ラベルに登場する用語を少しでも理解しておくと、選ぶ楽しみが広がるもの。
芋焼酎や麦焼酎など、いわゆる本格焼酎には様々な専門用語がありますが、その中でもラベルや銘柄名にもよく登場するのが「無ろ過」と「原酒」という用語。
その言葉からなんとなくイメージはつきそうですが、具体的にはどのような意味があり、その焼酎にはどんな特徴が表れるのでしょうか?
今回は「無ろ過」と「原酒」の意味と特徴を簡単に解説します!
これら2つの用語が用いられる焼酎は、独自の特徴をもつ傾向があります…
「無ろ過」とは?
その言葉どおり、ろ過を行わない焼酎を「無ろ過」と言います。
焼酎は通常、モロミを蒸溜した後、そのまま貯蔵や瓶詰めするのではなく、フィルター装置を駆使してろ過を行います。
焼酎は蒸溜の際に、原料から出るフーゼル油と呼ばれる油分が発生します。旨味のもとになることもある成分ですが、多すぎたり、ただ放置すると焼酎の香りや味わいが損なわれる可能性もあるため、それを適度に取り除くべくろ過が行われているのです。
とはいえ、この油分は必ずしも良くないわけではなく、ちょうどよく残すことで、香りや風味が豊かな焼酎になることも。
そのため、数は少ないながらも、フィルターろ過を一切行わない、または貯蔵中に表面に浮いている油分をすくうぐらいで出荷する「無ろ過」の焼酎が流通しているのです。
言い換えると、焼酎本来の味わいを感じることもできるのが無ろ過の焼酎で、その程よくオイリーかつフレッシュで濃厚な風味は無ろ過ならではのもの。
焼酎ラバーから比較的人気の高いスペックです。
代表的な無ろ過の焼酎銘柄
「もぐら (芋)」、「㐂六 無ろ過 (芋)」、「たなばた 無ろ過 (芋)」、「不二才 醅 (芋)」など
「原酒」とは?
“割り水”によるアルコール度数調整を行わず、元の状態のままで出荷されるのが「原酒」。
焼酎は通常、モロミを蒸溜後、ろ過を経て貯蔵し、瓶詰め前に“割り水”と呼ばれる工程を経ます。
これは、蒸溜・貯蔵後そのままの状態の焼酎原酒はアルコール度数が40度前後あるため、水を加えることで規定のアルコール度数に調整する工程で、これによりアルコール度数25度の焼酎を実現させています。
この割り水を一切行わなずに、瓶詰め・出荷されるのが「原酒」です。
前述したように度数が40度前後のままで出荷され、その度数の高さゆえに、銘柄の個性をダイレクトに感じやすく、豪快かつ濃厚な旨味を感じることができるのが原酒の魅力です。
流通量は少なく、限定品や高級銘柄として出荷されることも多く、価格はやや高くなる傾向があります。
あえてストレートで味わい、少しずつ水を加えて味の変化を感じる、という通な飲み方もオススメです。
代表的な原酒の焼酎銘柄
「たちばな 原酒 (芋)」、「兼八 原酒 (麦)」、「霧島 志比田工場原酒 (芋)」、「六代目百合原酒 風に吹かれて (芋)など
まずは一度体験してみては?
無ろ過の焼酎も原酒も、通常の焼酎では味わえない、香りや風味を堪能することができます。
その個性の強さや度数の高さから、決して万人に受け入れられるようなものではありませんが、焼酎が好きな方なら一度は体験しておいた方が良いでしょう。
もしもこれらの焼酎を見かけたら、まずは味わってみては?
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