ウイスキーが低カロリーで糖質ゼロってホント?

ウイスキー・カロリーと糖質

ブームを通り越してすでに定番化しているウイスキー。
ハイボールなど親しみやすい飲み方が普及していることから、普段からウイスキーを飲んでいる方は今や少なくないしょう。

さて、そのウイスキーを楽しむ上でどうしても気になるのが、”カロリー“そして”糖質
ウイスキーはカロリーが低いとも高いとも言われ、どちらが本当なのか、さらには糖質ゼロとも言われますが、これは本当なのか、本記事ではこれらの疑問について、解説していきます。

これらを知ることで、より気兼ねなくウイスキーを楽しめるようになることでしょう。
それでは見ていきましょう。

ウイスキーは低カロリーでも高カロリーでもない

まずはウイスキーのカロリーから。
こちらのビールや日本酒なども含めた各酒類のカロリーを比較したグラフをご覧ください。
よく見る”100g(100ml)あたり“の成分表です。

各お酒のカロリー比較(100mlあたり)

お酒の種類 カロリー(kcal) 炭水化物(g) たんぱく質(g) 脂質(g)
ビール 40 3.1 0.3 0
日本酒(普通酒) 109 4.9 0.4 0
赤ワイン 73 1.5 0.2 0
本格焼酎 146 0 0 0
ウイスキー 237 0 0 0

データ元:食品成分データベース・文部科学省

こうしても見ると、ウイスキーはかなりカロリーが高い印象を受けます。
ウイスキーはカロリーが高いとする主張ではこのようなグラフを用いているのですが、実はこのグラフ全くと言っていいほどアテになりません

なぜなら、アルコール度数が異なるお酒が全て”100ml”で計算されてしまっているからです。
当たり前ですが度数が異なるウイスキーとビールでは飲む量も異なり、つまりお酒のカロリーについては量ではなく度数(アルコール量)で計算しなければならない、ということです。

ということで次に、それぞれの酒類をアルコール量を20gで一定にし、もう一度グラフにしてみましょう。(お酒の量はバラバラですがアルコール量は一定)
ちなみにアルコール量20gは、厚生労働省が定める一日の飲酒量の適量とされる量です。(飲酒のガイドラインより)

各お酒のカロリー比較(アルコール20gあたり)

お酒の種類 カロリー(kcal) 炭水化物(g) たんぱく質(g) お酒の量(ml)
ビール 216 16 1.6 540
日本酒(普通酒) 196 8 0.7 180
赤ワイン 161 3.3 0.4 220
本格焼酎 102 0 0 70
ウイスキー 142 0 0 60

データ元:食品成分データベース・文部科学省
※上のグラフの脂質の部分(いずれも含有量はゼロ)をお酒の量に変えています。

こうして見ると随分印象が変わります。
ウイスキーのカロリーは決して低いとは言えないものの、ビールや日本酒などと比較すると高くはないと言ったところ。

ちなみにウイスキー60mlとはシングル2杯にあたり、ハイボールに例えるなら1.5〜2杯程度です。

糖質ゼロは本当!

カロリーについて分かったところで、次に糖質について。
上のグラフを見て気づいた方もいると思われますが、ウイスキーは糖質ゼロで間違いありません。

どこにも糖質ゼロなど記載されていないけど?
そう思うかもしれませんが、上のグラフでは炭水化物量が記載されており、これは糖質の大元にあたる成分なので炭水化物量がゼロ=糖質ゼロというわけです。

これはウイスキーに限らずですが、同じく蒸留酒ではあれば糖質は必ずゼロになります。(蒸留酒とは、発酵だけでなく蒸留を行う高アルコールのお酒で、焼酎やテキーラ、ジンなどがこれにあたる)

ウイスキーの前段階とも言えるビールの状態ではまだ糖質が残っていますが、これを蒸留することで、糖質やそのた成分は取り除かれるのです。

カロリーを気にする必要はあるのか?

ウイスキーが注がれたグラス

このようにカロリーはほどほどですが、糖質はゼロであることが分かりました。
普通に適量を嗜む程度ではあまり気にする必要はないと言ったところでしょう。

そもそもお酒に含まれるアルコールはそれ自体が高カロリー成分なのですが(だからグラフでも一見高アルコール度数のウイスキーが高カロリーに見える)、アルコールのカロリーは食べ物のカロリーとは異なり、体に蓄積する栄養成分などを含みません。
このことからアルコールのカロリーは「エンプティカロリー(空っぽのカロリー)」と呼ばれています。

食べ物のカロリーとは少々勝手が違うわけですが、ここ注意しなければいけないのが、いくら中身が空っぽのエンプティカロリーとはいえカロリーはカロリーということ。
決して摂取カロリーから除外されるわけではなく、飲みすぎてそこそこ食べればきっと太るでしょう。

とはいえウイスキーの場合、カロリーはほどほどで糖質はゼロですからそれほど気にする必要はなく、節度ある量の範囲であれば問題はないでしょう。

まとめ

ここまでウイスキーのカロリーと糖質について解説してきました。

最後にざっくりまとめると…

  • ウイスキーのカロリーは60mlあたり142kcal
  • ウイスキーのカロリーは高くもなく低くもなく
  • ただし糖質はゼロ
  • カロリーや糖質的にそれほど気にする必要はない

ということで、ウイスキーは決して低カロリーではないものの、糖質ゼロは本当であることが分かりました。
このことからウイスキー自体のカロリーを気にするのではなく、飲みすぎ食べすぎの方を注意した方が良さそうです。

ウイスキーに限らずですが、お酒は私たちの心を満たしてくれるものでもあり、それと同時に健康リスクを孕んでいるものであります。
節度をもって上手に付き合っていきたいものです。

それではこの辺で。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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