白麹の芋焼酎をリストアップ!オススメ銘柄厳選6選

白麹の芋焼酎・厳選6選

一麹、二酛、三造り」という言葉があるように、芋焼酎造りで「麹」は最も大切な要素とされています。

焼酎造りに用いられる麹(米麹)には、「白麹、黄麹、黒麹」の3つのいずれかの麹菌が使用され、使用する麹菌の種類によって出来上がる芋焼酎の味の傾向が分かれます。
なかでも白麹の芋焼酎は、黒麹のそれに比べ芋の風味がやや穏やかで、優しくすっきりした味わいで飲みやすい傾向にあります。

ということで本記事では、白麹を使用した芋焼酎の中から、筆者が特にオススメする銘柄を6つに厳選しご紹介。
今回ピックアップした銘柄は白麹芋焼酎という括りであるものの、個性豊かな銘柄が勢ぞろいしています。

黒麹・白麹・黄麹について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
芋焼酎の黒麹・黄麹・白麹…それぞれの特徴や違いを簡単解説

紹介欄の見方

焼酎紹介欄では、産地の他に、芋の種類と蒸留方法を記載しています。
詳しくは下記をご参考ください。

芋の品種について】

芋焼酎では、多くの銘柄で黄金千貫(コガネセンガン)を使用している。
他にも、やや淡麗でフルーティーなジョイホワイトや、甘みが強い紫芋が使用されることも。

蒸留方法について
芋焼酎の蒸留方法は、常圧蒸留か減圧蒸留かに分かれる(ともに単式蒸留)
常圧蒸留では、原料の風味が残るしっかりした味わいになり、減圧蒸留ではクリアでスッキリした味わいになる傾向がある。
黒麹の芋焼酎では多くが常圧蒸留を採用。

白天宝山 (はくてんほうざん)

産地:鹿児島

芋の種類:黄金千貫

蒸留方法:常圧

白天宝山は、芋焼酎の超人気銘柄である「富乃宝山」や「吉兆宝山」を手がける「西酒造」の白麹芋焼酎。

黄金千貫を使用し、常圧蒸留という定番の造りから生み出される白天宝山は、しなやかで口当たりの良い優しい味わいながらも、芳醇な芋の風味もしっかり感じる一本です。

今回ご紹介する芋焼酎の中でも、とりわけ白麹らしさを感じる銘柄で、吉兆宝山では濃いけど富乃宝山では少しもの足りない」という方にはぴったりです。

不二才 (ぶにせ)

産地:鹿児島

芋の種類:黄金千貫

蒸留方法:常圧

不二才は、「晴耕雨讀」や「角玉」などを手がける名門・佐多宗二商店の代表銘柄。
焼酎造りには欠かせない工程である蒸留に、異様なこだわりを見せる蔵元が造る白麹芋焼酎は、「不二才=鹿児島弁で醜男」の意味のとおり無骨で芋らしさを感じる味わいとなっています。

ちなみに佐多宗二商店は、洋酒にインスパイアされた「AKAYANEシリーズ」も手がけるなど挑戦的な蔵元で、同シリーズにはウイスキーのような芋焼酎や最近ブームとなっているクラフトジンなどがあります。

AKAYANEシリーズについてはこちらの記事で一部ご紹介しています。
焼酎の名門が造るジャパニーズクラフトジン「AKAYANE」の魅力に迫る

川越

産地:宮崎

芋の種類:黄金千貫

蒸留方法:常圧

川越は、川越酒造場で造られる芋焼酎で、昔も今もとても人気があり希少で入手困難な銘柄です。


朝採れたばかりの新鮮な芋を使用し、伝統的な甕壺にて仕込み、人の手によって丁寧に造られているがゆえに少量生産。
そしてこの銘柄の特徴は、米焼酎をわずかにブレンドしていること。
米を加えることにより繊細でまろやかな、いかにも白麹らしい酒質となり、芋焼酎が苦手な方でも飲みやすい味わいなっています。

杜氏潤平 (とうじじゅんぺい)

産地:宮崎

芋の種類:宮崎紅

蒸留方法:常圧

宮崎の「小玉酒造」が造る杜氏潤平は、その名のとおり潤平という名の杜氏(金丸潤平氏)が手がける芋焼酎。

「じっくり少量」がコンセプトの丁寧な造りの白麹焼酎で、芋は食用として有名な宮崎紅を使用しています。

糖度が高く甘みの強い芋を使用することで、華やかでフルーティーな風味が効いており後味はすっきり、飲みあきしない味わいの芋焼酎です。


ロック、水割り、お湯割りなどどんな飲み方にも対応しています。

甕雫 (かめしずく)

産地:宮崎

芋の種類:紅寿(べにことぶき)

蒸留方法:減圧

甕雫(かめしずく)は、宮崎の「京屋酒造」が手がける希少な白麹芋焼酎。

創業1834年の老舗蔵元で、昔から今も変わらず大甕仕込みで造っており、さらに甕雫では出来上がった焼酎も瓶ではなく甕に入れて出荷するという、かなり珍しい焼酎です。

使用する芋も珍しく、紅寿という食用に用いられる甘みの強いものを使用。

それを常圧ではなく減圧蒸留で仕上げることで、甘みがありつつもすっきり飲みやすい味わいとなっています。

山ねこ

産地:宮崎

芋の種類:ジョイホワイト

蒸留方法:常圧

山ねこは、「㐂六(きろく)」や「中々」で有名な黒木本店の芋焼酎で、こちらは尾鈴山蒸留所という山の中にある蒸留所にて造られています。

同社はいずれも自家栽培の芋を使用しており、山ねこでは、独特のフルーティーな香りが持ち味のジョイホワイトを使用。

そうすることで焼酎自体も華やかでフルーティーな香味が効いており、味わいはすっきりしていて飲みやすいのが特徴です。

ビギナーにもオススメの銘柄です。

まとめ

以上が、筆者がオススメする白麹の芋焼酎6銘柄です。
気になる銘柄は見つかりましたでしょうか?

白麹の芋焼酎は、芋の主張が強すぎず、優しくすっきりした味わいで飲みやすいのが魅力です。
とはいえそのなかでも、各銘柄にしっかり個性があり、同じ味の銘柄はひとつとしてありません。

ぜひ色々な白麹芋焼酎を味わい、自分好みの銘柄を見つけてみてください。

【参考文献】
焼酎手帳|東京書籍 監修・SSI
焼酎ぴあ|ぴあMOOK

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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