新型コロナウイルス感染拡大問題など、社会を動かす様々な出来事があった2020年も後半に差し掛かり、あと2ヶ月で新年を迎えることとなります。
新年の一つの楽しみといえばおせち。
昨今のご時世から、今年の年末年始は自宅で過ごそうとする方が多いとされ、おせちは過去にない需要が見込まれています。
そんなおせちの中でも、今回ご紹介する「ユウキ丸 2021迎春おせち」は、作り手の想いとこだわりが詰まったユニークなおせちです。
そこで今回は、おせちを手がけるユウキ丸の代表・高野裕貴さんに、その特徴や創作のワケ、そして込められた想いなど聞いてみました。
新年の始まりを彩る料理二段重と焼き菓子のセット
現在33歳の高野さんは、料理人歴12年。これまでに比内地鶏専門店「今井屋」や、中目黒で高い人気を誇った鶏鍋店「KIJIMA」で修行を積むと、KIJIMAの系列店である、これまた人気店の「居酒屋三盃」では料理長として、居酒屋の枠を超えたハイクオリティな料理を振る舞ってきました。
料理人としての腕だけでなく、明るく人情に溢れた人柄から、多くのお客さんに愛された高野さん。自身が立ち上げたブランド「ユウキ丸」が手がける「2021迎春おせち」は、そんな高野さんの料理への想いとこだわりが詰まったおせちです。
ユウキ丸おせちの特徴は、料理二段重と焼き菓子のセットになっていること。
実は高野さんは、自身の作業場として、清澄白河で「BLISS CAFE」を手がける株式会社ランビックが運営するケーキ工場及びキッチンを間借りしているのだそう。
そこで出会ったパティシエの方たちと共に創作するユウキ丸おせちは、もちろん全て手作り。高野さんの、料理人としてのキャリアの中で出会った魚屋さんや農家の方などから仕入れる、とびきり良質な食材を用いて、ノドグロの柚子釜蒸しや金目鯛の西京焼きなど、おせちの定番料理をアップデート。また、パティシエが作る焼き菓子は、和の食材を使っているのが特徴で、例えばエビと青海苔を使った焼きメレンゲなど、甘じょっぱい仕上がりとなり、小さな子供はもちろん、お酒のおつまみにもなるのだそう。
焼き菓子以外でも、例えば伊達巻はロールケーキの要領でパティシエの技術が活かされるそうで、「(経歴が異なる)みんなの知識を共有しながら最善のオペレーションで作業を進めることができるんです。様々なシチュエーションで、大人からお子様までみんながドキドキワクワクする様な作品に仕上がりますよ」と語る高野さん。
ケーキ工場兼キッチンで作るからこそ、パティシエとのコラボレーションだからこそ、オリジナルのおせちを創作できるのだと言います。

高野裕貴さん
実は鮮魚の名産地、長崎ブランドの発信を
とはいえ、そもそもなぜ高野さんはおせちを手がけようと思ったのでしょうか?
実は、本来なら今年4月からアメリカで料理人として働いているはずだったという高野さん。
10代の頃からの夢だったアメリカでの調理の仕事が叶うはずが、世界的に広がりを見せていた新型コロナウイルスの影響により延期に。先が見えず意気消沈していた高野さんに、「うちでお弁当作りをしないか?」と声をかけたのが、今回のおせち作りの拠点でもあるランビックの藤堂社長でした。そうしてお弁当のプロジェクトが持ち上げると、すぐさま知人から「長崎の美味しい魚を是非使ってくれ」と声が掛かり、決して規模が大きい事業ではないながらも高品質な食材の調達ができたのだそうです。
コロナ禍で急ながら始めたお弁当事業は、高野さんの友人や元職場の常連の方たち、そして食材を提供してくれた魚屋さんや農家の方にも支えられ、手応えがあったのだとか。
だからこそ「支えてくれたみなさんに恩返しとして、喜んでもらえる何かをしなくては!と思いました。料理人として考え抜いてたどり着いたのがおせちだったんです」と、おせちを手がけることになった理由について話します。(高野さんはこれまでにもおせち作りの経験があるそう)

長崎の魚屋さんと高野さん
おせちを手がける理由はこれだけでありません。
ユウキ丸おせちは、長崎の海の幸をふんだんに使用しているのも特徴の一つです。
実は長崎は、鮮魚の漁獲量が北海道に次いで2位。青魚に関しては日本一なのだそうです。「長崎は良いものがたくさん漁れるのに、ブランドがあまり浸透していないように思います。漁師の仕事だけでは食べていけない人も多いそうで…お弁当事業では仕入れの量は決して多くはなかったんですが、おせちならかなりの量を仕入れることになり、魚屋さんにとっても売上になります。それに長崎ブランドの発信にもつながると思ったんです」と高野さん。長崎の魚屋さんも「(おせち用の注文を受け)そんな量は今まで卸したことがない」と嬉しそうに期待を寄せてくれているのだそうで、お弁当事業でお世話になった魚屋さんなど、生産者の方の力になり、そして喜んでほしいというのも大きな理由だと話します。

食べる人、関わる人みんなが笑顔になれるようなおせちを
「食べる人、作る人、みんなが笑顔になるようなおせちを」
これまで支えてくれた方たちへの恩返しの形として始めるに至った今回のおせち。その中身にはどんな想いが込められているのでしょうか?
ユウキ丸おせちは、高野さんがこれまでにお世話になった方たちと創り上げるおせちであり、食材はもちろんのこと、写真撮影やプロモーションまで、プロジェクトの全てにおいて知人に携わってもらっているのだそう。
「買ってくれた人の満足度をよりあげたいという想いがあります。ただ良い食事をしてもらうというより、その食材に携わった人の想いも感じて欲しいですし、生産者、携わっている人、最後に食べる人、みんなが同じ気持ちになれるようなおせちにしたいという想いがあります。このおせちを通して、関わるみんなが笑顔になってくれたら良いなと思います」と高野さんは語ります。
長崎の海の幸を活かし、自身の料理の腕前にパティシエの技術が合わさり、焼き菓子がセットになるというユニークなユウキ丸おせち。
「自分にとって料理とは、人や周りの世界と繋がるための手段です。自分の想いを料理で表現すれば伝わる何かがあると思うんです。だからこそこれからも沢山の人に出会って、少しでも美味しい料理を届けられるように生きていこうと思います」と想いを語る高野さんの人柄がにじみ出たものだと言えるでしょう。
料理に、人に、愛に溢れたおせちで新年を迎えてみては?
詳細
【ユウキ丸 2021迎春おせち】
内容:料理二段重(16品)、焼き菓子セット(5品) ※詳しくは画像に記載
価格:18,000円(税込)
予約・購入先:https://ramvicsweets.thebase.in/
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