原料レシピの違い?「テキーラ」には大きく2つカテゴリーがあるって知ってた?

原料レシピの違い?「テキーラ」には大きく2つカテゴリーがあるって知ってた?

カレーに様々なカテゴリーがあるように、一口にテキーラと言っても、様々なカテゴリーがあり、それによって味わいも変わってきます。

テキーラは熟成期間の違いによってクラス分けがされていることはよく知られていますが、今回スポットを当てるのは原料のレシピの違いによるカテゴリーについて。
「テキーラ」と「100%アガベテキーラ」なる2つのカテゴリーがテキーラには存在するのです。

これらの違いを知っておくと、よりテキーラを楽しめるようになるかもしれません。

副材料を使用する「テキーラ」と、主原料のみで造られる「100%アガベテキーラ」

テキーラは「アガベ (和名:竜舌蘭)」と呼ばれるアロエにも似た多肉植物を主原料として造られています。
多くのお酒が穀物やフルーツを原料とする中、植物を原料とする数少ないお酒でもあるテキーラですが、その名を名乗るには、厳格に定められた規定を順守して造られたものでなければなりません。

産地はメキシコのハリスコ州など指定の5州限定。
数あるアガベの中から「アガベアスル (英名ブルーアガベ)」という品種を用いなければならず、原料のレシピのうち、51%以上(つまり半分以上)これを使用するなどいくつかの規定に沿ったものがテキーラとなります。

テキーラの原料となる「アガベアスル」

テキーラの原料となる「アガベアスル」

アガべの使用率が“51%以上”とあるように、その他の材料の使用も認められており、主原料のアガベの他、副材料も用いたテキーラのカテゴリーを「テキーラ」と呼びます。
「テキーラ」に使用される副材料は限られており、糖蜜やトウモロコシなどが由来の糖分が一般的。
基本的に大量生産のテキーラに多く、値段は安価になる傾向があります。
代表的な銘柄で言うと、「クエルボ・エスペシャル」や「サウザ」などがこれにあたります。

一方で、副材料を使用せず、主原料のアガべだけから造られるテキーラを「100%アガべテキーラ」と呼びます。
要するに果汁100%ジュースのようなもので、アガベ由来の甘みを感じやすく、スムースな口当たりになる傾向がある本格派のテキーラとも言えるでしょう。
2000円前後のものから数万円のものまで価格帯の幅は広く、ラベルには必ず「100% de Agave」など、100%アガベである旨の表記がされるため比較的簡単に見分けがつきます。
代表的な銘柄で言うと、「クエルボ・トラディショナル」や「サウザ ブルー」などの他、「ドン・フリオ」や「パトロン」などラグジュアリーなブランドの多くはこのカテゴリーにあたります。
(実質、3000円以上のテキーラの多くが100%アガベテキーラ)

世界的に人気があるのは100%アガベテキーラ

現在、世界一のテキーラ消費国であるアメリカ(※CRT/テキーラ規制委員会・2019輸出データより)を中心にテキーラは大きなムーブメントとなっていますが、そのアメリカで人気なのは100%アガベテキーラ。
親しまれている全テキーラのうち6割弱が100%アガベテキーラなのです。(※同上データより)
このカテゴリーのテキーラをソーダで割ったり、「パロマ」や「マルガリータ」などカクテルとして味わうスタイルが、テキーラ全体の人気を広げているともされています。

テキーラの人気カクテル「パロマ」

テキーラの人気カクテル「パロマ」

一方日本では、100%アガベテキーラの内訳は1割にしかすぎず、巷で飲まれているテキーラの多くが「テキーラ」カテゴリーだというのが現状です。

100%アガベテキーラも味わってみよう

果汁100%のジュースとそうでないジュースと同じような違いによって、「テキーラ」と「100%アガベテキーラ」にカテゴリー分けがされているわけですが、それらのジュースの味が違うように、テキーラもまた味わいが異なります。
カテゴリーで優劣が付けられるわけではありませんが、日本ではまだまだ「テキーラ」しか味わったことがない方も多くいることから、一度「100%アガベテキーラ」を味わってみるのもオススメです。

ひょっとしたらテキーラのイメージが変わるかもしれません。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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