覚えていくと良いでしょう。
これらを覚えておくと、お店で自信を持って日本酒を頼めるようになりますよ。

それではこの辺で。
以上、日本酒の「吟醸」とか「純米吟醸」ってどういう意味?でした。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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