「山田錦」や「五百万石」はご存知でしょうか?
知ってのとおり、日本酒はお米を原料に作られています。
しかし、日本酒に使うお米は、私たちが普段食べているコシヒカリなどとは違うものです。
日本酒で使われるお米は酒米(酒造好適米)といい、食用米とは区別されているんですね。
上記の山田錦と五百万石は、この酒米の代表的な品種です。
いくつか品種があるということは、当然それぞれ違う特徴を持っています。
そこで本記事では、日本酒に使われる酒米の品種の特徴について、ざっくりとご紹介していきます。
代表的な酒造好適米5品種の特徴
本記事でご紹介する酒米は、下記5品種です。
- 山田錦
- 五百万石(ごひゃくまんごく)
- 美山錦(みやまにしき)
- 雄町(おまち)
- 出羽燦々(でわさんさん)
それでは上から順に、まずは王道の山田錦からご紹介です。
山田錦
タイプ:芳醇旨口
味わい:甘い香り、コクがある、コメの甘み
酒米の王様とも呼ばれる品種で、生産量1位の酒米です。
その半数以上を兵庫県で生産していて、同時に兵庫県産の山田錦は質が高いとされています。(よくラベルにデカデカと「兵庫県産山田錦使用」と書いてあるぐらいです)
その質の高さから、5,000円を超える高級品の多くは、この山田錦を使用しています。
五百万石(ごひゃくまんごく)
タイプ:淡麗辛口
味わい:程よい香り、あっさり、後ギレが良い
山田錦に次いで、第2位の生産量を誇る代表的な酒米です。
主に新潟で生産されていて、新潟のお酒といえば「淡麗辛口」で有名ですが、この五百万石がその一端を担っているとされています。
新潟酒のブーム時はとても人気があった酒米ですが、現在では山田錦の人気に押され気味です。
美山錦(みやまにしき)
タイプ:やや淡麗旨口
味わい:スッキリした甘み、程よい酸味
こちらは生産量3位の酒米です。
主要な酒米の中では、バランスに優れていて、薄すぎず濃すぎず、甘すぎず辛すぎずな味わいです。
最近話題の秋田の銘柄「新政」でも使用されています。
雄町(おまち)
タイプ:芳醇旨口
味わい:香りは控えめだが味が濃い、コク深い
酒米の中で最も古いとされる品種で、そのほとんどを岡山県で作っています。
とにかく濃い味わいで、筆者はよく「ワイルド、野性味溢れる」と例えています。
良くも悪くも、荒々しい味わいです。
(筆者が一番好きな酒米です…)
出羽燦々(でわさんさん)
タイプ:淡麗辛口
味わい:フルーティーな香り、爽やかな辛口
山形県で誕生した酒米で、主要な酒米なかでは比較的新しい品種です。
特徴は何と言っても爽やかでフルーティーな吟醸香で、口当たりも良い日本酒を作り出します。
近年世界的に評価を高めている「出羽桜」に使用されている酒米でもあります。
まとめ
ここまでご覧になり、だいたいの特徴は掴んでいただいたでしょうか?
日本酒は醸造酒ですから、原料の特徴が残るお酒です。
ワインほどとはいかないまでも、お米(原料)の影響を強く受けます。
つまり、これら酒米の特徴は日本酒選びの基準にもなる、ということです。
ちなみに、日本酒初心者の方には、まず王道の山田錦から試していくことをおすすめします。
もしお口に合わなければ、出羽燦々などの飲みやすいもので試すのも良いかもしれませんね。
それでは今回はこの辺で。
以上、「山田錦に五百万石…日本酒に使われる主な酒米をざっくり説明」でした。