お酒関連の情報を見ていて、「RTD」「RTS」なる単語を目にしたことがある方は少なくないと思います。
酒類業界では頻繁に使われる専門用語で、一般向けの情報で使用される場合は()で意味を説明することが多いですが、何の説明もなしに使用される場合もあります。
そこで本記事では、この「RTD」と「RTS」という2つの単語の意味について簡単に解説していきます。
お酒を楽しむうえで必要不可欠な知識でありませんが、知っておくとどこかで役立つ知識です。
ちょっとした豆知識として知っておくと良いでしょう。
RTDは要するに缶チューハイ?RTSは?
まず先に結論から言うと、「RTDはそのまま飲めるお酒」「RTSは注いですぐ飲めるお酒」です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
RTDの意味とは?
まずRTDは、Ready to drinkの略語です。「すぐ飲めるもの」という意味で、栓を開けてそのまま飲めるお酒がこれにあたります。
代表的なところで言えば、缶チューハイもRTDです。他にも缶のハイボールやスミノフ・アイス、バカルディ・モヒート、ジーマなどの缶or瓶のカクテルもRTDにあたり、その多くがアルコール度数が5度前後と低いものとなっています。
RTSの意味とは?
対するRTSは、Ready to serveの略語です。「注ぐだけ」という意味で、氷を入れたグラスに注いで飲めるお酒がこれにあたります。ソーダや水で割って飲むケースもあります。
RTDに比べアルコール度数が10〜20前後ものが多く、700ml程度(ワインやウイスキーなどと同じ)と容量もRTDより多めのものが多くなっています。
代表的なところ言えば、ふんわり鏡月やバカルディ・カクテルズモヒート(RTDのモヒートとは異なり、700mlの瓶)やクエルボ・マルガリータ、最近ではサントリーのアイスジンもRTSにあたります。
傾向としては、RTDはあらかじめ炭酸などで割ったもの(つまり炭酸入り)で、RTSは炭酸などで割る以前のものといったところでしょうか。
どちらもより気軽にカクテルを楽しめるものとして、消費者の人気を集めています。
RTD・RTSをよく目にするようになったワケ
RTDやRTSは、特にここ3〜4年注目されるようになりました。
おそらくですが4年前ごろから始まったモヒートブームが関係しているのでしょう。
日本でもブームとなったモヒートですが、元々作るのにわりと手間がかかる方のカクテルです。
これをより気軽に楽しめるようにとバカルディ社がRTDのモヒートを手がけていたことで、多くの方がモヒートを認知し、さらに人気を集めました。
この頃から頻繁にRTDやRTSというワードを見るようになった気がします。
ちなみに日本ではRTDの方が人気ですが、アメリカではRTSが人気で、テネシーハニーやモヒート、そしてマルガリータなどが人気を集めているようです。
いずれにしても、このようにRTDやRTSなど「カクテルをより気軽に」という機運の高まりを受け、メーカー各社がこぞって新商品をリリースするようになったのでしょう。
消費者からすれば嬉しい話ですね。
日本は実はRTD天国?
最近でこそRTD・RTSという括りで注目されるようになりましたが、実は日本は元々「RTD天国」と言えるほどRTDが根付いている国です。
その理由はすでにお気づきかもしれませんが、「缶チューハイ」です。
世界的に見てこれだけ多くの種類の、缶に入ったカクテル・サワーがあるのはかなり珍しいようです。
スーパーに行けばビール棚の約半分は缶チューハイ(RTD)が占めていますから、たしかに元々かなりのレベルで根付いていたと言えます。
対して欧米などではウイスキーやリキュールなどをそのまま飲んだり、自分でカクテルを作ったりするのが一般的と言われてます。(だからこそRTSが人気なのでしょう)
そういった背景もあり、缶チューハイ(RTD)が一般的に広く認知され、そしてかなり売れている日本は「RTD天国」だと感じるのでしょう。
まとめ
本記事ではRTDとRTSの意味とそれにまつわるちょっとしたTipsをお送りしてきました。
最後にまとめると…
- RTDは、栓を開けてそのまま飲めるお酒で、缶チューハイなどがこれに当たる。度数は5度前後。
- RTSは、氷を入れたグラスに注いで飲めるお酒で、瓶に入ったカクテルなどがこれに当たる。度数は10〜20度前後。
実はみなさん知らず知らずにこれら(特にRTD)に触れていましたね。
これらはあくまで専門用語ですので必要な知識ではありませんが、知っておくと今後関連情報がすんなり入ってくることでしょう。
様々なRTD・RTSを試してみたくもなるかもしれませんね。
おすすめ情報についてはまた別記事でまとめようと思います。
それではこの辺で。
以上「知っておくと役立つかも?RTD・RTSという単語の意味とは」でした。