ビールといえば大麦麦芽から造られたお酒ですが、もう一つ重要な原料があります。
その原料の名は「ホップ」
ビールは主に大麦麦芽(モルト)と水、そしてこのホップと呼ばれる植物(ハーブの一種)からできているのですが、実はホップはビールの風味においてとても重要な役割を果たしています。
本記事ではホップについて、ビールに使用される主なホップ3種類(ファインアロマホップ、アロマホップ、ビターホップ)の特徴をまとめていきます。
実はどのホップを使用するかによって、出来上がるビールは風味はかなり違ってくるのです。
それでは見ていきましょう。
ビールにおけるホップの役割
ビールを造るにあたって、最も欠かせない原料が大麦であることは変わりません。(これがなければビールはできませんから)
しかし、実はビールのあの味わい、つまりはあの苦味や独特の香りを出しているのは、実はホップなのです。
このホップがなければ、ビールは香り・味ともに甘いお酒になってしまいます。
- ビールの清澄作用
- ビールの殺菌作用
- ビールの香り・味付け
ホップには上記のように、ビールの濁りを取り除きクリアな色合いにする役割や、雑菌の繁殖を抑える働きがあります。
しかし、今日のビール造りにおいて最も重要な役割は、ホップがもたらす苦味や独特の爽やかな香りでしょう。
そのホップには主に3種類あり、どの種のホップを使用するかによりもたらす苦味や香りが変わってきます。
ファインアロマホップやビターホップなど、ホップ3種の特徴を比較
ビールに使用されるホップは、主にファインアロマホップとアロマホップ、それにビターホップの3種類に分けられます。
ファインアロマホップについては、ビールのCMなどで耳にしたことがある方もいるかもしれませんね。
それでは、それぞれの特徴を見てみましょう。
ホップの種類 | 特徴 |
ファインアロマホップ | 香り・苦味が穏やかで上品 |
アロマホップ | 華やかな香り、香りが強い |
ビターホップ | 苦味重視、香りより苦味が強い |
ファインアロマホップの特徴
ファインアロマホップは、ビールにもたらす香り・苦味は穏やかで、上品な味わいのビールとなる傾向があります。
ホップの中では高級種とされ、なかでも有名な品種「ザーツ」は、ピルスナータイプのビールでしばしば使用される品種で、プレミアムモルツなど多くの日本の大手ビールにも使用されています。
⇒ピルスナーやペールエール、IPAにスタウトなど…ビールタイプを簡単解説
アロマホップの特徴
アロマホップは、ご紹介している3種の中では香り重視のホップで、ビールにもたらす香りが強い傾向にあります。
クラフトビールのブームとともに注目されるようになった、アロマホップの代表品種「カスケード」は、ペールエールやIPAなどでよく使用され、グレープフルーツのような柑橘系の香りで知られています。
ビターホップの特徴
ビターホップは、上記の品種に比べ、香りではなく苦味重視のホップで、ビールにもたらす苦味が強いとされています。
なかでも有名なビターホップの品種「ナゲット」は、苦味の元となるアルファ酸の数値が高く、しっかりとした苦味をもたらすだけでなく、ハーブのような香り深みのある香りももたらします。ナゲットは、アメリカンペールエールやスタウトなどによく使用されます。
ホップだけで味わいを判断することは難しい
ここで挙げた3種はあくまで代表的な3種で、これら3種以外にもホップの種類はあります。
また、ホップは単一の種のみを使用しているとは限らないので、ホップだけでビールのスタイルを判断するのは難しいと言えるでしょう。
しかし、最近ではホップの構成を開示したり、自らホップによるビールスタイルの特徴をアピールするメーカーも多いため、こちらは参考になるかもしれません。
まとめ
ビールの味わいにおいて、かなり重要な役割を果たしているホップ。
そのホップの主な3種について本記事では解説してきました。
最後にざっくりまとめると…
- ホップはビールに苦味や独特の香りを与えている
- ファインアロマホップは香り・苦味ともに穏やかで上品
- アロマホップは香りが華やかで、香り重視
- ビターホップは苦味がしっかりしており、苦味重視
なお、本記事ではホップの3種のみのご紹介でしたが、先ほど少し触れたとおり、ホップにはさらに品種があります。
同じアロマホップに該当する品種でも、違った特徴を持っていたりと様々です。
こちらについてはまたの機会でご紹介しようと思います。
それではこの辺で。